鳴る箱0-8
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ニューイヤーコンサートのこと
1 小屋より家
2 家の音

3 裂けた闇に流す音
4 大小の床の間
5 能楽堂の壺効果

6 水を張った小屋
7 個人の趣向を越える集団の特性
8 完全再現の響き

MashudaBBS2003.01.02  No: 3718-No: 3731

鳴る箱8 完全再現の響き  No: 3731 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/01/02 Fri 11:43:34

将棋にも響きが悪い手と良い手がある。
だから「響きが薄い」と言う表現が将棋にも使用される。
将棋が音楽よりハッキリ優れた点は棋譜で完全再現できるということ。
映像などはいくらでもゴマカシが通用する。昨年の大内事件のように解説だけ差し替えても事情を知らない者にはわからない。カラヤンの録音法がまさにソレ。完璧さだけを冷酷に構築するために1小節ごとに録音しそれをつないで完成させるエディットシステム。以降の録音法はすべてこれに影響されている。グールドもその録音法を最善とした。それはそれでよい。将棋など最初からツギハギ芸術である。ヴィンテージのジーパンよりも古い。
問題はどのようにエディットしても再現される場所はお茶の間であるということ。音楽はその点ハッキリ将棋に劣る。将棋は棋譜だけで完全再現できてしまう。だから新聞にとって最高のメディアなのである。紙切れのスミっこに載せたミミズがその芸術を完全再現できるということは何度みても斬新である。どんな優秀な再生装置もこのミミズの完璧さに敵わない。


鳴る箱7 個人の趣向を越える集団の特性  No: 3730 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/01/02 Fri 11:24:57

ひとたびその斬新さが認知されると誰でも遊びの部分を次回は誇張する。
スィングを入れる。フルトヴェングラーやクライバーのマネは誰でも一度はやってみたくなる。小沢にはそれが許されない。ハッキリしているのはカラヤン風だけは誰でも死んでもマネしたくないということであろう。ところが誰も大声で言いたくはないがMVを最大限鳴らした指揮者とは晩年のカラヤンであった。集団の特性は個人の趣向を越える場合がある。
これも響きの問題に帰結する。羽生が王位戦や竜王戦で負けても余韻を残すのはその為であった。響きとは個体からは決して生じない。
正月番組では三浦がスィングを入れてお好み対局で角落ちで負けている。桂受けの手筋を逃す藤井よりすべて見抜いていた中井の方が解説はよい。NHK杯は今度から中井解説を期待したい。少なくとも藤井より手の響きが見えている。藤井が見落としている筋は観衆に丸見えであったと誰が彼に教えるのであろう?三浦は相変らず響きが悪い古畳が好きである。コタツでミカンを喰うようなアナグマまで指しているが、スゴロクで一方的に勝ちまくるサイコロの転がし方は八百長である。


鳴る箱6 水を張った小屋  No: 3728 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/01/02 Fri 11:04:53

水も音を拡張する。波がない湖は音を数キロ先まで響かせる。
「水を打ったように静まりかえった」という表現は最良の拡声器が準備された状態を言う。
そこでマシュダ一家が考える最良の演奏会場とはMVに水を張った状態ということになる。それをNHKがやらせるかどうかは定かではない。湿気で楽器の鳴りが悪くなるとまず反対されるであろう。こういうことをやりそうなのはディスコ会場の方かもしれない。電子増幅楽器は湿気の影響をさほど受けないからである。


鳴る箱5 能楽堂の壺効果  No: 3727 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/01/02 Fri 10:55:11

能も響きが命。
能楽堂の床底には様々な大きさの壺がおいてある。
壺の中で音を融合させて吐き出す。
MVの神秘性はこのような壺効果が小屋にあるから生じる。決して残響だけの問題ではない。それだけならば風呂場と同じになってしまう。


鳴る箱4 大小の床の間  No: 3726 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/01/02 Fri 10:49:05

和室には一箇所だけ響きを増殖させる空間がある。
それが床の間。
床の間とは最良の椅子ともなる。
弦楽器をここで鳴らすと大変良い響きが発生する。
残念ながらピアノだけは持ち込むことができない。
押入れはどうであろう?
これもよいが窮屈である。
イヌ小屋にガリバーが入るようなものであろう。
そこで襖を取り払い梁もノコギリで切ってしまうのが当家の主である。
何のことはない。床の間がもうひとつ出来ただけのことであった。


鳴る箱3 裂けた闇に流す音  No: 3725 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/01/02 Fri 10:41:35

日本には和室という大変響きが悪い空間がある。
畳や障子襖が音を無闇に吸収してしまう。だから日本の弦楽器は三味線や琴のように必ずバチや象牙の爪を使用して発弦する。叩く音で淀む空気に穴を開けてそこに音を流す。


鳴る箱2 家の音  No: 3723 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/01/02 Fri 10:33:43

MVがいくら響きが優秀といっても家の響きには到底勝てない。
これは構造上の問題に帰結する。
家とは不思議な空間でどの場所にも独特の響きを発生させる。
小屋で違うものは空気の湿気程度であったがそれも空調のおかげで楽器の性能に帰結してしまう。WPOの場合は集中管理された弦楽器を使用しているので個人の家でマチマチに調整されたカエデのムラがケンカすることはない。
楽団員はどちらの音が好きかというと、家の音を好むはずである。


鳴る箱1 小屋より家  No: 3722 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/01/02 Fri 10:26:41

演奏会場や劇場をなぜ小屋と言うのであろう?
ブタ小屋やウサギ小屋と構造が同じだからである。
単に四角い。
一方で家というモノがある。
どちらが構造上優れているかというと家の方。


ニューイヤーコンサートのこと  No: 3721 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/01/02 Fri 03:15:45

MVのGSは世界最高の小屋。オケがもっとも鳴る。立ち見から三階席まで響く。平土間もロジェの奥も楽団の背後も鳴る。このような演奏会は毎年ナマで聴くのが基本。現地に居ればチケットがなくとも最悪立ち見に入り込めるので誰でも聞ける。究極の結論は行くか行かないかというだけ。
NHKはハイビジョンで放映するが撮影の手法は同じ。あのような撮り方はB・ラージの影響と勘違いしているのがNHKだがもともとはナチス以前のドイツ映画が発祥。ラージの撮影法はバイロイトの頃から我々はもう飽きている。戦後ではNYのプロダクションがウィーンで真っ先にこのような撮影を行なった。ところが音の録音の仕方だけはデジタル化で欠陥が露骨に現れたのが最近の傾向。ミキシングできるものが皆無。
昔ムーティがこの演奏会に初登場した時のこと。まず彼に演奏できるはずがないというのが率直な感想。ところが最もアグレッシヴで野心的であった。シュトラウスを一日で塗り替えた斬新な解釈であった。一回の演奏でアッバードへのコンプレックスを払拭している。ムーティは森内に音の構成法が似ている。デジタルの縦割りを意識した演奏。 羽生へのコンプレックスを一発で解消した4タコの竜王戦と流れも似ている。


今年も  No: 3718 [返信][削除]
 投稿者:凡夫  04/01/01 Thu 22:42:56

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートを見た。毎年感じることだが、指揮者が誰であれ、あのオーケストラの楽器の鳴らせ方、歌わせ方には感心する。とりわけ一糸乱れぬ演奏という訳でもなく、むしろ弦や管が突出して聞こえたり、打楽器が微妙にずれたりということも多々あり、バランスがいいとはとても思えぬのだが全体の醸し出す音楽性の豊かさは羨ましいばかりである。唄心に溢れている。年末にたまたまN響の第九を聞いたせいか余計そう感ずる。N響はまるで楽団員が試験でも受けているかのような鹿爪らしい表情で余裕がなく、楽器の鳴りも悪くて響かない。但し、パートによる妙な突出もない。調和だけは取れているということになる。或いはホールの問題もあるのか。いずれにせよ、予備校でみっちり指導を受けてきた小論文のようで、整っているだけで欠伸が出る代物であった。書きたいことがない者の書く文は退屈である。