マシューとミツたんの幻想対談 第4回
絶対番地と相対番地
2003.09.11

ミツたん「月がキレイですねー」
マシュー「アホ」
ミツたん「すいません。ガラにもなく」
マシュー「キレイだけでは便器の宣伝文句とかわらん」
ミツたん「そんなのありましたっけ?」
マシュー「オシリがキレイとか言って便器を売る」
ミツたん「なるほど。では月がクリアー」
マシュー「ドロドロの月は?」
ミツたん「雲に隠れた月」
マシュー「見えるかね?」
ミツたん「確かに雲が沢山あります」
マシュー「 流れておるじゃろ」
ミツたん「いい対比ですねー」
マシュー「世間はそれを便器の宣伝文句に換算するんじゃね」
ミツたん「(すでに笑っている)」
マシュー「クリアーなオシリとクソマミレのオシリ」
ミツたん「かなりリアルです」
マシュー「かなりアナルじゃね」
ミツたん「馬鹿受けと書いておいてください」
マシュー「何を言っているかわかるかね?」
ミツたん「さっぱり」
マシュー「クソマミレのオシリとは宣伝文句にならんのよ」
ミツたん「将棋ならドロドロと言えるんですがねー」
マシュー「日常誰もが経験することはイチイチ言わない」
ミツたん「すでにイメージとしてあると」
マシュー「そっ。だからオシリがキレイと言えば済んじゃう」
ミツたん「それだけで便器が売れるなんておいしい世界です」
マシュー「ところが化粧品は逆なんじゃね」
ミツたん「というと?」
マシュー「荒れた肌をまず誇張する」
ミツたん「それで化粧品を買いたくなると」
マシュー「アンタは不健康ダと言うミノモンタとかわらんの」
ミツたん「やーそれよくわかります」
マシュー「将棋だと?」
ミツたん「アンタは筋が悪いゾっと」
マシュー「そこで新商品を見せつける」
ミツたん「んー買いたくなりますね」
マシュー「新定跡は大概そんな動機で作り始める」
ミツたん「確かに矢倉や相掛りだけでは飽きちゃったという時代もありました」
マシュー「それが商業将棋の宿命。商品価値をアピールせんとね」
ミツたん「谷川さんの14歩もそーですかね?」
マシュー「買いたくなるじゃろ」
ミツたん「私の94歩はその後誰も買ってくれないんですが」
マシュー「ありゃ惜しかった。なぜ33歩と打てんの?」
ミツたん「やっぱり島研の呪いですか?」
マシュー「森内はNHK杯で37歩打っとるヨ」
ミツたん「アレはなんだったんですかねー」
マシュー「33歩も37歩も雲なんじゃね」
ミツたん「そっか」
マシュー「クリアーな月だけではいかんの」
ミツたん「33地点も37地点も自分で開くところですから」
マシュー「それが盲点。開くべき所を閉じる」
ミツたん「呼吸しているみたいですね」
マシュー「升目には絶対番地と相対番地がある」
ミツたん「それはまた新しい用語で?」
マシュー「音楽の絶対音感と相対音感じゃね」
ミツたん「なるほど」
マシュー「絶対音感ないのが音痴と思っとるアホが将棋界にもおったね」
ミツたん「S記者です」
マシュー「絶対音感などもったら不自由極まりないと知らんのかね」
ミツたん「絶対音感と相対音感を両方持てますかね?」
マシュー「それが不思議。大概どっちかに片寄る」
ミツたん「どっちが便利ですか?」
マシュー「そりゃ相対音感もっとる方がラク。転調が自由自在。逆に絶対音感などと自慢しとるタコに限って伴奏やらせると即興で転調できん」
ミツたん「あーそれ歌手がよくこぼしますよね。キーが高いから全音下げてくれっていうと伴奏者がスコアにしてくんなきゃ弾けないって」
マシュー「不便じゃね。指で換算すりゃえーのに」
ミツたん「そもそも絶対音感ってなんですか?」
マシュー「人間が勝手に決めたモンじゃね。オケによってレートが違う。だんだんテンション上がってきとんの。同じスコアでも昔と今じゃ半音違う」
ミツたん「そんなに?」
マシュー「弦そのもののテンションが違う」
ミツたん「なるほど。腸弦と金属弦では全然違いますものね」
マシュー「だから絶対音感がもともと相対的なモン」
ミツたん「戦いの絶対感覚もマユツバですか?」
マシュー「そんな表現アホかと思うね。絶対音感心酔者と似とる」
ミツたん「でも歌う人間の構造は変わりませんでしょ?」
マシュー「んなことない。人間はどんどん頭が大きくなっとるから感じる音が低くなる。だから少しずつ音程をあげて調節しとる」
ミツたん「絶対音感って体で感じるものですか?」
マシュー「とーぜん。自分が感じる最も低い声が基調になっとる。逆に最も高い声を基調にする者もおるね。禿の指揮者に多い」
ミツたん「んー棋士と似ている」
マシュー「ショルティなんかヒステリックで聴いてられん」
ミツたん「フルベンはだめですか?」
マシュー「ありゃトサカのてっぺんが割れとるからチョー禿。リズム感が破れ傘。突き抜けとるね」
ミツたん「シュタインは?」
マシュー「ありゃ全部がオデコ。禿と違う」
ミツたん「(爆笑)楽曲も確かに楽器で一番低い音と一番高い音を基準にしてますものね」
マシュー「NASAが一昨日面白い発表しとるじゃろ」
ミツたん「えーえー。宇宙で一番低い音を観測したとか」
マシュー「チャンドラが感知したX線の揺らぎじゃね。光と熱の変化が規則的なんで周波数に戻して換算できる。それを現在の音に換算すると可聴範囲から50数オクターブ低いB音となる」
ミツたん「人間も楽器も比較になりませんか」
マシュー「あの発表には落とし穴がある。これを直接音として勝手に換算しとんのよ。ありゃもともとペルセウス座銀河団のブラックホールが出所。ところがそもそも観測した光と熱が副産物。換算もとの音がそんなに低くては直接音であるはずがない。マテリアルの限界をすでに越えとんの。従って波動効果で影響されて発生した音と考えるべき」
ミツたん「読売信用しちゃいましたよ。宇宙の歌声って書いてありました」
マシュー「直接音と勘違いしとる証拠。読売らしい」
ミツたん「間接音なら歌声になりませんものね」
マシュー「便器の販売ダシー」
ミツたん「竜王戦のことですか?」
マシュー「最近子供達が流行らせた言いまわし。知らんの?」
ミツたん「若い子にはついて行けません」