マシューとミツたんの幻想対談 第3回

ドロドロとクリアー

2003.09.04



ミツたん「昨日の雷は凄かったですヨ」
マシュー「月と稲妻の一大ショーじゃったね」
ミツたん「一時間ぐらいヒカっていたよーな」
マシュー「その隣で三日月がオスマシしとんのよ」
ミツたん「東と西であそこまで極端に違う空も初めてみました」
マシュー「夏の花火大会もかなわんね」
ミツたん「東は会長の怒りでしょーか?」
マシュー「ん?森内が三日月か。満月は?」
ミツたん「単にまるまる太っているのはいますが」
マシュー「中原は後手番なんで負けモト」
ミツたん「私の自慢の46歩は打ってくれませんでした」
マシュー「しかし裏番組じゃ羽生が康光流マネしておらんかった?」
ミツたん「やーアレは噴飯モノですよ。勝手に改変してー」
マシュー「谷川も怒っとるかね」
ミツたん「今ごろ切れまくってそこら中かじってるんじゃないでしょーか」
マシュー「歯のためによい。それよか虫が鳴き始めとる」
ミツたん「鳴いていました?」
マシュー「稲妻が夏の終焉の合図。アレで虫が一斉に鳴き始めとんの」
ミツたん「いやー腹の虫かと思いました」
マシュー「ヤマクミじゃあるまいし」
ミツたん「女流の皆さん、なんでいつもお腹鳴らすんですかね?」
マシュー「腹へっとるからじゃろ。朝飯食っとらん」
ミツたん「NHK杯は朝飯前なんでしょーか」
マシュー「碓井に変わってから最近聞かんね」
ミツたん「千葉さんはナンデも食べちゃいますから。でもタマに聞きたいよーな」
マシュー「オナラするよか恥かかん」
ミツたん「そんなヒト女流にいます?」
マシュー「タイトル戦なら有り得る。対局中羽生のオナラ聞かんかった?」
ミツたん「まー、やられたらやりかえしますけど」
マシュー「森内はどうかね?」
ミツたん「森内さんだけはオナラ聞いたことないんですよ」
マシュー「消化がいいんじゃろ」
ミツたん「タイトル戦にあまりでてこないだけかと」
マシュー「煽るね。それで底力出されて今度も勝たれたんではかなわんな」
ミツたん「でもむかし研究会やってた頃はやっぱり」
マシュー「羽生のとちゃう?」
ミツたん「いや。アレは確か森内さんの方面から」
マシュー「島かもしれん」
ミツたん「島さんは自分でやっても人の顔をみますから」
マシュー「島はなんでいつも知ったかぶりするかねー」
ミツたん「いやーしかしアレをエロ本扱いはいくらなんでも」
マシュー「時々覗き見るとこが似とらんかね」
ミツたん「実は私も最近開いていませんけど」
マシュー「古本屋行きかね」
ミツたん「買ってくれます?」
マシュー「値段がつかん。処分料じゃね」
ミツたん「今じゃ古本もゴミ扱いですものねー」
マシュー「本など置くだけ邪魔。図書館もひきとらんね」
ミツたん「今じゃレンタルビデオもネットの時代とか」
マシュー「映画1本100円はいーね」
ミツたん「返しに行く手間なくてホント便利かと」
マシュー「しかしHDはすぐに壊れるんでテープは結局残る」
ミツたん「やっぱ壊れます?」
マシュー「市販のモノは長くて2年ももたんね」
ミツたん「機械はモロイですねー」
マシュー「いずれにしてもカセットテープは残る」
ミツたん「すごい文化です」
マシュー「アナログは音がいーし」
ミツたん「やっぱ真空管アンプですか」
マシュー「ライブやっとる連中だって必ず真空管アンプ使っとる」
ミツたん「そーだったんですか?」
マシュー「客は知らんじゃろーけど16ビットのCDなんかと音が違う」
ミツたん「んーそれで皆さんわざわざライブ行くんですね」
マシュー「代替できんモノはナマしかないね」
ミツたん「ビールも生に限りますし」
マシュー「日本でも最近法律変わって地ビールが作りやすくなった。ありゃホントの生じゃね」
ミツたん「ドイツじゃ当たり前ですか」
マシュー「南は重すぎ。北はえーね。もっと美味いのはプラハ」
ミツたん「日本のは?」
マシュー「丸大ハム食って満足しとるよーなもん」
ミツたん「確かにハムやソーセージも逆立ちしてもかないませんか」
マシュー「日本には醤油がある」
ミツたん「将棋と醤油ってなんか関係ありそーな」
マシュー「醤油でも飲んで酔っとるの?」
ミツたん「将という字を使ってるじゃないですか」
マシュー「将棋の将は当て字じゃね」
ミツたん「最初は象でしたか」
マシュー「何の話しだっけ?」
ミツたん「いやーしかし悔しいですよ、私が負かされたのに」
マシュー「75歩ね」
ミツたん「谷川さんも75歩でしょ。私もそうでしたから」
マシュー「三連チャンで75歩がテーマも珍しい」
ミツたん「谷川さんの75歩は緩手ですか」
マシュー「2回目のはね」
ミツたん「んー」
マシュー「納得できんの?」
ミツたん「いやー、あれわざとですかね?」
マシュー「無意識じゃろ。身に染み込んだ芸じゃね」
ミツたん「本人はアレで最短と思ってるんじゃないですか?」
マシュー「最短って何かね?」
ミツたん「より速く寄せることかと」
マシュー「つまり何かから省くということじゃね」
ミツたん「まー、より速くというからには元があるんでしょうが」
マシュー「何かね。その元になる速度は?」
ミツたん「より手堅く勝つという手順かと。連盟で保険と言われる順ですが」
マシュー「それで相手が投了すりゃそれが最短手順」
ミツたん「えーえー。それはわかります。棋王戦第4局もそうでしたものね」
マシュー「するとより手堅く勝つ手法とは速度のことじゃないね」
ミツたん「やはり棋譜の美しさなんでしょうか?」
マシュー「信頼関係があれば互いにスッキリまとめる。勝敗が決まっとりゃね」
ミツたん「何かにすがってドロドロしちゃいますけど」
マシュー「ところが逆に音は間引くと貧相になるだけ」
ミツたん「デジタル音ですか」
マシュー「それでも24ビットならごまかせる」
ミツたん「アナログ音との違いは?」
マシュー「透明感」
ミツたん「速度ではなく透明度の違い?」
マシュー「そう。クリアーなんで人間の感覚をだますことができる」
ミツたん「透明感がある棋譜ってあります?」
マシュー「それがデザインの基本型」
ミツたん「なるほど。よけいな夾雑物入れない直線変化と」
マシュー「それに合い駒したりさらに駒を当てたりして色つける」
ミツたん「塗り絵みたいですね」
マシュー「色彩理論も音響理論もすべて含有しとんのよ」
ミツたん「うーん。そして物理も」
マシュー「中原は物理の本読んで負けたんじゃろ。あーなると思った」
ミツたん「奇数番ですが」
マシュー「一回待って相手の奇数番を消してからその次につくりゃえーの」
ミツたん「そっか。相停滞手?」
マシュー「ハブディレイ」
ミツたん「例の94歩は?」
マシュー「あれは先手が行かざるをえなくなったんで相停滞手」
ミツたん「どこが違うと?」
マシュー「本流か支流かという違い」
ミツたん「そっか。それで羽生さんは支流でドロドロしてしまうと」
マシュー「いや。支流からまた本流に戻るんじゃね。しかも劇的に。丸山はどうかね」
ミツたん「クリアーですね。よくみると最初から一貫性がある」
マシュー「谷川は?」
ミツたん「谷川さんはその道の権化でしょ。センザキには今度会ったらナマイキ言うなって叱ってやります。もーほんとに」
マシュー「一貫性を維持できんのが人間の魅力」
ミツたん「意外なお言葉で。丸山15歩は?」
マシュー「負けにしたと諦めておった」
ミツたん「確かに終盤羽生さんに勝ちがありました」
マシュー「人間はわからんね」
ミツたん「そーですよねー」
マシュー「わかったらつまらん」
ミツたん「確かに」
マシュー「しかしそう開き直ってはもっとつまらん。あとは自己修復機能の問題」
ミツたん「それが藤井さんに唯一たりないものと?」
マシュー「完璧な自己修復機能がありゃ人間は死ねん」
ミツたん「それも怖いヨーな」
マシュー「羽生の特異性は自己修復機能と言ってもえーんよ」
ミツたん「そーですよねー。まったく変なふーに改変してー」
マシュー「改変したのはナベラが先じゃろーに」
ミツたん「どっちも変ですよねー」
マシュー「昨日の空はもっとヘンじゃろ」
ミツたん「いやー三日月と稲妻が一緒とは」
マシュー「秋はドロクリも美味しい」
ミツたん「和菓子ですか?」
マシュー「ドロドロとクリアー」
ミツたん「(爆笑)反則マガイも美味しいと」