グランクロスのアベ式
駒当り奇数番の法則 実践編2
2003.08.09MashudaBBS
今週のA級順位戦 久保の勝因と青野の敗因
三浦が見せたグランクロスのアベ式 投稿者:マシュダ一家
投稿日: 8月 9日(土)13時07分16秒
7月23日のA級順位戦2回戦森内俊之VS三浦弘行では、グランクロスのアベ式を三浦が森内相手に見せた。竜王戦最終局で我々は羽生の76手目98銀打を見て今後この局面が公式戦に二度と現れることはないと断言したが、森内は我々が竜王戦実況であえてはずした58手めから変化している。即ち55歩に換る85歩。
三浦の敗因は69手めの67桂打。森内は将棋会館で今週笑い転げていたであろう。三浦と同じミスを青野が犯していたからである。すでに開戦しているというのにこの桂馬は75銀出を防いだだけで、駒当りになっていない。三浦はこれが55歩も阻止している双頭手と勘違いしたのかもしれない。おかげで手筋の突き捨てから56歩の垂らし、そして74手めに57トリトヌス地点へ金をぶち込まれるという荒業を森内に許してしまった。これが「奇数番の駒当りの法則」再開の合図。三浦は75手めに苦心の39角打を見いだすがこれが敗因2。自ら偶数番の駒当りを引いて墓穴を掘った。これは阿部のように敵陣へ打つ角。それを自陣に打つのは自分の頭を叩くニヒリストしかいない。しかもこれが偶数番であることを見落とすとただのマゾヒストになってしまう。しかしグランクロスのアベ式にはまだチャンスがある。1歩しか持ち駒のない森内には端以外に第三の駒当りが作りにくい。案の定次の76手めで緩手がでる。45歩と突いて次の46歩or44銀に第三の駒当りを作ろうとしたおかげで三浦に手番を渡してしまった。これがグランクロス定跡に必ずあるラッキーチャンス。しかし三浦はこのラストチャンスを自ら逃してしまう。77手め76玉が敗因3。三浦がここで第三の駒当りを作れば逆転であった。96手め56歩が森内が引き当てた第三の駒当り。以下はセオリーに従えば森内が勝てる。しかしグランクロス定跡ほど過酷な戦形はない。終盤の百貨店と呼んでも良い。森内は112手めに78銀成という悪手を放つ。この主軸となる駒当りを自ら消したおかげで大変なことになってしまった。互いに間違い、傷つけあうのがグランクロス定跡が人間に与えた宿命かもしれない。この形をみると竜王戦最終局の阿部の呻き声が聞こえる。
2003.07.23A級順位戦2回戦
先手:森内俊之
後手:三浦弘行
▲7六歩 ▽8四歩 ▲6八銀 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽6二銀
▲5六歩 ▽5四歩 ▲4八銀 ▽4二銀 ▲5八金右 ▽3二金
▲7八金 ▽4一玉 ▲6九玉 ▽5二金 ▲7七銀 ▽3三銀
▲7九角 ▽3一角 ▲3六歩 ▽4四歩 ▲3七銀 ▽6四角
▲6七金右 ▽7四歩 ▲2六歩 ▽3一玉 ▲4六角 ▽7三銀
▲7九玉 ▽4三金右 ▲8八玉 ▽2二玉 ▲2五歩 ▽8五歩
▲1六歩 ▽9四歩 ▲9六歩 ▽1四歩 ▲6四角 ▽同 銀
▲2六銀 ▽6九角 ▲4八飛 ▽7五歩 ▲7九金 ▽7六歩
▲同 銀 ▽7五歩 ▲8五銀 ▽8七角成 ▲同 玉 ▽8五飛
▲8六歩 ▽8二飛 ▲7七歩 ▽7三桂 ▲2八飛 ▽8五歩
▲同 歩 ▽同 桂 ▲8六歩 ▽7七桂成 ▲同 金 ▽7六銀
▲同 金 ▽同 歩 ▲6七桂 ▽5五歩 ▲同 歩 ▽5六歩
▲6八銀 ▽5七金 ▲3九角 ▽4五歩 ▲7六玉 ▽7五歩
▲8七玉 ▽4七金 ▲7八金 ▽4六歩 ▲7四角 ▽5七歩成
▲同 銀 ▽8四飛 ▲5六角 ▽5七金 ▲同 角 ▽4四金
▲2四歩 ▽同 銀 ▲7六歩 ▽4七銀 ▲6五角 ▽5六歩
▲3二角成 ▽同 玉 ▲3九角 ▽5七歩成 ▲同 角 ▽5六銀成
▲3九角 ▽4七歩成 ▲6五歩 ▽5七と ▲6四歩 ▽6七成銀
▲4二歩 ▽5五金 ▲4一歩成 ▽7八成銀 ▲5七角 ▽8八金
▲9七玉 ▽4六歩 ▲4二金 ▽3三玉 ▲4五歩 ▽6五角
▲5四歩 ▽同 角 ▲4三銀 ▽4五角 ▲3七桂 ▽6七角成
▲7五角 ▽7六馬 ▲3四銀成 ▽同 玉 ▲3五銀 ▽同 銀
▲同 歩 ▽4四玉