王位戦第1局その後 最終盤の真相

マシュダ一家2003.07.26


中空理論第二法則「ねじり腰掛け銀の四辺形」双翼のフレミングへ  投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月26日(土)17時52分07秒



なぜ某市販ソフトや中川研究会がお粗末か?
下記「王手飛車変化」では谷川が▲4六角に対して▽8三玉と逃げるとは羽生は秒読みでまず考えないからである。ここは中合いが中空理論第二法則。即ち▲4六角の王手に対して秒読みの谷川は桂馬に当たっている飛車を64地点へ合い駒とする。これが見せる将棋なのである。マシュダ一家においては「ねじり腰掛け銀」の「中空理論」の対象変化。表層は派手な飛車捨ての応酬となる。羽生はそこまでは秒読みでわかっているはず。117手めに68歩の中合いを披露した羽生がそれを見逃すはずがない。中川は実戦における羽生の46角を敗因としているがそれが中川師範代の傲慢なところであろう。羽生は中空理論第二法則発現後のことを考えていたはずだからである。飛車合いという大見えを切られては羽生は「行く」というのが秒読みの「矜持」。引いて泥まみれで勝つより「行く」のが秒読みの「誇り」。羽生にとって不明解な勝敗より不愉快なのは谷川に「飛翔=縦横無尽の飛車捨て」という見せ場を与えてしまうことなのであった。王手に対して自分がセコイ歩の中合いであったのに、谷川に飛車合いをやられることは羽生の矜持が秒読みで許さなかったということである。この最後の見せ場を谷川に与えない為に羽生は逆にその対象地点である46地点へ「先に角のただ捨て」という見せ場をとっさにひねりだしたというのがあの最終盤の真相。こんなことが中川にわからないのであろうか?実戦での羽生の46角が敗因?こういう指摘を野次馬根性と言う。秒読みとは心理作戦の実験場なのであった。われわれは46角を羽生の敗因とするようなことより、なぜこのような対象変化が次々に生じたのか「ねじり腰掛け銀」の中空理論第二法則として考察する方が有意義であると考える。55歩を挟む対象変化の原型から思考することになる。二日目午前中の我々の実況を参考
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/030716oui1W.htm
28-29手めの銀の見合い考察 ねじり腰掛け銀の四辺形=双翼のフレミング 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月16日(水)11時30分26秒
すでに角は交換されたが先手は角を打たされた。これは33桂馬を睨んでいるだけで実態は守備の要である。守護神となる盾が77角。つまり角の性能を自ら羽生は限定している。次に5筋に発生した相腰掛け銀は本局で最も興味深い形となる。本局のハイライトでもある。羽生の65歩ワルプルギスに対する谷川の炎の剣45歩という殴りあいの最中に偶然発生したのがこの「ねじり腰掛け銀の四辺形」である。フレミングの法則を覚えているだろうか?これは右手と左手で作る双翼のフレミングなのである。もし羽生が打開を決断すればこの「ねじり腰掛け銀」を中心にめぐる攻防戦となる。周辺で様々な小競合が想定されるが、全てはこの55地点を挟む双翼のフレミングに収斂する仕組み。その場合は谷川が持ち角を参戦させることにより後手が逆転するはずである。問題は谷川の玉が持ちこたえるかということ。


本日の囲碁将棋ジャーナル 中川の王位戦第1局解説 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月26日(土)15時13分11秒

中川はマシュダ一家実況解説であえて書かない部分のみを抽出しようとした。その為に逆に貧弱な解説に見えるがB1昇級を果たしてA級を狙う中川の棋士としての畏怖を背後に見る。

中川解説の最終盤変化は以下。これは実は局後に谷川が述べた「王手飛車の筋」の中身。中川は師匠の米長経由で谷川に電話をしてそれを確認したが、見苦しい限りである。谷川が局後になぜそれを述べたのか理解しようとしない無礼者とは中川、貴様のことである。羽生もそんな変化は30秒で読んでいる。しかし「明解な勝ちがない」為に羽生は流れからの形を選択し23銀打からの俗手プランに終止符を自ら打った最後の10秒なのであった。それに対する谷川の告白を貴様は泥まみれにしている。これは求道将棋か?ならば中川は序盤の右銀について述べるべきであった。しかし中川の畏怖を我々は十分に感じる。その畏怖が中川の本来の個性の発露となってほしい。

谷川の告白「王手飛車の筋」
先手:羽生 善治 四冠
後手:谷川 浩司 王位

▲7六歩  ▽3四歩  ▲6六歩  ▽3三角  ▲7八銀  ▽2二飛
▲4八銀  ▽4二銀  ▲6七銀  ▽6二玉  ▲3六歩  ▽7二銀
▲3七銀  ▽7一玉  ▲8六歩  ▽5二金左 ▲8五歩  ▽4四歩
▲6五歩  ▽4三銀  ▲7七角  ▽4五歩  ▲8八飛  ▽3二飛
▲3三角成 ▽同 桂  ▲7七角  ▽5四銀  ▲5六銀  ▽4三金
▲8四歩  ▽同 歩  ▲同 飛  ▽8三歩  ▲8八飛  ▽6二飛
▲6八飛  ▽8四歩  ▲5八金左 ▽8三銀  ▲4八玉  ▽7二金
▲3八玉  ▽9四歩  ▲9六歩  ▽2四歩  ▲4八金直 ▽1四歩
▲1六歩  ▽1三香  ▲6六角  ▽1二飛  ▲2八銀  ▽4二飛
▲7七桂  ▽7四歩  ▲8八飛  ▽8二角  ▲7五歩  ▽同 歩
▲6七金  ▽4四金  ▲7五角  ▽6二玉  ▲6四歩  ▽同 歩
▲6六角  ▽4六歩  ▲同 歩  ▽6五歩  ▲同 桂  ▽6四歩
▲7三歩  ▽同 桂  ▲同桂成  ▽同 角  ▲6三歩  ▽同 銀
▲7五桂  ▽5四桂  ▲7七角  ▽6五歩  ▲3七銀  ▽3五歩
▲同 歩  ▽3六歩  ▲同 銀  ▽7四銀右 ▲6三桂成 ▽同 金
▲6四歩  ▽同 金  ▲3四歩  ▽同 金  ▲2三銀  ▽8五桂
▲3四銀成 ▽7七桂成 ▲同 金  ▽2五桂  ▲4五桂  ▽4六桂
▲2八玉  ▽5九角  ▲7六金  ▽5五金  ▲3七歩  ▽5六金
▲同 歩  ▽4八角成 ▲同 飛  ▽3八金  ▲同 飛  ▽同桂成
▲同 玉  ▽7八飛  ▲6八歩  ▽同飛成  ▲4八歩  ▽4七歩
▲5三桂成 ▽7一玉  ▲6二金  ▽同 角  ▲同成桂  ▽同 玉
▲5四桂  ▽7三玉  ▲6二角  ▽同 飛  ▲4六角
以下▽8三玉▲6八角▽5八金▲3五角▽4八歩成▲2八玉が市販ソフトが想定する二回目の最終盤変化。お粗末な中身である。中川は▲4六角以後は難解という結論だが、それが人間の限界であるという中川自身の告白。人間は機械にこの局面では勝てないという宿命となる。しかし彼らはそれを秒読みで汚すより、最初の読み筋へひとつの流れを確立しておくことに意味を感じている。羽生の俗手に対して谷川が俗手で応じた時点で彼らの仕事は終わっているからである。王位戦とはそのようなものであった。来週屋敷が第2局を解説するが、挑戦者決定戦で必勝将棋を羽生にひっくり返された屋敷はマシュダ一家そのものを読まない唯一の棋士。だから我々も屋敷解説を最大限の楽しみとできる。