2003.05.30A級順位戦 藤井VS大介 相振り飛車
快楽の園 1
分析 マシュダ一家 2003.05.31


棋戦:2003.05.30第62期A級順位戦1回戦
戦型:相振り飛車
先手:藤井 猛九段
後手:鈴木大介八段

▲7六歩 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽3三角 ▲7七角 ▽2二飛
▲4八銀 ▽4二銀 ▲3六歩 ▽6二玉 ▲3七銀 ▽7二銀
▲8八飛 ▽5二金左 ▲6八銀 ▽4四歩 ▲8六歩 ▽4三銀
▲8五歩 ▽7一玉 ▲6七銀 ▽5四銀 ▲4八玉 ▽6四歩
▲7五歩 ▽8二玉 ▲5八金左 ▽4五歩 ▲3八玉 ▽2四歩
▲8四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽8三歩 ▲8六飛 ▽4二飛
▲9六歩 ▽9四歩 ▲4八金直 ▽1四歩 ▲1六歩 ▽4四角
▲5六銀 ▽3三桂 ▲6五歩 ▽7七角成 ▲同 桂 ▽4四角
▲8八角 ▽2五桂 ▲2六銀 ▽5五銀 ▲8四歩 ▽同 歩
▲6四歩 ▽6二金直 ▲7四歩 ▽5六銀 ▲7三歩成 ▽同 金
▲5六歩 ▽7五銀 ▲6五桂 ▽6四金 ▲4四角 ▽同 飛
▲7三歩 ▽同 桂 ▲同桂成 ▽同 玉 ▲8九飛 ▽4六歩
▲3三角 ▽4三飛 ▲2四角成 ▽4七歩成 ▲同金左 ▽4六歩
▲同 金 ▽5四桂 ▲4七金引 ▽4六歩 ▲5七金寄 ▽6六銀
▲5八金引 ▽4七歩成 ▲同金直 ▽4六角 ▲2五銀 ▽1九角成
▲3七桂 ▽1八馬 ▲4四歩 ▽同 飛 ▲4五歩 ▽4六歩
▲4八金引 ▽2六歩 ▲同 歩 ▽2七歩 ▲7六桂 ▽2八歩成
▲4九玉 ▽8五香 ▲6九飛 ▽2七馬 ▲5九玉 ▽6五金
▲4四歩 ▽7六金 ▲7四歩 ▽同 玉 ▲7五歩 ▽同 金
▲3四馬 ▽6二金 ▲5五歩 ▽4七桂 ▲6八玉 ▽3七馬
▲7六歩 ▽同 金 ▲7九飛 ▽7八歩 ▲同 馬 ▽6七歩
▲同 馬 ▽7七歩 ▲6五銀 ▽同 玉 ▲7六馬 ▽同 玉
▲6七金打 ▽6五玉 ▲3七金 ▽6七銀成 ▲同 金 ▽5九角

「相振り飛車です」
「デューラーの自画像どまりならね」
「もっとゆがんでますかね?」
「よく言えば人口庭園」
「悪く言えば障害者の戦法と?」
「パラリンピックやっとんのかね」
「4手め33角ですが」
「これを異常と思わんとは」
「4手めで異常事態っていうのも過激で面白いかと」
「後手であるということを自縛行為にした手」
「車椅子に乗ったサッカーでも真剣ですが」
「ところがこれは仮病患者なんじゃね」
「ゴール直前に車椅子を捨ててベッカムに変身すると?」
「言い寄った美人が実はオカマだった」
「5手め77角」
「たまらんな」
「遊びと捉えたら?」
「ブレーキの遊びかね?」
「遊び部分はある程度確保しないとポルシェはつんのめります」
「車椅子じゃろ」
「6手め22飛」
「シートのビニールカバーそのままつけて走る貧乏人。見てられんな」
「7手め48銀。ここまではいかがです?」
「後手に該当する言葉は卑屈。将棋を勝負の手段としてしか見ておらんわけ」
「自縛地獄の快楽と呼べば」
「ならば快楽将棋と呼ばんとね」
「ボスの快楽の園で行きますか?」
「ネタが古い。そこまで洗練されたものには見えん」
「しかしハブさんが名人になってしまいましたんで」
「いきなり藤井と大介あてるとは」
「あと藤井-久保、久保-大介と相振りカードが目白押し」
「ハブがA級に残っていたら地獄絵図」
「ひとりいただけで藤井-ハブ、久保-ハブ、ハブ-大介と3局も多く相振り飛車が見られる所でした」
「7手め以後先手が居飛車を貫くと?」
「先手は居飛車穴熊が最強でしょう」
「で藤井はやる気ないわけね?」
「それは大介流が喜ぶだけで」
「先手で攻めあいを制したいという欲望は何かね?」
「後手の自縛地獄を鏡に移す行為ですね。8手目42銀」
「5手め77角で先手が同期。6手め22飛で後手が鏡像柱としたのは?」
「駅の待ちあい室ですね。長距離列車の来るのを待つと」
「居飛車の恩恵に素直に屈した従順な娘にしか見えんね」
「いけません?」
「実家からいきなり一家の大黒柱を売り飛ばすか?」
「不況ですから長女が売られたわけでしょう」
「畠を耕すのは子供たちかね?」
「そのうち長女が凱旋するのを首をながくして待っているかと」
「それではオシンコにしかならんね。快楽園にはほど遠い」
「9手め36歩」
「先手は申し分ない」
「これをトリプル手と解釈できますか?」
「藤井は対ハブ戦で歩交換を許したことを後悔しとんのね」
「それで先に銀で飛車先歩交換を防ぐのが二番目の意味かと」
「ところが後手の目下の最大の弱点である角頭を攻めるという一番めの意味が8手めの42銀で緩和されとる」
「そこで三番目に桂跳ねか袖飛車への連携プレーが成立するかということなんですが」
「コスプレにしかならんね。9手めの36歩は先手にイビアナがないことをアピール。素直にミントガム」
「すると急戦しかないと」
「ところが後手は先手の居飛車に最初から22飛で対抗しとるから急戦があるとすれば3筋しかない」
「それで36歩が申し分ないと?10手め62玉」
「これがトリプル手と解釈できる」
「ここで先手が急戦をみせると67地点が弱点となります」
「角道を塞ぐ3手めの66歩がなんとここで逆行相転化しとる」
「驚きますね。先手は振り飛車党ですからこの3手めは必然でした」
「10手め62玉が3手めを逆行相転化させたと解釈すると、後手の10手めがトリプル手として成立する」
「ラクチン蟹バイ囲いとは言えません?」
「先手がイビアナ放棄の9手め36歩を指せば最強の受け。先手の急戦を誘い、急戦で来なくても後手は最強の囲いを続行し、なおかつ先手の手を逆行相転化させるみっつの機能。最強の囲いが後手に成立するのは先手がイビアナを放棄したため」
「11手め37銀。これは双頭手では?」
「すでに3手めの66歩が逆行相になっていると評価すべき。38飛がここで成立しないというのも62玉のトリプル手効果」
「するとこの銀は?」
「46銀と進出したいが居玉ではさすがに無理」
「ネオ藤井システムができる可能性は?」
「それをやる者は藤井ではない」
「大介スペシャル?」
「やるなら久保」
「12手め72銀」
「62玉のトリプル手効果継続」
「次ですね」
「まず先手からのあらゆる急戦の可能性を洗い出す」
「できています」
「やはり3手めの66歩がマイナス逆行相になっては無理か」
「これをグランサタンへ相転換する可能性がひとつ」
「居飛車でやる者がおるかどうか」
「13手め88飛。これで相振りです」
「気持ち悪い」
「いけません?」
「後手の車椅子に羽が生えとらんかね?」
「確かに。後手の22飛をプラスに逆行相転化しています」
「先手の利権がなぜこうも後手に翻弄される?」
「66歩ですね」
「振り飛車党同士の対決はオカマの結婚か?」
「ですから快楽園で行きませんか?」
「実態は地獄の耳のあたりとちゃう?」