Ciaccona考1-4 シャコンヌと将棋の共通項

MashudaBBS2003.04.22


Ciaccona考 番外 上達の秘訣= 集中から疑問へ 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月22日(火)19時18分17秒

この分量でNo.257まで行くと一体いつになったら終わるかわからない。実際の演奏に至るまでにはこの数十倍の労力を要する。ヨーヨーマは我々も大好きである。彼は若い頃に一日に1小節か2小節しか練習しなかった。ひとつのフレーズの可能性を集中的に把握する為である。そのように訓練しないとこの曲は最終小節まで飼い慣らせない。将棋もそのようなものであろうかと思う。ひとつの局面の可能性を徹底的に洗い出すという習慣を頭脳が柔軟な若い頃に身につけることは有効であろう。人間が集中できる時間とはわずかである。集中すると教科書に書いていないような疑問が必ず沸くはずである。


Ciaccona考4 譜に現れない響き 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月22日(火)19時11分10秒

2=三和音の主題が四方向に分離。dfaがdgheに分かれる。これで三和音が4声で進行することを明示。バイオリンは4本しか弦がないので当たり前と思うとアレンジする時に失敗する。最悪の例はピアノにおけるブゾーニ版。大げさなという意味で「ブゾーニ的な」という慣用句がある程である。和声の基本=単旋律でもアクセントやブレスを変えることによって4声に分割することができるということ。なぜそのようなことができるのか?この主題を見ればよい。dfaの主題はdfを省いても成立する。逆に主音であるdだけ残してfaを省くとCiacconaではない。これが明らかになるのは2小節めのdgheである。aが上下に分裂することによって初めて立体的な構成を示唆する。即ち上声がaに対する2度と5度、下声がaに対する2度と5度で完全な均等分離となる。これは主題三和音の中心が実はaであったことを証明する構造である。そこで最初に鳴った音はaだけだったと解釈することができる。1のdfは幻なのであったと。なぜそうなってしまうのか?
これを補足説明する理論が結合音。パイプオルガンの制作者が必ず知っていることである。
このような音の見えない基本構造は将棋の場合、戦形がどのように決まるのかと言う興味とパラレル。これは二人がどのような将棋を好むかという趣向以外に過去にどのような将棋が指されたかという図式を知らないと把握できない。プロ棋士の将棋は二人だけの思考では決定しない。二人の肉体を離れた見えない響きが作譜に必ず関与している。


Ciaccona考3 dの主題 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月22日(火)17時09分24秒

基本は呼吸。即ち上げ弓と下げ弓=吐く息と吸う息。この区別ができない楽器には不向きとなる。将棋は先手という吐く息と後手という吸う息で成立。No.は以下小節数。
1=主題はdの三和音。楽器の開放弦使用の問題だけではない。魔笛のEsの和音より全音低い音域が天と地の差。魔笛のEsは天上の響き。こちらは地獄の呻き。日本の演歌はこのdが大好きである。

三和音の主題の性格を決定する中枢はf。この音が短和音に決定する。aに対してfは長三度であるが主音のdに対して短三度を形成する方が引力が強い。なぜそうなってしまうのか音楽学校では教えてくれないであろう。音響力学の分野ともなる。どちらもdが主役であることを前提に考える。これはdとaが強力な五度音程をもっている為なのである。8度-5度-4度の順に倍音が構成される為にこれは宇宙の摂理となる。ところがこれをfやaの展開形であると言ったらどうであろう?異端児扱いであろう。我々は最初からそのように考え始める。むしろ耳にはなぜaが目だって聞こえるかという問題の方に興味をもつ。将棋ならば主音は先手である。それに呼応する後手がこのaに該当する。


Ciaccona考2  投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月22日(火)16時21分25秒

使用譜は原典、所謂ファクシミリ版。印刷譜は二次資料となる。音符が同じで有れば良いという者はこの曲を生涯理解できない。ベーレンライター版とどこが違うか一目瞭然である。この曲はメトロノームと一致させては死ぬ。絶えずリズムが変わり4分の3拍子どころか複合リズムのオンパレードである。頭韻を延ばすというカザルス語法だけでなくナンデモアリが最大限に発揮される曲なのであった。このようなことを放縦に行なっても構成は決して崩れないどころか、無茶苦茶なまでに崩さないと本来の構成が抽出されないようにできている。原典を見るとなるほどナと一目でわかる。


Ciaccona考1 Ciacconaと将棋の共通項 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月22日(火)16時00分17秒

羽生掲示板ではBachのCiacconaで異様に盛り上がっている。羽生とBachへの興味が人間になぜ共通するのか紹介することは有意義かもしれない。
マシュダ一家のメンバーはCiacconaをそれぞれの楽器で弾くことを全員が日課とする。
Ciacconaと将棋の共通項
1=倍音と結合音、及び異弦同音を派生する楽器がこの曲の命。即ち生楽器演奏であることが第一条件。
2=あらゆる楽器において肉体を最大限に酷使する曲である為に健康であることが第二条件。
3=不協和音即ち短二度が最大の美をもたらす曲である。
4=相転換する。