2002.04.11第21回朝日オープン将棋選手権五番勝負 第2局 大阪市北区「芝苑」

深浦康市VS堀口一史座 相掛り28飛型

十字架銀と蛇行銀の戦い

実況と分析 MashudaBBS2003.04.11


深浦の勝因はシーザーの慾 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)22時38分21秒

結局シーザーの切り札56歩は早めに出しても同じであった。100手めに76歩では先手深浦に95角という恰好の位置に逃げられるために一手負けとなる。以下56歩に飛車で角を取りどう変化しても後手に勝ちはない。ただその方が後手にも見どころがあった。先手が一手緩むと先手玉も即詰みとなるからである。負け方を知らないと客が逃げるかもしれない。
深浦の勝因はシーザーの慾にある。即ち43手め76歩と75手め45歩。最初と同じような気分でシーザーが二回めも取ってしまったことで二手損した為に最終盤の56歩が一手負けとなる構造となった。87手め95歩を同歩と取れば三回目の徹底抗戦となりそれはそれで立派な首尾一貫した態度である。なぜシーザーほどの終盤力の持ち主がこうも惨敗を喫したか既に明解である。技術ではなく心の問題に尽きる。棋理と勝負を分裂病患者のように思考した態度がそのまま棋譜に抽出されてしまっている。これは彼らの言葉の相違にもそのままあてはまる。我々は68手めの64歩をめぐる銀筋の攻防に触れたかったが残念ながら次回へお預けとなってしまった。


117手め56飛にてシーザー投了 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)18時13分42秒

次の56飛をみてシーザーは手っ取り早く投了した。昇った血は下げないと体に良くない。深浦見事な大逆転劇であった。序盤のみどころはシーザーの独壇場であった為に終盤のごり押しとポカは残念である。


113-116手め 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)18時09分13秒

113手め86角=後手の最後の切り札を土壇場でかわす。深浦ウレピー表情。
114手め56歩=切り札がこれでブタに。泣くに泣けないが飛車を渡すより角をくれてやるという初王手。
115手め44金=藤井ならバシっと音を立てるところ。
116手め同歩=この際同飛で勝負を早く終わらせてほしいが。


107-111手め 後悔先に立たず 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)18時02分55秒

105手め同金=逆転の手ごたえ。
106手め同銀=必然。
107手め61銀=寄せ。
108手め62金=必死の防戦。
109手め72銀成=これで金二枚。
110手め72同金=同玉と取りたいが淡路流に見切りをつけた自分を叱咤する。
111手め45金=今度は深浦が確実に勝ちに行く。
112手め76歩=今さら遅いが後悔先に立たず。


104手め74同金! 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)17時58分03秒

これで盤面の海は暗礁となる。玉頭戦への気負い。76歩はいつでも利くとのシーザーの妄想。


101-103手 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)17時53分01秒

101手め74桂=61と金では31飛で負ける。
102手め同銀直=同銀左でも同じようだが手番を意識した手。同歩に別な手も指せる。
103手め同歩=必然。


100手め63銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)17時49分08秒

先手の74桂を迎え打つ準備。先手には桂打しかないがその桂で76桂打のサザンクロス狙いの色気が重複。


98手め84桂打 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)17時45分44秒

後手待望の一手。7筋の歩が切れている利点を最大限に利用。トドメの76歩打で角が動けば56歩の地獄門開帳。


95手め同桂 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)17時42分14秒

ここで奇を衒った跳ね違いもあるがやはり手番を握って51歩成が一番大きいので遠慮なく貢ぎ物交換に応じる。


94手め25桂! 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)17時40分15秒

後手は52歩にかなり慌てふためいている。とにかく84桂馬と打ち込みたい一心で桂馬交換を狙う。先手の76金が余りに鉄壁で56歩がすぐには通用しないからである。しかし手番は先手に完全譲渡される。


93手め37桂 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)17時37分30秒

深浦も乗り気である。すでに75歩の楔は打ち込んであるので桂馬交換は大歓迎と敵の船を喜んで迎えに行く。


92手め33桂! 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)17時36分12秒

52歩により逆転しても、ここでこうこなくてはシーザーではない。56歩切り札は最後の晩餐にとっておき、玉頭戦で必要な桂馬を交換しに行く。


91手め52歩! 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)17時33分00秒

当然とは言え厳しい。51歩成となっては後手苦しいがここで31飛では飛車角交換から角打。62角の徹底抗戦は優勢を意識していたシーザーには我慢できない。62銀では閉塞。やはり淡路流で柔軟に行けばよかったと思ってもすでに遅い。64金と出たからには玉頭戦で制する以外ない。


82-90手め 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)17時22分49秒


82手め同銀=普通。同玉とずうずうしく取る棋士も居る。
83手め46飛=後手が余りに頑固なので飛車角交換でもいいと開き直る怖い飛車。
84手め53金=角ならば切られてもよいと53角はしない。56歩のトラウマ。
85手め75歩=深浦一流の拠点作り。74桂打の楽しみ。
86手め72金=これならずうずうしく同玉と取ればよかったと淡路を見てももう遅い。
87手め95歩=一瞬の間隙を狙いすました強烈な端攻め。同歩なら93歩の垂らし。
88手め64金=端は目を閉じ玉頭へ進撃。敵の拠点も食い序盤でただの守備金がすでに前線の主役に。
89手め94歩=これで手持ちは3歩。
90手め92歩=本局最初の後手の屈辱。これで先手の端は安泰。97玉の脱出可能。


78-81手め 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)16時48分58秒

78手め54銀=シーザー余裕の泡踊りで63歩成を事前に阻止。
79手め36飛=73歩成は食後の楽しみ。ここで歩を補填しつつ飛車をぶつけるが
80手め35歩=確実に勝ちに行く算段。
81手め73歩成=デザートを食べる。



74-77手め 同歩ならば65金で大逆転 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)16時42分51秒

74手め44角=先手が36銀なら37歩打-同飛-36角。先手が36同飛ならば大決戦。
75手め45歩=44角に呼応する大決戦前の様子見。
76手め同銀=角引きでは56歩の楽しみが半減。
77手め74歩=美濃崩しの手筋。同歩ならば65金で大逆転


70-73手め 歩損は眼中にない 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)16時37分26秒

70手め65歩=位取りと共に金を移動させて56歩からの角交換と57歩成りを示唆する。
71手め76金=75金としないで横にスライドさせることにより後手からの反撃を逆に誘う。
72手め36歩=これですでに後手は2歩得となるが
73手め38飛=後手には持ち歩が2枚ある為に大駒交換を狙える。歩損は眼中にない。


66-69手め 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)16時28分16秒

66手め24同歩=必然。後手は金銀が離れて居るために大駒交換はできない。
67手め36歩=先手は暴れる以外にない。
68手め64歩=喧嘩を買ったわけではない。すでに開戦したので遊んでいる銀の活用を計る。
69手め64同歩=これで歩損を解消し63地点への成り込みを見せて42金を緩手にできるメドが。


65手め24歩 深浦の決断 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)16時19分55秒

感嘆符をつけたい開戦であるが残念ながら先手には他に有効打がない。後手は8筋の歩が切れている為に先手から86歩以下の玉頭戦整備はすでに間に合わない。そこで42金が最後のチャンスとみて仕掛けるが後手からの誘惑と読むこともできる。


64手め42金 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)16時14分18秒

57手めに25歩を選択した為ひねり飛車特有の進展となる。26歩と控えて打つと桂馬の参戦が先手に見込めたがやはり一歩損して手番を取りに行った方針を貫いたということである。後手は最後にこの金の移動を計りあとは先手からの決戦を待つだけとなる。62手め33角は通常は33桂だが角筋を塞ぐと先手に74歩-55金の強襲を与える。13角では先に88玉と逃げられ45銀-36歩の急襲は不発。62手め33角の換りに先に42金もある。後手が徹底的に防戦するならば13角の含みを残しつつ42金-32金の泡踊りもあるがシーザーはそこまでやらない。


57手め25歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)16時00分56秒

手番を取るための硬直手。以下ひねり飛車の定跡手順。


56手め24飛 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)15時57分02秒

ひねり飛車の常套手段。陣形の差により先手は飛車交換できない為に歩を打つ一手となる。


55手め66金 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)15時55分25秒

一歩損当初からの予定であったがトリプル手によりこれは後手から強いられた手と読み替えることができる。次に56歩からいきなり攻め込む順を先手が回避した手となる。後手飛車への圧迫はすでにない。


54手め53銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)15時52分35秒

シーザーの極楽。守備を固めつつ24飛を狙い、なおかつ56歩の地獄門開帳が発生するトリプル手。一手で三手の得がある為に双頭手以上の効果がある。


53手め47銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)15時48分57秒

67銀と下がっては3筋からの逆襲が消えてしまい完全に抑え込まれてしまう。


52手め55歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)15時47分10秒

皇帝の守備一貫。あくまでも一歩得を主張する。56銀のまま次に66金と出られてはやはり逆転。


51手め56同銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)15時44分55秒

ここを同金と取れば以下55歩には66金で先手は一手得となる。しかし56金に54飛と回られる筋を深浦は警戒したのかもしれない。我々なら56同金と取る。


50手め56歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)15時38分11秒

次に66金と出られては大逆転の為に必然。


49手め65歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)15時36分21秒

同歩-同銀となっては皇帝の言いなりとなるので角筋を通すと同時に66金からの圧迫を目指すのは当然である。


48手め55歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)15時32分17秒

シーザーが怒ったわけではない。ここで53銀と下がるとすぐに66歩と突かれて角交換強要が発生する。そこで5筋をなんとか押さえて飛車を2筋に展開させるための手筋である。


47手め57金 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)15時28分27秒

これで先手は懸案の66地点を死守することができた。一歩損の代償は2筋の脅威である。そして例の後手の突っ張りである35歩。既に実況で指摘した通りこの地点を先手から逆襲する楽しみがある。一歩損によりこれらの先手からの逆襲が再び復活しているのであった。そして守備もすべての金駒が57金によって連結し先手が優位を誇る。後手はすでに方針が決定したのであとは定跡通り自陣整備となる。


46手め74飛 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)15時22分20秒

シーザーの方針は決まった。ここで55歩と攻め込む必要もないと判断した根拠は無条件の一歩得ならば確実に勝てるという自信のみ。この飛車はいずれ74に帰る為に先に帰省命令を発したということである。


45手め48金 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)15時17分46秒

別に深浦だからこの手を指すわけではない。シーザーが76歩を堂々と取れば先手の恫喝はすべて見破られたということであり45歩以下は玉砕手順となってしまう。そこで66地点を死守するために右金を左辺に参加させることになる。一歩損して手番を取りに行くことが苦痛ではないということが深浦の強味である。普通ならばこの無条件の一歩損で局面を悲観し戦意が失せるものである。


44手め同飛  投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)15時10分40秒

この歩が取れないようでは74飛とした意味がない。ローマ皇帝らしく堂々と取るのであった。問題はこのあとである。後手は方針を強いられる。この無条件の一歩得により後手は手堅く勝ちに行くことができるはずである。ところが一手の緩手で逆転する為に方針を貫き通すのは至難の技である。方針とは途中で先手の隙に乗じてこの一歩を使って攻めるか、あるいは先手の攻撃をすべて押さえ込みに行くかということである。


43手め76歩! 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)14時55分04秒

ライブ中継の楽しみはこのような手を見る時にある。これはただで取られてしまう歩である。74飛と後手がデンと居すわっている限り突けない歩であった。深浦はここで飛車を動けと催促する。この歩が取れないようではタイトルホルダーの資格はないヨという恫喝である。シーザーもここで考えたことであろう。これを取ると45歩-同銀-65歩という角交換を先手が挑む順があるからである。ところが後手には45歩には53地点に下がるという十字銀で守備が保証される。それが54歩が双頭手である由縁。22歩には手順に33桂で45歩に当たる為に31角打もない。先手が2筋を制覇しても玉頭があまりに脅威となってしまった。するとこの76歩は44蛇行銀の55-66という相転化を防ぐために手番を握る一歩損となるだけであった。38金がひねり飛車対策の最強手段であったはずが飛車の横利きまで止めている悪手に逆行相転化している。


42手め54歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)14時36分13秒

やはり主砲の角の威力は凄まじかった。この54歩は双頭手である。先手の2筋の脅威に対抗して55歩から同銀-66銀と稲妻の進軍を見せる。すると先手が最もやりたかったはずの66歩は後手の蛇行銀を稲妻銀に相転化させた悪手だったのであろうか?他に指す手がないので66歩としたなどと考えるのでは挑戦者として失格である。そこで深浦は恐ろしい手を次に用意していたのであった。


41手め56歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)14時28分40秒

ここで56銀と腰掛け銀の四辺形を先手が作ると55銀と銀交換を強要され後手優勢となる。55同角が66歩と46歩の両取りであり24飛の飛車交換強要も後手に発生するトリプル手となる為である。そこで蛇行銀の進出を阻む為に56歩の一手となる。


40手め44銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)14時20分41秒

66歩によって蛇行銀が角と連動した攻撃手に相転化。次に55銀と出られては先手は負ける。


39手め66歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)14時16分42秒

先手にとって待ちこがれた手。33銀で角筋が閉鎖した為に可能な手となる。46歩を双璧にする逆行相転化手となる。この一手によって先手の十字架銀は縦横無尽の空間を付与される。


38手め33銀! 十字架銀と蛇行銀との相違 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)14時04分33秒


ローマ皇帝は35歩で強気であったがこの銀は先手の意見を聞こうと言う手である。主砲の角がこれで一旦閉塞する為である。34飛のひねり飛車では38金の潜在力で迎撃される。そこで後手も十字架銀に対抗する為に筋が違う蛇行銀を選択してしまったことになる。この銀は31-42-33-44と言う蛇行進行となるからである。この蛇行銀は53地点に行く十字銀となった場合、手損は解消し先手に先攻権利が譲渡される。すると裸になった32金は釘付けとなる為に2筋の脅威が倍増する。後手の飛車の位置によって角交換後に狙撃される筋も発生する為に先手から仕掛けることが可能になる。この仕掛けで一挙に先手優勢となる。後手番ひねり飛車が衰退した理由はこの33銀のような手が後手に必ず発生する為に盤面そのものがよじれてしまうからであった。盤面がよじれると後手有利と思われた9筋の端歩までオセロゲームのように利が反転してしまう。なぜこのようなことが起きるのか?それは先手の十字架銀と後手のこの蛇行銀との特性転化による。筋がひとつ違うということが十字架銀と蛇行銀との戦いであった。キリスト教とローマ帝国の確執と似ている。十字架銀は腰掛け銀の四辺形へ発展させることは可能である。しかし蛇行銀には独立した性能はなく大駒という帝都の支援がなければ孤立したコロニーとなるだけである。


37手め38金 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)13時02分32秒

後手の24飛に歩で受けては作戦負けとなるために先手は最強の受けで対抗することになる。それがご存じ38金。ひねり飛車にはこの金で対抗するのが常識である。ところが常識というものは先入観の塊であるために十字架銀のリベラルな思想とは相反するのである。


36手め35歩! 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)12時58分38秒

ひねり飛車特有の突き出しだがこれは相当な突っ張りである。次に24飛と飛車交換を後手から強要すれば陣形の差で後手優勢となる。しかし一旦先手に受けられるとこの35歩は先手から狙われる傷となる。


35手め47銀 十字架銀完成 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)12時55分19秒

なぜ先手にとってこの十字架銀が心地よいのであろう?すでに二手損の形でなにが先手にとって利なのであろう?諸君等はこう考えたらよい。右の頬を打たれたら左の頬も差し出せと。だからその軌跡と共に十字架銀という名称となったのである。


34手め42銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)12時51分34秒

後手にとってここまでで最も心地よい銀の進出。先手からの一切の攻撃が遮断されたために有効。後手指しやすい展開。


33手め46歩! 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)12時48分45秒

十字架銀がすでに知悉されたものであるというのは奢りである。この46歩は当たり前の手などではない。先手が5筋地獄門定跡であるならば第1局のように47銀が5筋を死守する手となり、換りに8筋の脅威は失せて2筋の飛車先の脅威だけが露出し得た。しかし74飛という位置は後手が8筋の恫喝を放棄した換りに8筋に玉を移動するという囲いの進展を促す効果がある。対して82玉に対応するこの46歩は先手の手損を告知する手となる。


32手め82玉 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)12時42分21秒

後手玉の美濃入城完了。問題はここで先手に手がないことである。82玉に対応する有効な囲いがない。76歩を突けない為であった。そこで先手は十字架銀戦法を開発してきたというのがこの相掛り28飛型の骨子となる。


29手め68銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)12時38分02秒

72銀が双頭手であったのに対してこの68銀は囲いの進展を目指す単発手である。先手は十字架銀で先攻を見せた換りに守備が著しく不安定であるばかりか囲いの手順をすべて後手に掌握される。これは74飛の縦歩取り効果で角が制御されているためであった。すでに大駒の機能が後手有利の為に先手は待機する以外にない。これも74飛の横利きが有効なためであった。


28手め62玉 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)12時33分42秒

双方の端に継続手が発生したことに満足しここで後手は作戦を明示する。62玉によって72銀が抑止力を果たした後すでに完成された美濃囲いの中枢として機能し始める。


26手め14歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)12時31分08秒

これで後手に主導権が渡った。後手は居玉のまま作戦の選択肢を掌握したことになる。先手玉の移動に対してこの端歩の交換を強要させたのは後手である。すでに72銀抑止力により9筋の端歩は後手に利がある。ここで1筋にまで後手に利が発生しては後手優勢となる為に16歩は必然となる。この交換は先手が十字架銀を選択した為に可能であった。26銀型ならばこの端歩の突きあいは先手優勢となる。


25手め69玉 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)12時24分03秒

この手で先手が先に全作戦を開示したことになる。将棋は玉の位置で最終戦形が決定されるためである。


24手め74飛! 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)12時20分34秒

シーザーが今日の為に用意した手は74飛の縦歩取りであった。先手に76歩を指させないという手であると同時に25銀には33桂or35歩で飛車の横利きを開通して棒銀を封じる手となる。この25銀を我々はセルペットと呼ぶ。日本語では蛇行銀=38-27-36-25が蛇行形


18手め86歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)12時11分57秒

これは先手の十字架銀に対して必然手となる。ここで飛車先歩交換を行い手順に84飛と24地点を死守しなければ十字架銀が原始棒銀として猛威をふるうことになる。


17手め27銀 十字架銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)12時09分32秒

先手からの棒銀。これは見た目より速度が速い。ところがこの銀の動きは棒銀としてはすでに後手に掌握されている。そこで先手はこの27銀を後手の駒組に対する抑止力として機能させることになる。世間ではナンチャッテ棒銀やUFO棒銀などと呼ぶが我々はこの機能をすでに解明したのでここでその名称を公表しよう。名付けて「十字架銀」。
十字架銀=39-38-27-36-47という連動した動きが十字架を形成し46歩を交えて5手で機能。


16手め34歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)12時01分35秒

後手の待望の一手。主砲の角筋を開通すると共に35歩と突き出すこともできる双頭手となる。先手が38銀と上がったために可能となる。39銀のままで34歩を突くと先手から24歩と合わせられ34歩が飛車で取られる。38銀ならばその時に28歩と打って桂馬が助からない。


15手め38銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)11時57分04秒

この9筋の損を回復する為にここで先手が16歩と突くと緩手となる。この16歩を後手が無視すれば先後が入れ替わり後手から83銀以下の棒銀が可能となる。これが9筋の端歩交換と72銀の抑止力であった。ここで38銀と先手に上がらせることで後手は次の手が指せることになる。


14手め72銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)11時51分25秒

先手が96歩と端を受けることが必然であるために72銀が連動する。後手から83銀という棒銀を見せると同時に右玉にした場合この一手で美濃囲い完成となる双頭手。先手が既に一歩持ち後手はこれから飛車先歩交換の原理により後手番の上にさらに後手をひく為に棒銀は封じ込まれてきた。従ってこの72銀は83銀の可能性を後手から示唆した抑止力として機能する。美濃囲い完成とともにこの抑止力があることによって9筋の端歩の交換は後手有利となる。これが28飛型の最初の欠陥となる。


12手め94歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)11時41分48秒

先手深浦の28飛深海流に対しての有効手。一見奇異だがこれは次に95歩と突き越されると作戦負けに陥る為に先手は96歩と受ける一手となる。持ち歩が双方必然的に発生する相掛り戦特有の応酬。羽生や康光も真っ先にこの必然の応酬から意味を構築してきた。


朝日オープン第2局 深浦VSシーザー 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)11時28分28秒

立ち会い=内藤國雄
解説=杉本昌隆
戦況報告=相掛り28飛36銀型に対してシーザーは縦歩取り右玉からひねり飛車へ。深浦は対ひねり飛車最強右金で対抗。現在37手め38金まで。


昨日までの注目星取り結果 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月11日(金)11時17分11秒

4月10日(木曜日)
●佐藤康光 淡路仁茂 ○ 王位戦 白組3回戦 関西将棋会館
4月9日(水曜日)
○ 石橋幸緒 碓井涼子 ● 女流王将戦 挑決
4月8日(火曜日)
○ 桐山清澄 畠山成幸 ● 竜王戦2組 昇級者決定戦1回戦 関西将棋会館
○ 島  朗 深浦康市 ● 竜王戦2組 昇級者決定戦1回戦
4月7日(月曜日)
○ 谷川浩司 丸山忠久 ● 竜王戦1組 2回戦 関西将棋会館
○ 内藤國雄 長沼 洋 ● 竜王戦4組 昇級者決定戦1回戦 関西将棋会館
○ 中尾敏之 今泉健司アマ ● 竜王戦6組 4回戦 関西将棋会館