2002.02.08棋王戦第2局熊本決戦 丸山忠久VS羽生善治棋王 居飛車穴熊対四間

大団円の魔方陣 温泉地獄めぐり「完全穴熊姿焼」

MashudaBBS2002.02.08-10


子供たちの魔方陣 大団円で姿焼きへ 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月10日(月)08時07分48秒

あとはすべて前日まで説明した通りである。すでに日暮であった。蝋石で描いた子供たちの魔方陣は消えかかり、紙芝居屋も去った。残ったのが丸山トラウマであった。
この項「
子供たちの魔方陣」では羽生がなぜ完全姿焼を欲したか考察してみた。


子供たちの魔方陣 64手め33桂打 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月10日(月)07時57分09秒

謎の紙芝居屋であった5段目の飛車は、抑え込んだはずであったのに、なんと今度は35飛で次に飛車成を見せている。これを防ぐには33地点に持ち駒を打つしかない。G効果のみの動機で駒を打つ。ならば一番安い駒がよい。そこで角銀桂のうち、桂馬を選んだということである。歩があれば歩を打つ。それができないので次に安い駒を打つ。それだけの事である。お金の勘定ができる子ならばそれが簡単にできる。紙芝居屋に5円払うか10円払うかという違い。G効果はすべての駒がもっているので5円でよいということである。桂馬ならばあとで跳ねられるというオマケがついていたことはラッキーであった。よくみればこのグリコのオマケは丸山トラウマを一層掻き立てたのであった。


子供たちの魔方陣 61手め35銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月10日(月)07時48分56秒

ここで丸山トラウマで88銀などとすればそれこそ先ほどの14歩で角が苛められる。角を打ったからには行くしかない。丸山はバッコンと35銀打。山崎がやりそうな手である。繊細な丸山でもこのようなことをしてしまうのであった。飛車取りであるので同銀となる。これで羽生はお荷物だった銀を再び手駒にしたが、心中は穏やかではない。俺の見せ場はどこにあるのだと怒り心頭である。


子供たちの魔方陣 60手め44飛 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月10日(月)07時36分17秒

この60手めで羽生はしばらく考えていた。見たとおりの銀取りである、これを防ぐには子供の発想では桂馬を打てばよいが、それでは35歩打で同銀ならば飛車を角で取られてしまう。35歩に対して14歩とじっと角取りを狙うのでは一手遅い。これは子供でもわかる。そこでこのス抜きの飛車取りを避けつつ銀にヒモをつける44飛車となる。当たり前の手である。ヨッシーはここで丸山に嫉妬しているのである。自分だけ鈍臭い手ばかりを強いられ、カッコイイ見せ場は全部丸山に奪われているのではないかと。そこで考え込んでしまったのである。ここから純粋な子供の心は鬼と化して行く。


子供たちの魔方陣 58手め43飛の考察 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月10日(月)07時23分12秒

羽生は自然に指しているだけである。43飛は次に飛車成を見せる。これを無視して32角打で飛車桂取りをやりたいが例の丸山トラウマが首をもたげるのである。桂馬を取ったとき、49龍であの忌まわしい裸の79金を直撃してしまう。それを防いでここで地獄めぐりの88銀では、反対側の香を取られてしまう。この香を渡すと端攻めの構想は一瞬で崩れ去り、逆に端を攻められ自陣は崩壊する。そこで丸山はあの79金トラウマにうしろめたいものを感じながら16角打を決行したのであった。


子供たちの魔方陣 55手め25飛の考察 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月10日(月)07時15分08秒

羽生は終始純粋な子供のように指してきた。それに対して丸山の55手め25飛は、かなりオマセな子供の裏技であった。股の下から手を出して大きな45銀という石を拾おうとしている。羽生に56銀と手順に進行してもらい歩を拾ってくれと恫喝している。56歩を取るとよろしくない。5筋に歩が打てるようになると後手は困る。そこで羽生は桂得だけに満足しじっと34銀と引き返すのである。これで先ほどの三点セットが復活する。そこで丸山は25飛車から85飛車と大転回したのだが、敵に角桂の頭が丸い駒しかないのを見こして端攻めを狙っているわけである。序盤のあの藤井システムの95歩を逆に攻めようという構想である。


子供たちの魔方陣 34銀の考察 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月10日(月)06時57分38秒

ケンケン・パ! ケンパ!ケンパ! ケンケン・パ!
このように棋譜は進行してきた。ところが丸山は35手め79金でよろめく。これが丸山流美徳のよろめきであった。路地裏の子供たちの魔方陣を賽の河原の石拾いにしてしまったのであった。
丸山トラウマはひとつ。このわざわざ離れた79金を手順に88銀打でカバーすること。
さてこの79金でムっとしたヨッシーは、丸山トラウマをよく知っていた。丸山トラウマで88地点に銀を打つならこっちはもっとすごい所に銀を打ってしまおうと最初から思っている。
48手め34銀打。子供の手である。これに驚く大人はその子供の純粋さに驚くのである。これは34地点に歩を打たれないようにするG効果である。しかも25の飛車にあてて手番を握る。そして45歩を同時に守るという三点セット。子供ならすぐに打てる三本の足をもつ銀。ところが大人はせっかく取った銀をこんな辺境地に打ってはちょっとアンマリだと思うのである。丸山トラウマを知っている羽生は遠慮なく打つ。


温泉卵 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 9日(日)15時13分55秒

44歩の毒マンジュウ食うと、丸山は36歩の温泉卵を食べることに。すでに33桂と打ってあるので24桂打のフンドシコースはなし。かわりに次の21歩成をみせてやはり手番を握る。


熊日の 投稿者:凡夫  投稿日: 2月 9日(日)13時59分26秒

 HPを今見てきましたが、44歩、同竜でも困りそうですが。


裏地獄めぐり 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 9日(日)13時44分16秒



34銀、33桂打は大局観ではなくフツーの手。大山はこのような手が大好きであった。だから一般に理解できない。これらは攻防の手なのであった。受けだけでは負けるということだけ知っていれば誰でも指せる手である。実は地獄めぐりには59手め16角打から裏コースがある。67手めに88銀を打って王手飛車を回避したが、これが大山の嫌った受けだけの手なのである。67手めは44歩と丸山は打つべきであった。これが44地点の王手飛車を防ぐG効果と次に43歩成りを見せる双頭手になっている。それで16角打の顔が立つはずであった。表コースを選んだために姿焼となったのである。裏コースだと温泉タマゴ付きであった。丸山は4時間コースでおのぼりさんになってしまっただけであろう。5段目をスライドする飛車はかなり愉快な動きを示し丸山将棋のハイライトでもあった。


34銀、33桂打 投稿者:凡夫  投稿日: 2月 9日(日)13時25分28秒

 の二手は2,3筋を明け渡さないという大局観だと思いますが、それに根負けしたような丸山の飛車の8筋への転換は如何にも消極的に映ったしその後の推移からもさほど成算のある手とも思えませんでした。16角もさしたる狙いを感じさせなかった。銀交換して持ち歩もある状況で2,3筋に手は作れなかったでしょうか?丸山は踏み込みの悪い棋士だなという印象を持ちましたが、羽生はとっくに知っていたのかもしれません。


地獄めぐり 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 9日(日)03時21分50秒

86手で羽生棋王が勝った。最後まで見ていた諸君は胃液が逆流する思いで観戦していたであろう。
羽生は熊本ファンのリクエストで四間飛車を見せたが、かなり高度な内容を披露している。巨人大山の指し回しである。
決戦後の要点はふたつ。先手が手番を握り、かつ双頭手をさせるかどうかに尽きる。右銀は地獄をめぐりめぐって88地点へたどり着いた。これで手番は渡してしまった。双頭手となるべき16角打は最後に49歩打で逆行相の双頭手となったことが最後の丸山の見せ場である。どうも丸山は最近この消極的な角打逆行相が多い。この49歩打は一見プロらしい手筋である。しかし37地点のと金を相手にしないというのが当初の方針である。従ってこの49歩打で逆行相を狙った16角打であったのではもう丸山に逆転筋はない。諸君等は羽生の鬼のような24歩突き出しで胃液をさらに吐いたであろうか?このような手は硫黄温泉の臭いと思えば案外気持ちよい。


48手め34銀打 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)16時31分58秒

丸山は驚いたであろうか?呆れたであろうか?
王女はこのようなことをする。


48手めの葛藤 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)16時30分08秒

そう。井上なら好んでここに棲むだろう。
屈辱の23歩を打たされたら王女は開き直るしかない。
誰がこの船に乗せたのかと


覆う諸手をかわす飛車 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)16時28分00秒

25地点。それ以外は角打ちで奴隷にされるという脅迫


あの宣誓はなんだったのだろう 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)16時24分57秒

右手を高々と掲げ誠の証しをした55銀


この船は酔っている 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)16時23分31秒

この船は酔っている
35手めの79金という頑なさに王女が切れたところから始まっている


後手は 投稿者:凡夫  投稿日: 2月 8日(土)16時10分12秒

 重いんだか手厚いんだかさっぱり分りませんが。


47手め25飛 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)15時57分09秒

一見味がよい飛車の位置である。四間飛車の残骸である45歩が恰好の餌食となっている。羽生はここで長考しなければならない。最善手はひとつしかない。しかしかなり躊躇するであろう。このような手をすぐに指したのではマシュダ一家に何をいわれるかわからないと思うであろう。羽生ならやるというのが一致した見解であるので遠慮なくやっていただきたい。


46手め23歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)15時51分44秒

後手は打ちたくない歩であるが仕方ない。


45手め24飛 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)15時39分05秒

ここで先に角打がないかと迷う必要はない。どこかに角を打って飛車取りにあてても後手は無視して37歩成を決行し、と金で飛車取りをみせるからである。それでは先の方針と全く違うことになるので迷わず24飛車と走る。この場合はこう考えたらよい。角は終盤において双頭手を発生させる要の駒であると。それを先手が先に打ってしまうと変化が著しく削がれる。しかも後手はと金で飛車を取るとなると、逆に後手からの角打ち双頭手が発生してしまう。


43手め33角成 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)15時31分28秒

ここで41銀の割り打が目立つ。この手を読むためには考慮時間が必要である。したがってここは大局観で読む。現在加速定跡に突入しているが、どこを相停滞点にするかという判断となる。41銀は即テンポを落とす手である。すると先の大局観37歩成の一手を相停滞点とする進行に思い当たる。どちらでテンポを落とすかという選択になる。丸山は最初の判断を優先させて加速定跡を続行したということである。


42手め同歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)15時24分10秒

ここで先に77角成は手順に玉筋を閉鎖させるのでよくない。むしろ手順に同歩と取るのがよい。このような局面では決して色気をだしてはいけない。加速度に応じて駒を乗せるという流れを停滞させると負ける。ここで指し手の流れというもの、いわゆる我々がテンポと呼んでいたものにもセオリーがあったことをおいおい証明して行かなくてはならない。駒が加速定跡に突入すると性能を変化させるからである。


41手め54銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)15時18分41秒

後手は40手めに同歩と素直に応じるしかない。この41手め54銀もこれしかない。


39手め24歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)15時16分40秒

居飛車の唯一最大の特権である。この局面でさえこの歩が突けることが居飛車党たる由縁となる。


38手め36歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)15時13分22秒

これで後手は無条件に一歩得。しかも次に37歩成を見せている為に先手は激しく動くことを強いられる。そしてそれを最初に強いたのは羽生である。さらに激しくしたのが丸山である。攻めの相乗効果で加速度がつくが、最後まで読みきれないために形成判断が必要である。その基準は玉形に尽きる。駒は平等に交換され、飛車角銀桂香も交換された時、先手に必要なのは手番と双頭手である。そのためには一手稼がなくてはならない。それが37歩成を緩手にしようという構想となる。ここでさらに一手費やされ「と金」ができるが、このと金が働かないようにする構図を考えればよい、後手はその逆を考えるだけとなる。3筋の歩しか切れていないことになるので局面は至ってシンプルとなりしばらく必然変化となる。


37手め55銀! 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)15時02分02秒

丸山は最もシンプルな変化を望んだ。羽生の攻めが無駄のない進行であることを察して気合いで破壊しにかかったのである。この破壊手は65歩に乗じて指したかったが、時間切迫で待てなかったのである。この交換で切りあいとなり優劣が決定する。


36手め35歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)14時21分33秒

羽生はここで長考したであろう。昼食休憩をはさんでこの手を決断した様子だ。最大の山場である。ここで65歩なら丸山は55銀とぶつけて来るであろう。すると先手からの24歩が一手速い。そこで先に35歩となる。攻めるならここしかない。


35手め79金! 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)14時16分42秒

丸山の度胸なのか開き直りなのかものすごいことをする。64歩を双頭手にはさせないという手である。攻めてこいと恫喝しているのである。このような手は無論、相停滞手ではない。恐ろしい地獄めぐりの分岐点となる。


34手め64歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)14時09分06秒

68金の頑固一徹により後手は先攻権利をしばらく維持できる。この歩はもっと早く突きたかったが郷田変化をすべて諦めたのでここまで延長された。その換りにこの64歩は65歩の進撃と63銀引きの攻防を見せる双頭手となっている。


33手め68金寄り 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)14時05分06秒

これで角引きは消えるが、54銀の挑発には乗らずに駒の連携維持を最優先。このような手はすべて99玉から派生している。首尾一貫ということである。


32手め54銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)13時59分46秒

半ばやけくそ気味かもしれない。むしろ丸山がここで切れてくれないかと挑発する。ここで次に55歩と突いてくれれば、今出た銀は下がる一手だが丸山はシーザーと違って残念ながら5筋位取りなどしないのである。


31手め99玉 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)13時54分15秒

見事な手順。羽生は断腸の思いであろう。序盤は丸山が一本取った形。すべての駒が連携しつつ穴熊へ入城となる。


30手め45歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)13時50分24秒

ここで後手は角筋を開通させる。後手にとってはこれが最も指したい手であったが、すでに飛車が3筋へ転回したので威力は半減している。しかも66銀で角筋は二重に遮断されているためにかなり期待はそがれる。むしろ丸山ビッグフォーに対抗するにはまず角筋の確保という程の感情で指しているであろう。ここで突けないのでは後手はまるでいいところがない。


29手め66銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)13時42分15秒

これで先ほどの78銀双頭手が指向性を示し逆行相転化する。右銀が動いたことで、これはやがて88まで地獄めぐりをするであろうということである。なぜ地獄めぐりか。追々わかるであろう。


28手め82玉 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)13時39分39秒

この双頭手をまざまざと見せつけられては羽生もやや震えたことであろう。そこで82玉。丸山技あり。


27手め78銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)13時37分26秒

お見苦しいところをお見せしてしまった。
さて丸山は78銀と最も突っ張った手を指した。角の自由度を最大限確保しつつ穴熊の右蓋、通称ハッチである左銀を88地点ではなく78地点に固定したのである。これは右銀でハッチするぞという意思表示の他、急戦で仕掛けるなら、こちらはすべて駒が連携しているので来いという双頭手になっている。


囲碁将棋ジャーナル 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)13時28分02秒

高橋「羽生さん人間じゃありません」
「貴様は豚だ。なにしゃべってんだか。すっこんでろ」
「おい、熊本の橘孝幸。居飛車穴熊模様かよ。居飛車穴熊になってるゾ」
橘「今35歩やりました」ご苦労さん。
「コーラス部?貴様のおかげで駒音コンサートがしらけてつぶれたんだ」


26手めの選択肢 三間か向い飛車か 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)12時21分59秒

ここで32飛ではなく22飛とした場合の変化はどうか。向い飛車である。藤井の場合はこれがひとつの大きなテーマであった。昨年は森内、谷川、中村なども98香の穴熊指向に対して向い飛車からの逆襲を模索してきた。藤井の場合は最初からこの第三展開を目指して向い飛車にできないか試行錯誤したのである。
向い飛車の場合変化が著しく削がれる。一筋の攻防に収斂するのである。端の桂香が使えるからより高度ではないかと考えられるが実際はそうでもない。むしろ三筋からの変化から一筋へ至る方が変化が多いのである。しかし先に述べたように羽生が三間に振り直すのは変化が多い方を好きだったからではない。あくまで36歩が不愉快だからである。


26手め32飛 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)11時45分15秒

やはり羽生は動く。この局面をどうとらえるか。実に簡単である。後手があの華麗な藤井システム第一展開を完封されたのは、あの双頭手36歩の為であった。ここを逆行相転化させればよい。即ち3筋からの逆襲。ご存じ藤井システム第二展開である。


25手め98香 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)11時35分40秒

穴熊準備である。これが半分穴熊になるか完全穴熊になるかはまだわからない。この関係に関しては昨日のホームレスに関する考察と共通している。半分世捨て人か完全世捨て人か。棋理ではこの98香を双頭手として考えることができる。この98香によって後手に攻めさせるという場合と、本気で入りに行く場合である。いずれにしても次の後手次第で右か左か、東か西か選択できるのである。しかしここで後手が次に82玉とすれば丸山は勝ったと思うであろう。羽生は当然動いてくることが予想される。藤井でも動く。だから丸山にとってこの98香は来いという恫喝でもある。これで迎撃する自信があれば98香は双頭手として指せる。


24手め43銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)11時27分17秒

後手は15歩の顔を立てるために玉の移動に二手費やした。そして今度は先手の穴熊を阻止するためにはここで43銀とする一手である。32銀の顔を立てたことになる。右と左で顔を立てることを八方美人という。


23手め88玉 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)11時21分33秒

先手は88玉。丸山スマイル全開であろう。もうおわかりのことかと思う。先手の36歩により後手が玉の移動に2手かけているのである。そこであの36歩が双頭手として一手分稼いだことがここで証明された。この一手分で88玉と移動したときに穴熊が目指せるのである。そこで前の局面で62玉から戦えないかという試行錯誤があったわけである。そしてそれもどうも難しいということがわかり、あの32銀が15歩とミスマッチかもしれないということになるのである。よく考えてみれば藤井システムはこの32銀にまで遡ることを強いられるため、横歩取りや角換りより難解であるかもしれない。ただ余りに多くのバリエーションが指されて来たため、どれかを放棄するとその先に見慣れた形が出現しやすい。そこで先入観が生じてしまうことになる。


22手め71玉 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)11時10分10秒

後手はさらに悔しいことであるが、ここで71玉と下がらざるを得ない。ここで他の手は先の変化で指しすぎとなる。この一年でいろいろ出てきた結果である。結局15歩の顔を立てるには71玉が最善であるらしいことが判明している。あくまでラシーである。ここで突っ張ることもできるかもしれない。しかし藤井でもやられているのである。そこで羽生は自分で新手をここで考えることはしない。この71玉の一手がいかに先手にとって嬉しいことか。


21手め77角 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)11時01分56秒

21手め77角。実に味の良い角あがりである。この角の一手分は大駒なので後手の33角に対応する。しかし後手の33角がただ飛車先の歩交換を阻止しているだけなのに対して、この77角は郷田の86角、康光の59角などのバリエーションを持つほか、ご存じ居飛車穴熊の堅陣へ組めるという三方向に働く角となるのである。三方向のみっつめとは先日紹介済みのG効果である。


20手め62玉 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)10時56分36秒

先手36歩の双頭手に対して後手は悔しいことだがここで62玉を強いられている。居玉で急戦を迎え撃つわけにはいかないからである。この瞬間95歩が攻撃手から緩手に逆行相転化してしまうのである。


19手め36歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)10時52分55秒

そう。ここで先手は平然と36歩が突けるのであった。この手順に至るまでに幾多のバリエーションが誕生したことであろう。羽生が32銀で考えるはずである。やはり藤井システムを指しこなすのは羽生でも難解であるという証しであろう。この36歩は双頭手なのである。以前なら先手は急戦を見せるものと断定するべきであったが、次の必然手により、後手は2手強いられることになる。そこでこの36歩の1手分が緩手とはならずに穴熊をめざす順が発生する。だから攻守の双頭手になるのであった。


18手め95歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)10時47分51秒

先ほど勘違いしてうっとりしていた16手め95歩とはエライ違いである。先手はすでに57銀と58金で迎撃体勢は万全であり、この端歩は全く怖くない。後手の恫喝32銀はこの15歩という攻撃手との連携プレーが一手遅いのである。そこでそれをさらに一手送らせる双頭手を指す権利がここで先手に生じる。


17手め58金右 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)10時43分11秒

羽生の32銀に呼応して丸山はここで58金右とフツーにはフツーで対応するのは当然である。ところが、このフツーの手の応酬に対して次に後手は端歩を突くことを余儀なくされるのである。そうでないと先手に穴熊に組まれるからである。32銀が緩手かもしれないという疑問はその次に出てくる。


訂正。16手めは32銀であった 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)10時38分39秒

どうも当方のブラウザ表示不調のため不精して2ちゃんねるを信用したのがまずかった。努力をして本チャンを何度も更新して表示されるまで粘るべきであった。16手めは32銀であった。しばらく16手め95歩と思い込んでこの藤井システムの局面にうっとりしていたのがまずかった。いかに優れた端歩か。しかしここで32銀ならばフツーである。57銀に対してはむしろ緩手であるかも知れない。


16手め95歩! 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)10時25分30秒

ここでしばらく考えていたようだが、いやはや羽生は頑固である。あくまで熊本ファンを熱狂させようとしている。95歩と突くのである。丸山の最強手57銀に燃え上がった証拠である。


15手め57銀がなぜ最強手か 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)10時16分16秒

さて棋譜だけの掲載はないようなのが残念であるが、こちらのシステムは中国新聞提供のものである。はなはだ不完全である。半分しか見えないところを解読する楽しみを与えてくれる。
15手め57銀がなぜ最強手か。ここで先に58金だと95歩と突かれて先手は穴熊を強いられるのである。以前は喜んで先手は穴熊をめざしたが、藤井システムを棋界で二番目に知悉している羽生相手に58金は緩手となる。また先手が桂離宮をめざす場合も95歩は先手劣勢に陥る。そこで15手め57銀が最強手となる。もともと羽生が指した手である。ここで95歩と次に突くと先手は急戦で行ける。その場合後手玉は移動を開始するが95歩が緩手となりやすい。


棋王戦第2局 丸山VS羽生 実況 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 8日(土)09時54分05秒

お早う。
4手め44歩。心憎い。羽生はやはり熊本ファンの期待に答えるのである。田尻隆司肥後名人もさぞ小躍りしていることであろう。
5手め25歩=丸山は堂々と突く。気持ちよい。
8手め94歩=ご存じ藤井システム。
10手め42飛=熊本は熱狂の渦である。
15手め57銀=丸山最強手選択。システムで来いと。