2003.02.01棋王戦第1局 羽生善治VS丸山忠久 横歩取り

反地獄門定跡 44歩の呪い

実況マシュダ一家 Mashuda BBS 2002.01.31-02.01


羽生サディズム全開 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)22時11分03秒

報告ご苦労。今60手目以後の棋譜を確認。二度と見ることはあるまい。すでに実況で記号にしたあの見えないフンドシだけで済むかと思って見ることさえ躊躇していたが、心配事が的中してしまった。丸山が72手目75桂打で丸山ハミチンを見せたことに羽生は激怒し、85手目24桂の反丸山ハミチンから、と金でいびり殺し、なんと34地点からではなくあの裏門となった54地点でフンドシ固めを見せるという羽生サディズム全開である。裏門54地点から93手めに地獄へ逆さに落とす正調フンドシ固めがマットの中央で決まってしまう。思わず顔を背けたくなる卑猥な構図となった。どうやらヨッシーは1月31日(金)16時56分57秒の投稿を読んでしまっていたようだ。


報告 投稿者:報告係  投稿日: 2月 1日(土)21時40分55秒

終局18時52分、99手にて先手の羽生棋王先勝。
持ち時間各4時間のうち、残りは羽生13分、丸山4分。


棋王戦第1局 総論 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)18時22分15秒

この将棋も三日前の王将戦と同じように44地点と66地点の戦いとなった。
そして丸山は44歩の弱点を63手目に手番を握った時にカバーできなかったのである。ここで66歩と突けなければ負けである。どのように変化しても44歩が邪魔をして飛車が殺される。羽生は反地獄門定跡の最大の欠陥を46手目54歩を利用して導き出したのであった。この54歩の裏門がそのまま裏目に出て一挙に形勢が傾いたことになる。ここで昼に解説した大局観の通りになったことを確認してもらいたい。大筋を繰り返すと、丸山は94歩の第一相停滞で羽生の攻めを呼び込んだ。それが67金の力強い反撃である。そして42角という第二相停滞へ突入した時にすでに勝負がついてしまっていた。これを大局観に照らすと、この時点で優位に立たなければ44歩が致命的な欠陥として露出し逆転するというものである。果たしてその筋に丸山は陥ってしまった。すでに実況で述べたとおりの角打があの時点であったことを棋譜で確認していただきたい。


裏門は致命的 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)18時04分17秒

検討会終了。44歩に誘引された54歩の裏門が致命的な欠陥であった。


59手目54角成 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)18時00分09秒

先手勝勢。羽生は丸山の飛車を殺せる。44歩が飛車の逃げ道を塞いでいる。
ここで42角までの局面に戻して我々は検討することとする。


52手目42角 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)17時09分23秒

どうも落ちまくる。聴講生は本日はあとで入室するように。
ここで丸山は42角と引いた。ここで特攻したいものは、以下の変化で昇天する。
97桂成-同香-87歩成-83歩-同飛-84歩-同飛-76桂-88と-84桂-89と-72桂成にて先手勝ち。


50-51手目手筋の歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)17時05分53秒

このブレス地点で手筋の垂らし28歩。これは同金以外ない。


49手目65桂 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)17時04分12秒

桂交換しても先手には早い手のコンビネーションがこの局面までにつくれなかった。手がなくては不利であるのでここは跳ね違いしかない。


48手目85桂 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)16時22分59秒

ここは行く一手。次に76金から86歩をただで食われてはならない。


47手目67金 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)16時20分30秒

力強い金あがり。羽生がすでに不利を自認して終盤思考に入っている証拠である。67銀では迎撃が弱い。


46手目54歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)16時13分01秒

この歩は角の自由度を後方に確保するために突いておきたい歩である。しかし先に突くと例の弱点44歩との相乗効果で角打の筋が発生する。そこで敵の弱点を引き出しつつ手順に突きたい。羽生は相停滞手につられて66歩と玉のこびんをあけた。自陣の44歩の弱点を緩和するにはその対象地点である66歩を弱点とするように局面を操作すればよい。それが94歩相停滞手の意味であった。そしてこの54歩。地獄門定跡ではこの歩が主役となった。反地獄門定跡では44歩というマイナスの力が誘引してこの54歩を促す。すなわちこの54歩は裏門となっているのである。


45手目66歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)16時04分31秒

羽生はこの丸山の相停滞手が大嫌いである。当然反発する。


44手目94歩! 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)16時03分04秒

これが丸山の相停滞手である。手番を先手に半分渡して第二展開を促す効果がある。


43手目68銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)16時01分07秒

先手は後手をひと回り先に受けるという手順の反復となる。手番を相手に渡したという屈辱にはしばらく耐えなければならない。


42手目86歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)15時58分44秒

後手の方針はまず放し飼いであった先手の飛車を完全に抑え込むことである。ここですぐに飛車先を押さえるべきかあとにすべきか迷って色気を出してはいけない。


41手目89飛 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)15時55分09秒

ここで飛車はどこかに逃げなくてはならない。しかし26飛は論外である。ここは89飛と下がる一手である。なぜそうなのか。読む必要はまったくない。先ほどの大局観に照らせば一目でそれ以外は流れを歪めるとわかるはずである。


40手目64角 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)15時42分02秒

午前中の消費時間は先手羽生=49分、後手丸山106分である。約1時間の差はあの69である。
昼食休憩後丸山は64角と打った。これがあるために羽生は84歩とは突けなかった。飛車がどこに逃げても次に86歩と打たれて84歩が取られてしまう。それを防ぐには先手が83角と打つしかないが、羽生はその先を読むと先ほどの大局観に至ることを知っている。だからこそあの危険地帯で保守を選択したのである。手番を渡した代償が、先に64角と打たせたらどうであろうかというマイナス思考になるのは止む得ない。同じように飛車は抑え込まれるが、少なくとも8筋の歩は桂馬で守っておけばただで取られることはない。歩が取られた代償に桂馬を交換すれば手番が取れる。この桂馬と持ち角で手が作れるかということだけを考えればよい。後手の弱点はすでに役目を果たして形骸化した44歩である。逆に丸山はこの44歩が逆行相転化により双頭手に変身するか、或いは終盤までによほど優位に立たなくては最終盤で逆転される。第1楽章で後手はすでに1本とったが、44歩が傷のままではすぐに逆転されるのである。そこで40手めに渡された手番でまず先攻することが必要となる。ここで持ち角を手放すことにより後手は全ての持ち札を明示した。羽生はそれを見るために自陣を整備したということである。ここで思い出して欲しい。第1楽章では羽生の恫喝で丸山は作戦を見せたが、今度は羽生が腰を落とすことで丸山は最終戦形を見せたことになる。ここから終盤思考をしなくてならない。しかし中盤である。そこでこのように考えて欲しい。終盤のテーマとなるべきモチーフをこの地点から考えはじめなければならないと。この設計図面によって終盤へ移行できるかどうかが問われる。そして最重要な点。この終盤テーマのモチーフは自分で考えるのではなく、すでに盤面にあるのである。それを読むという作業なのだと。そこで発見されたモチーフを組み立てる作業は一人ではできない。相手がそのモチーフをどのように変形させるかで変化する。ここに人間同士が将棋を指す醍醐味があるのである。


八甲田山死の彷徨 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)15時03分17秒

さて本日の囲碁将棋ジャーナルは王将戦第3局解説であった。中村の八甲田山死の彷徨である。我々は何も見なかったことにする。王将戦第2局の解説は入れる余地がなかったようだが、中村らしさは第2局解説で発揮されるべきであり、第3局は阿部が急遽解説するべきであった。NHKにはこの柔軟性を今後期待したい。


39手目48銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)13時35分30秒

諸君等はなぜここで先手は84歩と突かないか不思議であろうか?8筋に三手もかけてここでなぜ予定通りに飛車先の歩を突いて次に83歩成をみせないか不思議であろうか?
ここは攻め急いだら負けるのである。諸君等はそれを直感的に悟る訓練をしなければならない。ここで重要なことは指し手の展開ではなく大局観なのである。初手からどのようにしてここまでに至ったかをここですべて再確認しなければならない。するとどこでテンポが変わったかわかるはずである。あの44歩の軽妙な一手によって第一テーマは封印され、換りに先手の飛車は翻弄され、結局8筋で突っ張るという直線的な第二主題しか提示できなかった。この流れを先手は反省すべき地点が39手目なのである。なぜ後手はあのようなセオリー無視の44歩が突き出せたのか。それを区切りがついた地点で素直に見るだけである。すると敵陣の隙、即ち反地獄門開帳となった44歩は、元もとは先手の自陣整備不備で成立したものであると一目で感じるようになるはずである。ここは最も危険なターニングポイントとなる。行くか守るか。48銀と相手に手渡すことが可能か否かは、この大局観で最終決定される。


38手目73桂に69分の大長考 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)13時18分14秒

丸山はここで69分の大長考を強いられた。次の手によって優劣が決まる。指す手は決まっているがそれを昼休み前に指したのでは、午後の公開対局で羽生に泥沼手順にされるかもしれない。そこでじっと耐えてぴったり69分アンドロギュノスを選択した。時間は確かにもったいないが、ここは棋王戦13連破を狙う魔王の百戦錬磨に乗せられてはまずい。


37手目86飛 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)13時10分12秒

ここまでは第二テーマ提示後当然の進行となる。あの宦官62銀に騙されたことに怒りを感じつつ、その最大の弱点8筋を逆襲する準備となる。問題は羽生がなぜこの第二テーマを午前中に指したかということである。これが持ち時間4時間という棋王戦の特徴なのである。第二テーマが昼食休憩前に指されるという形式はテニスを想起させる。第二試合が始まる前に一本取りたい。プロ将棋の場合、これが高校生コースに繰り入れるべき心理戦となる。これは各棋戦の形態によって違うものであり、棋理とは別の思考形態となる。


33手目86歩より第二楽章へ 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)13時01分03秒

32手目44歩によってアレグロ・コン・スピリートは華麗なコーダをみせた。
この余韻をしばし楽しみ、33手目より第二楽章へ突入する。しかし羽生は午前中に第二楽章の主題を提示した。それが33手目86歩第二楽章アダージェットである。なぜアダージョではなくアダージェットか。
羽生はじらされたからである。44角ならば稜線が明快である。しかし角を温存されてあの背水の陣44歩を見せつけられてはアダージョの感傷に浸っているわけにはいかない。すでに74歩と突いてしまっているからである。これを73歩成では何をやっているかわからない。3手もかけて歩交換は即不幸感を招く。それでは葬送行進曲である。しかし次に74歩と後手に取られては歩損は解消されジリ貧となる。かといって、ここで48銀と自陣を守っていてはテンポがアダージョになってしまう。感傷は禁物。第一楽章では丸山に華麗なコーダを許したが、敵に余裕を与えてはいけない。丸山は次に74歩と取るだろう。ならば二手使える。そこでかつて谷川を苦しめた86歩からの第二テーマへ移行することを難なく決断できたのである。


32手目44歩! 反地獄門開帳 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)12時24分32秒

諸君等はこの32手目44歩を見て驚いたかもしれない。初めて見た人も多いだろう。
中原囲いでは決して突いてはならない歩を丸山は突いた。アレグロ・コン・スピリートのクライマックスに全身震えたであろうか?
先ほど紹介した66角打原始三角帽子は総本山丸山の表芸でもあった。裏芸三角帽子は桂馬が煙幕となる。羽生は実に単純な75歩の煙幕で丸山が油断するとはまさか思っているわけではない。丸山に原始三角帽子対策を見せろと恫喝したのである。以前なら66角に対抗するためにこの32手めで44角と後手から先に打つ手が主流であった。誰も44歩などという自陣の最大の弱点を晒すことなど考えてもいなかった。
本日諸君はその目でしかと見たことを忘れてはならない。丸山は羽生相手にそれをタイトル戦の初戦で見せたのである。丸山背水の陣。この44歩こそ反地獄門開帳である。


31手目74歩の考察 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)12時12分20秒

アレグロ・コン・スピリートの最も華やかなパッセージがついに指された。これが音楽なら先手のソリストは相当に気持ちよいことであろう。しかしこれは将棋である。75歩から74歩と二手も費やして何もなっかったでは済まない。もしここで先ほどの62銀がなければ75角打である。しかしすでに53トリトヌス地点は62銀で死守されている。では山崎流66角打ちはどうか。そう。これが75歩と突いた時の煙幕であった。75歩と突けばあの84飛という縦横に効く絶好の位置が角筋から一時的に遮断される。ところがここで74歩と突かれるとあの煙幕は即時霧散し、84飛車が角筋に狙撃されることになる。次に23歩打から最後は66角打ちで33地点から後手は壊滅する。あの煙幕を見過ごせば後手は即投了となる。それを承知で丸山は羽生をおびき寄せた。それが84飛であり、あの宦官62銀の策謀の意味である。


30手目62銀と31手目74歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)11時58分59秒

ここで後手には62銀しか手がないということが解釈を要する。62銀によってご存じ中原黄金囲いは完成する。中原囲いの完成度とそこから派生する万華鏡世界は周知の通りである。しかしこの黄金の陣に満足してはいけない。なぜならば先手は36飛のままである。歩得までして飛車がここに居すわっている。この飛車は相当ずうずうしい将軍と思わなくてはならない。しかもあの75歩によって縦横無尽の布陣をみせた。この十王の夫人としてかしずくのが62銀である。これは実は宦官であったことを諸君は後に知るであろう。
十王は己を将軍様と呼んでくれた宦官に気をよくし31手目74歩と突くのである。


29手目75歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)11時35分06秒

もともとアレグロ・コン・スピリートのテンポ設定は羽生棋王が決めたものである。それを煽るかのように丸山は同期している。あれほど油と水のごとく理解しあうことを拒否していたこの二人は、棋王戦の4時間という持ち時間によって、ついにテンポ設定では一致を見たということになる。
ソリストが先にテンポを決めてオーケストラを強引に引っ張る指し口は通常は毛嫌いされる。第1局が風流人の巣窟金沢であったことは主宰者の毎度の憎い演出である。
29手目75歩を見て驚いてはいけない。これはグランサタンではない。コン・スピリートにグランサタンは通用しない。これはトリプルクロスを促す双頭手である。飛車の横利きを通し、かつ後手の74歩を封じる。そしてさらに煙幕を張る。この煙幕に騙されるとトリプルクロスを喰らう。


28手目84飛 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)11時22分24秒

さて丸山はここで飛車をどこかに逃げなくてはならない。しかし逃げたという印象は指揮者に「コン・スピリートではない」と叱咤される。そこで82飛車はない。24飛車は指揮者に「プレストではない」と怒鳴られる。そこで軽快かつドスをきかせて84飛車となる。反地獄門定跡の裏づけがなければ現代では怖くて指せない手である。


25-27手目 角交換後77桂 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)11時17分00秒

ここで本家からクレームがついた。この世に存在しない造語は混乱を招くとのこと。
そこで我々はこの27手目77桂を確認後、アレグロ・コン・スピリートのテンポ設定とする。


24手目85飛 擬態中座飛車 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)11時07分48秒

この85飛車を見ても中座飛車と呼んではいけない。22手め51金によりこれは擬態中座飛車となる。


23手目87歩 愛の瘡蓋 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)11時05分55秒

羽生はこの87歩という蓋を森内のようには指さない。かつて谷川を苦しめた紐付きの87歩となるのである。
我々はこれを愛の瘡蓋と呼ぶ。何度も言うが泉研は牛ブタである。


22手目51金 地獄門定跡との別離 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)11時01分18秒

丸山は22手目51金とする。地獄門定跡ならば62銀を選択する。羽生は一瞬身をよじりおしぼりで手を拭いたことであろう。


21手目38金 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)10時58分35秒

ここまで双方のペースは持ち時間4時間という時間を考慮したアレグロ・コン・モデラートである。羽生の36飛と38金の特性によりモデラートが付加するテンポ設定となる。羽生は次の一手を丸山に聞くためにトビウオの勢いと小鳥の猜疑心をもって指すのである。


丸山総本山最後の砦 反地獄門定跡 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)10時49分24秒

マシュダ一家に横歩取り中座飛車は終わったと言われてさぞ丸山は悔しかったであろう。
阿部の地獄門定跡も竜王戦で披露された。そこで丸山が横歩取り総本山の貫禄を見せるべく、本日用意した出し物、それが反地獄門定跡である。


棋王戦第1局羽生VS丸山 金沢決戦は横歩取り 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月 1日(土)10時44分23秒

お早う。昨日は山崎が勝った。鎮もご苦労。
本日は棋王戦第1局。立ち会いは森下卓。振り駒は歩が三枚で羽生先手となった。
羽生は好戦的である。少しは山崎に嫉妬してくれたであろうか。


一日制と二日制の違い 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 1月31日(金)17時55分28秒

一日制は日帰り遠足で二日制は一泊旅行である。我々はどちらかと言うと二日制の方が好きである。
どのように楽しんでいるかと言うと、一言で言えばニーベルングの指輪全曲を鑑賞する体勢である。青野ならわかるであろう。将棋はオペラと同様の鑑賞ができる。歌舞伎よりもオペラ鑑賞に近いと我々は考える。
諸君は定跡というものをすべて理解する必要はない。ところが棋士はそうではない。これをマスターしないことには先に進めない。先に進んだ者が新定跡を確立できる。我々はそれを鑑賞する立場である。そしてこの新定跡が、どのような質感であるかを理解することができる。これは新作オペラと比較すればよい。ワーグナーがいかに斬新なことをしたか観客はすべて理解しているわけではない。ところが新作オペラが到底ワーグナーには及ばないことはおよその観客にわかるのである。そもそも新作オペラなどレパートリーに定着するまで半世紀がかりである。それがオペラの伝統の厚味である。将棋もそうである。藤井システムなどまだ出来て間もない。プロ棋士などいまだにバカにしている者がいる。理解していないと言う者は大概バカにしているものである。定跡を学んできた職人とはそんなものだと覚えておきなさい。ところがこの戦法がいかに優秀かは、級位者にもわかるはずであった。藤井システムの優秀性を論理的に解剖し天才的とまで公言していたのはマシュダ一家のみであろう。森下はそれに勇気づけられ昨年から藤井システムを絶賛し始めたのである。やがてハブが食ってしまうだろうと周囲ではタカをくくっていたことは諸君等が目の当たりにした通りである。なぜそのような偏見で藤井システムが見られたかと言うと、プロ棋士自身が藤井という棋士をバカにしていたからである。だから誰も藤井システムが真似できない。マネする気がないのだから当然であろう。このような嫉妬はオペラ界ではもっと顕著である。小澤が昨年からウィーン国立歌劇場でオペラを振り始めたが、ウィーンフィルの団員は彼がワーグナーなど振れるはずないと思っている。だから彼の指揮するプログラムは無難な現代オペラから組まれた。確かに情けないリハーサルであった。小澤は英語もひどいがドイツ語に至っては片言である。これではヤナーチェクやチャイコフスキーしか振らせてもらえないかもしれない。モーツァルトなど絶対にやらせてくれないかもしれない。将棋界における藤井など比較にならない冷遇を受けているのである。では何が彼の才能を引き出してくれるのか。それはひとえにファンの応援以外ないのである。棋士は孤独だ。そこに一言の応援があれば勇気づけられる。そしてその勇気で勝てるようになる。藤井をつくったのはこのようなファンの声であろう。そこに羽生は嫉妬したのである。ロクにしゃべれないくせに人気だけは一人前と。だから最初の挑戦は失敗した。
実はオペラも生き物である限りこのような微妙な感情で出来不出来が左右される。団員が一丸となればあの言語障害のごとき小澤でもニーベルンゲンのチクルスが組めるかもしれない。そこに今だかつてない音楽ができるかもしれない。この期待を健全にもてることが正しい鑑賞の立場である。最初からダメだと思っていればダメである。そこで二日制というものがいかに重要か諸君にはわかるであろう。対局者は諸君等の応援を感じている。たとえそれがたった一人の応援でもそれが千倍に感じられる。それが二日制の醍醐味であろう。一日制ではそれが期待しにくい。そこで棋王戦では午後の対局を公開とするのである。


棋王戦前夜 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 1月31日(金)16時56分57秒

さて肩車した子供はオムツがまだとれない。ヨッシー夫人は毎月メリーズを買ってくる。中国製のオムツは吸収力が弱い。そこでメリーズとなる。ついでに間違えたフリしてLLサイズも買ってくる。
一方丸山はフンドシである。なぜフンドシかと言うと、周囲に「今度はフンドシを締めてかかれ」と激励されたからである。そこで丸山はフンドシを買いに行くがどこに売っているかわからない。通販にもない。そこで自分で作ってしまった。最初はハミチンの連続であった。これが明日披露される丸山ハミチンである。諸君等はマシュダ一家もついにここまで落ちたかと嘆いてはならない。週間将棋とはおよそこのような内容である。


竜王戦就位式で最前列のジジイが切れた場合 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 1月31日(金)16時43分06秒



囲碁界は演出がうまい。特にチクンは一流の役者である。囲碁棋士だけにしておくのはもったいない。
将棋界にもチクンがほしい。そこで今日は中華キャノンに登場してもらおう。
2005年竜王戦。ついに中華キャノンが人間に勝ってしまった。
竜王戦就位式で中華キャノンが壇上にのぼった瞬間、最前列に座った老人が罵声を浴びせる。
「貴様は中国製のロボットだ」
中華キャノンは最初茫然と立ちつくしていたが、やがて握れぬこぶしを握り締め体を震わせる。
そしてジジイを相手にこう言った。
「お爺様。ワタクチメの履いているオムツは日本製なのです」


森内と丸山の観賞法 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 1月31日(金)15時03分00秒

昨年の名人戦は史上最悪のドッチラケと諸君も言うであろうか?
ところが不思議なことに昨年のワールドカップのブラジルVSドイツの決勝戦には諸君等は熱狂したはずである。あれほど洗練されたチームは攻守ともにバランスが拮抗する。そこで先取した方が手堅く守備を固めて勝ちに行くというサッカーになる。森内と丸山はあのような戦いであった。
昨年の名人戦がしらけた理由は演出が悪かったためである。ドイツはブラジルに負けたが、カーンを好きになった者が圧倒的に多かった。彼は怪我を肉体で演出し、最後は茫然とゴールに座り込んでうなだれるという悲劇のヒーローを見事に演じ切った。丸山はどうか。あの名人戦史上最大のポカは燦然と輝く。もし将棋百年史のドキュメントが制作されたら真っ先にノミネートされるべき土壇場の逆転劇であった。あの丸山が思わず声を出したのである。
しかし周囲のバカどもが冷淡すぎた。羽生や米長のような蛇族が丸山をさんざんにこきおろし、加古まで丸ちゃんなどと呼んで子供扱いにした。これでは悲劇のヒーローではなく、イジメられたウナギイヌである。
森内の鑑賞方法も同様に蛇族によって歪められている。
森内と丸山は相停滞手に特徴がある。羽生は一昨日、丸山のマネをしたつもりであろうが中身は違う。丸山は個性であり、ヨッシーのは邪道である。後者は健全な相停滞ではなく、蛇の道への誘惑である。ところが蛇族は邪道が本家と言い張っているのである。


本日は畠山VS山崎 明日は棋王戦開幕 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 1月31日(金)14時27分49秒

王将戦 一次予選「畠山鎮VS山崎」が関西将棋会館で行なわれている。脇VS野月もある。
関西の棋士はこぞって勉強しに行くであろう。畠山鎮VS山崎は同部屋決戦である。山崎が勝つであろう。オッズは谷川に教えてもらいなさい。しかし阿部VS山崎ならわからない。このわからないということが最も重要なのである。ヨッシーと大山を一緒にしてはいけない。大山の双肩には全棋士の生活がかかっていた。ヨッシーの肩には肩車する子供がいるだけである。
そこでヨッシーはハンデを自分に強いるべきであった。つまり新しい作戦を提示するか、受けるかである。これは八百長ではない。心意気の問題である。それを一昨日のようなタコ将棋では二日目の朝にオッズが決まってしまう。ヨッシーは明日、挑戦者丸山と棋王戦である。王将戦を便秘したウンコのごとく固く勝ちに行った直後では丸山に浣腸される。これではまたもやクソまみれとなる。丸山は怖い。母ちゃんも怖い。このような時には、山崎をみることである。あの恥じらう顔でどうしてあんな勝負手が連発できるのか。