2002.2.24NHK杯準準決勝

羽生善治VS塚田泰明 横歩取り

無理攻め対無理攻め

マシュダ談2002.2.24


「羽生五冠の先手です」

「塚田もここらでじっくりやってもらわんと」

「横歩取りになりました」

「羽生は康光みたいに序盤では変ったことせんね」

「後手は中座飛車から51金まで黄金形です」

「お?羽生は38銀から46銀か。二人へのラブコールじゃね」

「49金のままですね」

「こりゃ塚田行くしかない」

「塚田九段32手めで86歩と行きました!」

「羽生35歩!うーん、危ないことするね」

「塚田九段65桂とやりました!三角帽子狙い?」

「ない。羽生が49金のままで35歩突いとる。むしろ塚田は飛車使いの達人」

「解説は高橋九段です」

「孫の手じゃね」

「かゆいところに手が届く?」

「名解説者。ワシ大好き」

「角交換から39/88歩ですが?高橋九段は普通は87歩と」

「それだとそれこそ44角の原始三角帽子喰らう。76飛の時に88歩も困る」

「王将戦第4局の佐藤九段の28歩と似てますね。76飛で歩損解消です」

「おお!羽生87角か!」

「82角とかではだめなんですかね」

「遅すぎ」

「でも一旦受けてなんか打ちたくなりますけど」

「藤井もそーゆうこと丸山に聞いとったね。郷田みたいに頭固いとまずそっちの筋の成立考えるかもしれんね。羽生は最初から緩手としか考えん。香車に最後に手をかけるのは最終盤という考え方」

「塚田九段相手だからでは?」

「それもアルアル。最新戦法教えろとね。羽生は本番で相手の研究吸い尽くす。塚田もこういう手やられるとムキムキじゃからね」

「42/25歩ですが?」

「ありゃ?頭に血が昇ってしもうた!75飛車でえーのに」

「高橋九段はそれだと66歩で桂馬が殺されると解説されてますけど」

「それだと76角打-48玉に15角からの王手飛車喰らう」

「塚田九段、46飛で銀と差し違えました!」

「そりゃヤリすぎじゃがなー!羽生の挑発まともに受けたか」

「以下58手までです」

「ほぼ必然」

「形勢判断は?」

「形勢判断もなにも羽生は大駒三枚あるから入玉で点数勝ち」

「将棋になりませんね」

「なにか見せてくれるかもしれんけど、顔見るしか楽しみないね」

「地味な56歩でした」

「そりゃ鬼」

「77玉でいよいよ入玉体勢万全です」

「なんじゃ塚田も42から33玉では羽生にお願いしてるようなもん」

「というと?」

「さっきは俺が飛車切ったから今度はお前も勝負形にしろとね。じゃなきゃ点数負けにしちゃうゾっと」

「高橋九段も91香を取れば入玉できると」

「感想戦なさそうか。もう消すか」

「77/45角と切りました!」

「ええぞ!そうやらんと!流石王者!」

「85手めですが形勢は?」

「羽生の桂得。龍作って万全。塚田が本気で相入玉目指せば引き分けのチャンスあるね」

「双方秒読みです」


以下攻めあい。119手にて羽生NHK杯選手権者勝ち。 無理攻め対無理攻め。