2002.2.10NHK杯

森内俊之VS谷川浩司

居飛車対陽動振り飛車

哀しい桂馬

マシュダ談 2002.2.10 up2002.2.11.08:30


「矢倉の出だしから5/77銀です」

「また昔の形に戻るんじゃね。66歩が大流行してまた77銀」

「先崎先生も77銀としますね」

「77銀を昔からずっと指してるのはヒフミン」

「37銀もそうでしたか」

「そっ。森下システム全盛期に37銀しか指さなかったのがヒフミン」

「それが今ではほとんど37銀に戻りましたものねー」

「流行に全く無関心なのがヒフミン」

「それで皆さんまた加藤先生流に戻るのは皮肉ですか」

「序盤にあれだけ時間を使った将棋は強靭ということ」

「紛れがないということですね」

「ん?谷川6/42銀じゃね。77銀見て矢倉じゃ森内に勝つ気せんのか」

「角換りはなぜしなかったと?」

「後手で先日手狙いはさすがにテレビで気が引ける」

「12/32飛車で谷川先生の陽動振り飛車となりました」

「これでも森内に勝てるとは思えんけど」

「谷川先生今日はなんとなくうつむき加減ですね」

「森内は貫禄ついた。全身に気力が漲っとる」

「19/68銀とまた下がりましたが一手損では?」

「谷川が飛車振った分だからえーの。いずれ飛車交換になる」

「84歩とついた分と考えられませんか?」

「それは後手が先行する分。そこは終盤の傷となるから作戦負けしたらおしまいじゃね。谷川は受けの矢倉より攻め合い将棋を選択したからこの傷はしゃーない」

「森内先生27/26銀と棒銀の攻めです!」

「いやねじり合いの誘い。その銀は動くと稲妻落としで飛車が狙われる」

「大長考7分で31/24歩と仕掛けました!」

「森内も突っ張るね。一歩損でも先攻したいと!」

「33/45歩でイケイケです」

「谷川33桂か。このふたりは面白い!」

「森内先生ここで35/44歩と一歩損を取り返しました。15銀の棒銀決行はなかったのですか?」

「ないね。稲妻落としのあとイカ銀にされちゃう」

「稲妻落としに37/18飛車です!解説の桐山先生は48飛車をご推奨でしたが」

「それじゃ歩で受かる。固くされた上に19角成が残り26銀がマヌケ」

「38/55歩」

「44歩が邪魔なんでそれぐらいじゃろ」

「41/54歩で銀取りです」

「飛車が使えない森内の唯一の主張。互いに角が主人公」

「42/42飛車で受けました!角切りないですか?」

「やって53銀とぶち込みたいけど26銀が遊び駒では勝てんね」

「森内先生43/48飛車で勝負にでました!」

「行け!谷川!」

「なんと44/46歩と受けました!」

「こりゃだめじゃ。イカ銀森内に使われて攻め合いでは84歩の傷残った分谷川むずかしいー。森内先手さえ取れる展開にすればイケルね」

「73/42飛車成?」

「森内なんで63成桂とせんのかね」

「76/65角の攻防手打たれました!」

「なるほど。このふたりは最後まで見せてくれる!」

以下激しい攻めあい。谷川桂馬二枚あっても83地点の傷が大きく使えない。

116/58金=潔い形作り

117/61銀が詰めよとなり123手で森内勝ち。

最後は自陣の桂馬も使って一枚残らず盤面の駒使用