2002.2.20&21 王将戦第4局

佐藤康光九段VS羽生善治王将

横歩取り

後編鬼ごっこの影踏み

影の筋を生んだ攻防角

分析 マシュダ&ファミリー 2002.2.22


70/36歩 冷たい死を拒否した唯一の手。「とにかく一歩くれ」

71/35香 当然とは言え厳しい

72/34銀引 お荷物の銀処理

73/同香 お荷物銀の顔がたった

75/23銀 羽生は覚悟の上。お荷物銀が香車になった分で鬼ごっこが延びる順に期待

75-78 必然

79/25龍 龍神凱旋。12龍なら23角で逆転だが期待する方がおかしい

80/64飛 ここしか攻める所がない。

81/75龍 佐藤はゆっくりいびり殺す順をあえて選んだが、これで局面は思わぬ影の筋を生む。佐藤はこの影を甘くみた。

82/74歩 唯一の攻め筋

83/86龍 歩を取って龍神篭り。後退手順は首尾一貫

84/66飛 喉から手が出るほど欲しかった一歩に飛びつく

85/67歩 当然

86/64角! 攻防の原始三角帽子。この角によって影の筋が浮上。羽生は角使いの名手。

87-90 必然の追いかけっこ

91/66金 敵に最後の塩を送る飛車取り。これ自体は緩手ではないが、影の緩手。龍神篭りからの首尾一貫はこの影を捉えることはできない

92/75歩 必然。二枚替えなら追いかけっこ続行

93/12成桂 攻防の角が打たれたためにこれぐらいしかない 

94/71香打 これで緩手をついた角打で局面がもつれていたことが顕在化。この局面からなら本気で鬼ごっこができる。91手めの66金に至る影の筋を顕在化した攻防の角打ちの特性は将棋特有のもの。もしこの角の機能相転化があれば逆転する。尻軽サタンの最後のお願いはこの尻尾の影。

95/74歩 取れば角打ちのいびり殺し

96/66飛 これしかない

97-98 必然

99/65桂 逃げた方が追いかけっこらしいとの首尾一貫の判断誤差で形勢差は縮まる。

100/74香 これしかない

101/11飛車 ここは受けたいが追いかけっこの反動

102/77金 これしかない。羽生は考える必要なし

103/46歩 頓死を避けた退路だが首尾一貫しない。追いかけっこが子供の喧嘩に

122/54歩で角は3方から4方への効きに一見逆行相転化したようだが、125手目22成桂で不発

129/34桂馬 ここで32金打はもちろん逆転される

141/35角成を角の機能相転化ペガサス殉死と評価すれば褒め殺しになる

151手にて佐藤勝ち。顔は赤鬼。角が主役の将棋

100手め以下をプロの死闘と思える人は幸せ。これをプロの醍醐味と喧伝するプロは興行師。それ以前に悪魔の影がなぜ生じたのかを説明してほしい。

ヒント=攻防の角打ちという3方に効き機能相転化が期待できる特性のおかげ。後手は飛車を何処かで犠牲にし、角の機能相転化を実現させる以外に勝ち目はなかったがその筋は皆無。むしろ最後は先手の角打ちが疑似相転化する将棋となった。

佐藤九段は28歩の原始三角帽子対策に安心しすぎて、追いかけっこを子供の喧嘩にしてしまう。

勝った子供が震える心理=理論で説得できると思って安心していたのに突然秒読みの殴りあいになってしまったから。この温度差が震える原因。羽生が震えないのは蛇族だから。

後編2002.2.23.AM5:30up