第51期王将戦第1局2002年1月16&17日

羽生善治王将VS佐藤康光九段

居飛車穴熊対三間飛車

アクロバットの極致&奇跡の天馬効果 

2002年1月18日6:00up

実況/分析 マシュダ&ファミリー

実況第一掲示板はこちら

実況第二掲示板はこちら


赤文字=加藤一二三九段の解説参考(2002.1.19NHK衛星放送囲碁将棋ジャーナルより)

 加藤一二三九段の解説は、相撲中継で15分に短縮された放送枠で、初手から暗譜で並べるという懇切丁寧かつ攻撃性に満ちた完壁な解説であった。如何にテンションの高い名人経験者の解説であったことか。その精神の真髄に我々は震撼する。我々は加藤一二三九段に驚き、最大の敬意を表しつつ、ここにその内容のエッセンスを赤文字で付記させていただきたい。 尚、加藤九段はこの王将戦に自ら5回挑戦し、中原誠王将から王将奪取1回、大山15世永世名人とは合計123局対局している。今尚A級在位の62歳であるが、その孤高の実力に相応しい挑発的な解説に我々は襟元を正した。(2002.1.19付記)


一日目2002年1月16日水曜日 実況は黒文字

以下標題左に手数を算用数字で表示。例:8手め=8/


立会人 丸田祐三 九段(第2期王将戦挑戦者 参照

振り駒は歩が三枚。一枚と金、一枚は立つ。羽生王将先手番に。

羽生王将、両手を膝に向かい合わせにし、盤と同じ高さまで深々とお辞儀。佐藤挑戦者45度の背筋から首だけ水平にお辞儀。

羽生王将、初手右指76歩。指を離す直前、中指でバウンドさせるように三回歩の表面を叩く。加藤一二三九段が話の合間にリズムをとるように三回頷く時の表情を想起。

8/なんと三間飛車です!   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 11:53:42 2002

「入れ歯外れた」

「羽生先生相手に初めてですね」

「ちゅーか自分で指すの初めてじゃろ。後手の二手め32金に対しては康光かーっと来て先手で二回くらい指してたと思う」

「飯野先生と豊川先生ですね」

「そういうことされると森下だって羽生相手に振った」

「今回は驚きですね」

「先が長いからねー。やりたいなら今のうち。気持ちはようわかる」

13/ 77角持久戦模様。私なら右辺から急戦。(加藤九段は、三間より四間の方に優秀性を認めているが、振り飛車に対しては棒銀しか指さない)


17/ 羽生穴熊にする?   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 11:57:46 2002

「56歩で長考のようでしたが」

「康光が早々に美濃にしてるからね。穴熊に組める」


18/ 佐藤先生52金は早くないですか? 投稿者:mashuda 投稿日:Wed Jan 16 12:00:26 2002

「三間ならフツーの手。82玉は形決めすぎ」

「でもどうせ美濃でしょ」

「羽生の穴熊を警戒しないとね」


19/ 57銀で昼食休憩のようですが   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 12:02:39 2002

「最強手。58金では手ぬるいとの判断」


棋譜に時間表示がない  投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 12:16:46 2002

「48分で72銀です」

「穴熊もあるからね。48分は長いな」

「羽生王将の57銀は27分です」

「それがまともな時間の使い方」

「最強手で?」

「手慣れしとるからね。康光が穴熊にしないんで急戦じゃろ」


おやつが写真で紹介されてますね   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 12:20:43 2002

「羽生王将はオレンジジュースにクッキー6枚です。佐藤九段は珈琲にキウイ6切れ、イチゴ3個、三分割したメロン一切れです」

「数字もええね」

 このような数字は奇数=先手勝ち、偶数=後手勝ちという縁起担ぎにも通じる。この書き込みの意図するところに気がついたのか、午後のおやつの報告は佐藤九段クッキー5切れと初めて数字が中継で紹介されている。翌日はキウイ2個分21切れと異常なまでの報告をされ、キウイまでもが奇数となった。これは先手番勝利祈願を意味する。主催側はその経済効果から当然羽生王将に勝ってもらいたい。優れた勝負師は象徴に敏感。棋士があらゆる事に縁起を担ぐのは周知である。 尚これほど克明にドキュメントが報道されながら、最も重要な終局時の残り時間が何処にも記されていないのは皮肉である。(2002.1.23付記)


20/ 64歩がさされました!   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 12:29:59 2002

「なんじゃ、長考しとったの?」

「てっきり食事かと」

「端歩もある。これで先手に手を渡した。手が広いとこじゃからね。幾らでも迷える。まだ後手は幾らでも手を渡せる。一筋が楽しみじゃね。羽生が指させてくれるかどーか」


「昼食休憩です。12時半から一時間」   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 12:58:53 2002

「腰掛け棒銀はなかったですかね?」

「羽生は三間に対して46歩からの腰掛け棒銀、たまーにやっとったね。56歩はふつー。選択肢が多い」

「昼食休憩です。12時半から一時間」

「おにぎりあっか?」


三日坊主の三間 ?  投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 13:19:40 2002

「難しい。康光わずかに作戦勝ちできればというとこ」

「正月に用意していた秘策かも」

「羽生は15年の年季入り。対三間で作戦負けはあったがほとんど盛り返してる。康光が、狙っているのは当然作戦勝ち。羽生の棋譜を徹底的に調べたはず。40局以上ある」

「D3を試したいのでは?」

「それは康光の権利。D1まではね」


昼食は共に松花堂弁当になめこと豆腐の赤だし   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 13:27:56 2002

「ぶりの照り焼き、炊き込み御飯、煮物などですね」

「ブリはええね。ワシも昨晩ソレ。サザエは食わん方がええぞ」


さっそく二枚舌   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 13:32:04 2002

羽生王将への昼間のインタビューあり。持久戦にして穴熊に囲えるかどうかというような答え。

「よう言うよ。聞く方も聞く方じゃけど。ここまで言ったからにはD2までは付き合えっちゅーの」


20/ まだ指しておらんね   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 13:40:13 2002

自分で持久戦模様といっといて


20/ 36歩やりたいんか?はよー指せ!   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 13:45:53 2002

まだ考えておるんか?


20/ 昼食休憩いれたらもう一時間以上です   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 13:49:15 2002 「作戦をここで決める気か?」
20/ 長考です。40分になります   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 14:06:38 2002

「羽生恐るべき時間配分。先に58金ではなく57銀とした手に意味を与えようとしとる!」


20/ この後手三間、最近余り指されていません   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 14:16:59 2002

「受け身一方じゃからね。穴熊にされやすい。それで以前は三間で自分が穴熊にする方が多かった。ところが康光はすぐに美濃にしたじゃろ。もっと古い将棋を指しておるから羽生がここで考えとる」


20/ まさか55角?   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 14:26:03 2002

「やるはずないがな。二日もたん」


20/ 煙草買ってきまーす   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 14:27:06 2002

いつものねー


20/ わかば売り切れでしたー   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 14:37:33 2002

「かわりにゴールデンバット買ってきました」

「あんがとねー」

「まだ羽生王将指していませんねー。もう70分です」

「サザエで糞詰まりじゃね。康光の先日手狙いを避ける筋まで考えとる」


21-26/ なんか6手も一挙にUP進んでいます!   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 14:42:12 2002

「アップがいいかげんですねー」

「囲碁でも指しておったんじゃろ」

「やっぱ19香でした。やりいー」

「康光54歩?」

「D3固めですね」

「80分はどういう配分?」

「わかりまシェーン」


21-26/ ええかげんな中継じゃねー   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 14:57:04 2002

「羽生王将、再開後13:33に9八香を指したようです。休憩をはさみ、26分でした」

「ええかげんな中継じゃねー。観戦する気おこらんがな」

「一時間遅れですね。竜王戦と比較になりませんか?」


21-26/ 簡単に穴熊でしたね   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 15:00:07 2002

「なんで康光54歩かねえ。コバケンなら54銀。これでは先日手以外勝負しよーもない」


21-26/ なんか見る気せん   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 15:09:18 2002

「序盤戦の醍醐味も肩透かし」

「せっかく写真付でおやつや食事まで紹介して戴いたのに残念ですね」

「1手づつ中継していただかんとね。まとめて6手では実況とはいえん」

「携帯速報の関係でしょうか?」


26/ 後手から仕掛ける筋は?   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 15:24:44 2002

「59金の時角交換する筋のこと?もう羽生の言った通り駒組合戦しかない」

「後手が穴熊に組む順は?」

「幾らでも組める」

「それでも佐藤先生勝てないと?」

「先日手はできる」


26/ 佐藤先生石田流に組めますか?   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 15:31:25 2002

53銀だからむり


26/ 佐藤陣は飯田弘之が得意にしてた形   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 15:36:29 2002

「羽生は四段時代これと全く同型を飯田弘之四段と先後逆で指しておるね」


26/ 106手で羽生四段の穴熊完勝でした   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 15:41:44 2002

「佐藤桂馬跳ねて68角に65歩と位を取るかじゃね」


26/ 飯田弘之六段は今フリークラスですね   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 15:44:15 2002

「大内門下じゃったね」


26/ もう一時間指し手がアップされていません   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 15:49:01 2002

「もう佐藤先生、1局めはどーせおとしますね?」

「ええじゃろ。また続けて横歩取りでは飽きるんとちゃう?好きに指したらええんよ」

「何事も経験ですね」


26/ 飯塚VS羽生   投稿者:mashuda   投稿日:Wed Jan 16 15:59:20 2002

「1987年12月1日竜王戦4組でした」

「指し手まだかねー」

「26手め74歩で動きません」

「じゃあねー。今日はこれまで」


掲示板移動しました

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>02時29分)

どーんとまとめて初日後半

27/「羽生王将36歩と敵の飛車先に対抗です!稲妻落としの挑発?」

「アホ。イン金のままジャ。59-45で玉は寒空に放り出される。逆に51-73からの後手の稲妻落としを喰らう。対三間ではむしろこれを早めに突くのが常識。羽生は穴熊選択しおったからここまでズレコンだだけ」

「羽生先生いきなり35歩の仕掛けで棒銀は?49金ですから飛車成りもありませんしー」

「二日制でそんなことせん。まだ駒組。36歩は康光に作戦勝ちをさせないというフツーの手。この手に至るまでの順番がむしろ重要。康光が温泉気分でノホホンと構えたもんじゃからねー。36歩は後手に戦形決定を強いる魔手として読みたい。康光はここで迷うはずと羽生は知っとる。36歩の瞬間、盤面は最高度の緊迫」


「おやつです」

「ん?なんじゃ午後のおやつも写真ででておるんか?」

「羽生先生ショートケーキに絞りたてグレープフルーツです。出されたらすぐパックンです」

「糖分は重要。緊張を最も和らげ平静を取り戻す。長帳場では体重が2キロ減るからね」

「佐藤先生はパイナップル、マンゴ、ミカン、クッキー5個にヒーコ」

「いかんね。慣れない戦型ではカフェインでますます脳が緊張して迷う」

「羽生先生=手作りクッキー6個、佐藤先生=5個は差別待遇でしょうか?」

「誰か一個ガメたんじゃろ」


28/「94歩で当たり前の手のようですが?」

28-30/「迷った末にこーなるか。残ったのは穴熊放棄の意思表示と迷いだけ。二日制なら羽生の作戦勝ち決定。これで愛穴は消える。すると53銀は64歩とついて活用する以外ない。これで後手は3手確実に羽生に読まれる。この三手で駒組を完成させる計算となる。95歩と突かせて先手も維持できる周到さ」


31/「59金とせずに59-37角の稲妻落としはなかったですか?」

「全然だーめ。康光端歩突き越してあるから校庭に落ちるだけ。49金がおいてけぼりのいじめられっ子になる」

「58金では?」

「そんな手ない。穴熊に組めばこの金は大地を這う蛇族にされる。アマも昔からみーんなこれに習う」


32/「佐藤先生そこでチャンスとばかりに73桂馬と角銀両取りです!」

「促された桂跳ねだっちゅーの。悪く言えばムキになった小学生の跳び箱じゃがな」

33/「でも68角しかないですから59角と後で稲妻落としを狙った場合確実に一手損ですよね?」

「95歩の分があるじゃろ。そーゆー角はイチジク浣腸と呼ぶ」

「はあ?」

「羽生はでないサザエウンコ無理してださんでも先手じゃからね」


34/「佐藤先生やっぱり65歩で突っ張りましたね」

「65歩64銀はワンカップ大関。それ以外は53銀がサザエさん」


35/「69金で封じ手です」

「羽生負けなしの布陣」

「佐藤先生がマイナスD2型の新種の藤井システムだったとすれば?」

「そのテーマの先駆になるかどうか。康光は多忙過ぎて可能性は奇跡に近い」

「愛穴放棄は大穴狙いですね」

「これで康光勝ったら王将間違いなく取れる。そんな大穴あっか?」

「後手番なら負けても痛くないのでは?」

「先日手の筋を楽しみたい」


二日目 2002年1月17日木曜日

羽生王将はなんで穴熊にしたんですか?

「五段時代に若獅子戦で中田巧にこてんぱんにされた。桂頭狙いを62金で受け、飛車廻りの時玉頭戦では羽生一手負け。結局必敗将棋を大逆転したが、スペシャリストには勝てないと思いしらされたんじゃね。二年後羽生は棋王になった時中田相手の時に穴熊を選択して快勝しとる。そりゃ味しめるがな」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>14時12分)


91年10月王位戦ですね

「10年前か。中田は結局羽生に勝てなかったが三間の新境地を開拓した功績は大きい」

「穴熊で対抗するのは後ろ向きでは?」

「相手の研究に追いつく時間がないんじゃろ」

「でも今回は佐藤先生、三間のスペシャリストではありませんが」

「一度しめた味は忘れ難いのが人間。ナカータ相手の美味の余韻」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>14時28分)


36/佐藤先生封じ手は81玉でした。普通の感覚なら82玉

(ここで加藤九段、81玉の先に63金と動かしているが、それがヒフミン感覚か?)

「玉頭戦の怖さを知っとるからね。康光らしい。74に銀ブチ込まれた時、攻めあいできる」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>14時35分)

論点1/92飛車転回の第一布石と玉頭戦緩和の一石二鳥。これが果してシステムとして定着可能か?

おやつの写真びっくりですねー

「どれ?」

「キウイの数21まで克明に報告してますけど。意地張ってるみたいです」

「素晴らしい!写真を載せるのはええねー。この中継見直したがな」

「できれば昨晩の夕食もUPして戴きたいですね」

「贅沢はいかん。しかし素晴らしい!羽生のクッキーは今日は5枚か」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>14時43分)

39/46銀 ここらから戦い


44/ 佐藤先生51角に1時間45分の大長考でした。 42角との比較

「当然の一手。その先を読む大長考。一手争いになるかとね」

「キウイ一枚ずつ食べながら?」

「で何枚食べたんじゃい?」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>14時50分)


長考中に昼食が入ってます

「羽生王将ヤキソバに佐藤九段うどんです。写真付きです」

「うまそーじゃねー」

「タイトル戦っていいですね」

「そのうちスポーツ選手のように栄養士も必要になるじゃろ」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>14時56分)


45-50/ 50手め76歩までUPが一挙に進んでます!

「康光右辺放棄して6筋に飛車回る作戦じゃね」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>15時06分)

論点2/41-50手めまででなぜ佐藤九段は指しやすくなったか?

47/57角 戦いが始まった上で互角(加藤九段は先手の勝負手を具体的に想定して、この解説に臨んでいた)


51/ それで羽生王将35銀でなく38飛と?

「そっ。棒銀やるとタコ銀にされちゃう」

52/85桂馬 先手へのプレッシャーという対局者共通のコメント紹介

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>15時09分)


53/ 羽生王将53手め48角です

「康光の歩切れをついて57銀-37角の稲妻落とし。王手で落雷して飛車を抜く筋」

「稲妻落としに5手かけたことに?」

「王手で落ちるからノコギリ引きの殺人ビームじゃね」

77-68-57-48-37の角のジグザグ転移のこと

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>15時22分)


54-55/ 73銀26角!

「いよいよ展開部。互いに64と44歩が今無防備で康光の手番。羽生は飛車をなんとか入手したくて攻め急いでいる」

羽生は佐藤が攻めあいにでると睨んだ心理読み。だが佐藤九段は66銀の突撃が無理と冷静に判断しD1を長考で選択することになる。

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>15時56分)


55での佐藤九段の長考中の回想

50/ 佐藤先生うまく76歩を押さえましたね

「51角の長考での読み筋成功じゃね。あの10手は中盤の醍醐味。羽生のノコギリ角がボロボロにされた。ここで康光の手番は大きい」

77-68-57-48-37の角のジグザグ転移が77-68-57-48-26に転化した。

「ところでタコ銀という言葉ないですけど」

「康光昼にうどんだったね?」

「イカのてんぷら付きでした」

「イカ銀と命名しよう」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>16時04分)


飛車入手は無理そうですね

54/「康光の73銀の強手で22の飛車がスケスケじゃからね。風通しのいいノーパン娘となった」

「代わりに51角は隠居ジジイにされたんですぅー」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>16時11分)


56/ 康光53金

「展開部のD1。羽生35銀なら攻めあい。57銀なら康光の歩切れいじめ」

35銀-62角-24歩の攻めあいもあったか(加藤九段ならそうしたはず)

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>16時17分)


形勢は?

「中盤の康光大作戦が功を奏し形勢不明。羽生7筋の歩マジックをどこで出すかじゃね」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>16時24分)


33歩成の強襲は?

「それは怖い」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>16時31分)


展開部からの受けははっきり駄目?

「穴熊の固さが圧倒的」

「いじめ作戦やりますかね?」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>16時39分)


57/ 57銀のいじめでした

「イカ銀サゲ!」

「サゲマンイカ」

羽生は佐藤の受けに乗じてD2を選択。香車も取られていないのに佐藤の飛車が9筋に大転回する筋が余りに脅威と映った。

57銀は微妙

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>16時42分)


58/ 74銀です!

「凄まじい。隠居ジジイへの涙ぐましい配慮」

閉塞した51角の筋を通すが玉から遠ざかる強手!

「裸の王様です!」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>16時45分)


55回想/ 64-44が浮いていた時が勝負所でしたか?

「そこが展開部突入時の喫水線。康光はおもらしするの怖くてぐっとこらえた」

「それで羽生先生いじめちゃったんですね」D2選択のこと

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>17時04分)


59/ いびり殺す飛車浮きです 

ここで羽生はD3を選択し敗因1となる。大駒交換を狙うべきだった。

60/「佐藤先生香車あげました!」

「アクロバットの極致。四段目以下は歩以外全て離れ駒となった!」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>17時17分)


61/ 37角6回目の屈折でついに殺人ビーム照射完了です

この放射砲はすでに錆びていて作動不可。佐藤飛車の9筋への大転回が約束され、3筋の攻めが間に合わない。

「金ですか、玉ですか?」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>17時24分)


真部流じゃね

「は?」

「その殺人ビームとかゆーSFっぽいの」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>17時29分)


63/ 王将は68銀の建て直しにかかりました

羽生には有効な手がない。

「かたやバラック小屋、かたや豪邸の建て直しです」

「うまくなったね」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>17時33分)


そのSF名はいかんね

「殺人ビームですか?」

「稲妻落とし6としろ」

「3から6までですね」

「おやつの数」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>17時36分)


昨日のおやつですね

「確かにイチゴ3にキウイ6でした。大磯プリンスホテル・滄浪閣の謀略でしょうか?」

「行ってみたい。そして見てみたい」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>17時45分)

63金に対して26角のカンナ削りは先日手。しかし有効な手が依然ない羽生は穴熊の姿焼を避けるために67金とした。


67/王将はまた飛車を35にひとつ浮いて浮輪で遊んでいます

「じゃぶじゃぶで銀あてです」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>17時49分)

先手歩を渡すと端攻めがきつい(ので仕掛られない)


68/ 奇跡です!佐藤陣営がすべてくっつきました!

「信じられん!隠居ジジイまででてきたワイ!」

69/「羽生王将いじめすぎて今度はヒルんでます」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>17時59分)


Serisawa様の投稿

▲35飛車は

いくらなんでも、と思いました。 9筋から佐藤いくんじゃないですか。佐藤のカミカゼ特攻は好きなので、見せてほしいなぁ。

Name : T. Serisawa Time : (2002年1月17日<木>18時05分)


36飛がなめすぎだったしょうか?

「温泉でおしっこ?」

「今バタバタすすんだとこ再現してみろ!変だぞ」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>18時06分)


セリちゃん、おったの?

ぶったまげたねー!しばらく見んうちにまさかのトサカ

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>18時09分)


Serisawa様の投稿

69/ 78金は

羽生の89の桂馬動いたとき、横に逃げ道つくって寄り筋なくすつもりの手ですか。ここで、佐藤時間使いきりそうですね。

Name : T. Serisawa Time : (2002年1月17日<木>18時14分)


69/ 残 り時間羽生王将19分、佐藤九段22分です!

「康光いじめにじっとこらえて爆発するぞ!」

「一手争いの終盤ですね」

「先日手もある。時間がないから勝負じゃろ」

佐藤九段、便所への往復、70メートルの廊下を和服姿で走る!羽生王将は小走り。

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>18時14分)


70-76/ 一挙に進みました!角交換です!

70/84歩!この不思議な歩突き。これこそが本局の白眉。114/83桂馬を打つ為の空間となる。つまり佐藤九段はこの手に全ての収束を賭けた。

71/ 46角と錆びた放射砲がグリっと動いた瞬間=敗因2

72/ 64角!佐藤一瞬の隙を逃さずに角交換を挑む! どちらにもチャンスある局面

73/ 同角。敗因3。33歩成とすべきだった。これで佐藤の勝ち確定。羽生は天馬効果を見落とした。

76/ とどめの角打

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>18時21分)


77-83/ またも6手一挙に進行です!

82/71歩の金底の歩。まだどちらにもチャンスある局面か

加藤九段のこの指摘は、先手はもっと終盤で勝負手を連発できたはずと言う気迫ある追求心に充ちている。

「77銀までです」

83/77銀は77桂という手は?あえて端を攻めさせて飛車を取る変化。

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>18時31分)


84-88 5手進みました

85/「86銀と逃げましたね。ゴンで馬筋効きますけど」

85/86銀 ここでは21龍あるいは52角は?

87/21龍 次に75香なら76桂と受ける為の桂取り。やや苦戦だがここで52角の勝負手は?

88/94香打 佐藤、すでに9筋に飛車香香と三段に構え桂馬が入ればすでに即詰みがあると見切っている。19の馬が最後に詰みに関わる天馬効果。天空を翔けるペガサスが玉筋を貫く。

94香打が明暗を分けた。

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>18時33分)


残り時間羽生王将12分、佐藤九段9分!

88/「羽生王将の手番です!」

「康光の田楽三段てんこもりド迫力じゃね」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>18時37分)


92/ 桂馬には桂馬でした!

「シンメトリカル・サザンクロス喰らったらたまらん」 (対称南十字星=桂馬が見合う形)

「61角で食いつきました!」93/86桂という最後の勝負手は?

加藤九段鋭い指摘のこの86桂打という最後の勝負手は、確かに羽生も知悉している桂馬がハスに並ぶV2固めのはず。羽生はここでも天馬効果を見落としていたのか?それとも長手数の詰み筋に時間がない佐藤のミスを期待していたのか? 或いは桂馬を打ってもじり貧で棋譜を汚すだけと思ったのか?加藤九段のこの挑発的な指摘は正に名人経験者に相応しい気迫。

「端攻め間に合わんかね」

マシュダの口三味線。61角は形作り。先手受けるすべがない。

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>18時43分)


94/ それでも端攻め決行です!

(穴熊で駒が埋まっているので)私を含め駒を動かしてみないと一目でわからない局面なのでここは丁寧に。

加藤九段の解説する別の変化

94/ 96歩-同歩-同銀-同香-97歩-98歩-同玉-97香成-同桂-同香成-同銀-同飛成-同玉-85桂-96玉-95歩-同玉-91香-94歩-同香-同玉-83銀-95玉-94歩-86玉-65銀-同玉-64馬-76玉-75銀/124手まで(途中桂合いでも82桂で同じ。やはり91の馬が最後に活躍する)

上記の変化に対して羽生は96歩-85桂とした

95/「羽生王将、銀を食い千切りました!」

96/佐藤のシンメトリカル・サザンクロスの返し業炸裂

97/「手抜きできんのが痛い」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>18時45分)


98-106/ 端攻めの猛攻です!

「凄まじい迫力!」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>18時52分)


107/ 88玉です!

「康光!」

マシュダすでに興奮状態。手元さえ間違わなければ即詰み。

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>18時57分)


108-110/ 飛車切って桂打!

「最後の猛攻です!」中継にはまだUPされていないが必然変化。

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>18時59分)


118/ 奇跡!康光見事!

「凄まじい寄せ!」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>19時03分)

118手にて後手佐藤康光九段、羽生善治王将に先勝

投了図以下は126手め84馬まで

感想戦直前の光景。勝った佐藤、表情にせわしない動き。羽生、表情なし。両者笑顔なし。


Serisawa様の投稿

実況よかった。

ありがとうございました。

Name : T. Serisawa Time : (2002年1月17日<木>19時04分)


ヤスミツー!

「おい!祭りの準備!」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>19時04分)


これで王将奪取決定!

「康光ようやった!ワシャ涙とまらんがなー!」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>19時06分)


祭りだ!

「酒かってこーい!今夜は大判振るまいジャイ!」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>19時09分)


セリちゃん、わしゃもう涙とまらん!

観戦一緒にあんがとねー

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>19時12分)


中継の皆様ありがとー!

「素晴らしい中継!」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>19時14分)


康光!康光!康光!

まだ興奮おさまらん!

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>19時16分)


羽生王将無念!

「いじめすぎジャイ!」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>19時19分)


統括を

「アホ!それより祝杯じゃ!」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>19時20分)


あの裸の玉が墓場から蘇った!

「骨に肉が付き、奇跡の復活再生!」

「バラック小屋が金持ちに勝ったんですぅー」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>19時24分)


終局は18:58 でした

「118手目で羽生王将、頭を下げ投了でした」

「玉が見合って見事な投了図」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>19時30分)


佐藤先生の写真がUPされました!

「終局直後の写真です!」

「康光ー!」

「素晴らしいスタッフですね」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>19時32分)


祝いを送れ!

「肩もみ券何枚にします?」

「100枚用意しろ!」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>19時34分)


酒がうまい!

「年越せてよかったー」

「素晴らしい中継をありがとうございました!」

Name : マシュダ Time : (2002年1月17日<木>19時57分)


Serisawa様の投稿

滄浪閣の戦い

正直言って、金持ち商人の勝ちと思ってずっとみてましたが、バラバラの義勇兵たちを9筋に集結させて、見事に緒戦を制しました。こういう将棋もいいですなぁ。

Name : T. Serisawa Time : (2002年1月18日<金>00時39分)


 勝因分析

 果たして佐藤九段の斬新な三段雀刺しは可能であったのだろうか?

 この一局は上記論点の解決がない以上、対居飛車穴熊への佐藤スペシャルと呼ぶことは時期尚早。我々はむしろこの雀刺しよりも、この原始的な戦法を可能たらしめた19の馬に着目。この馬が香を取りつつ、最後には詰みに不可欠な存在となった。この19の馬を天馬にした佐藤九段の鬼のような勝負勘と驚異的な寄せの構図に我々は脱帽する。我々はこれを天馬効果と名付けた。2002.01.18.06.00

加藤一二三九段の飽くなき探求心に圧倒された我々は、その鋭い切り口をここに絶大なる敬意をもって赤文字にて追加刻印。2002.01.19