2002年1月13日放映NHK杯
佐藤秀司VS谷川浩司
横歩取り
鮮やかなサザンクロス
2002年1月13日実況マシュダ談
「谷川指す仕草は、いつ見ても駒に吸いつく風格美がある。背筋が変わったかね」
「横歩取りです。双方1分半消費で33角です。佐藤先生は38金型」
「秀司は26飛とせずに少考で58玉か。谷川少考で62銀ではなく51金で骨格決まった」
「84飛車ですね」
「先手36飛のままじゃからね」
「佐藤先生56飛車から66角でした」
「秀司も頭かたいねー。谷川受け身の82飛車」
「解説の福崎先生相変わらずですが」
「アホ通り越しておるな」
「また谷川先生のこと光速流って言っていますが」
「一生背負う十字架。福崎みたいな悪魔が永遠に誘惑する」
「谷川先生54角です。福崎先生は意外な手と解説されました。なかなか打てない手と」
「どこが意外?原始三角帽子。ふつーの手じゃがな。36飛-54角-82飛と87-54角-82飛の三角形。芸なさすぎが意外じゃけど」
「二筋もねらっていませんか?」
「それは幻想地点。82飛ならない」
「それで56飛と逃げたんですね」
「谷川65角?カンナ削りやる気か?」
「先日手狙いですか?佐藤先生36飛ですが」
「当たり前じゃがな。先手が単純すぎるんで谷川は押さえ込み狙い。良く言えば82飛車から一貫。悪く言えば三角帽子がぐちゃぐちゃ。正確に言えば85飛戦法とは違うマニエリズム。中原の本質もそれ。秀司は突っ張ることせんね。もっと怒らんといかん。いくら中原の弟子とは言え」
「佐藤先生28飛から48銀としましたが」
「危険。幻想地点が蜃気楼から浮上する」
「形勢互角との解説ですが」
「谷川押さえ込み成功寸前。54角の価値が64角に対して大きい」
「残り佐藤先生4分VS谷川先生9分です」
「50手め66歩の突き出しです」
「これでぐちゃぐちゃ帽子がまた広がった。谷川64銀で優勢」
「かなり凝った手順ですね」
「秀司の攻めが直線的、しかもまともに受けすぎ」
「42金が永世名人の手で解説不可能とのことですが」
「秀司受けすぎて手がないからコケにした手。攻めさせて自滅させる。羽生は昔からこういう手指す。秀司には8筋に歩を打つ意外有効な手がない。歩損になる手しかないんじゃね」
「それで37桂馬ですか」
「攻めるならそれしかない」
「56歩が佐藤先生らしい手だと解説で絶賛していますが」
「アホ。それ以外は67銀成で終わっとる。桂馬は34に打つのに残したいからね」
「谷川先生63桂です!」
「中原の境地に近いな。75桂と跳んで67の地点が受けにくい」
「それでも79桂馬と受けました!」
「死んでも打てない桂馬」
「でも打ちましたよ!」
「破門されても仕方ないような桂馬じゃね」
「79と金でいい勝負だとのことですが?」
「どこが?秀司34桂馬のフンドシ以外ない。それで桂金交換で、54桂-46桂が連動した谷川絶好の南十字星、サザンクロスが決まる。王手飛車で終わるがな」
「57金が最後の勝負手とのことですが?」
「29飛に相駒打って秀司に手はない」
「谷川先生龍を切りました!光速ですか!」
「ふつーの寄せ」
「谷川先生快勝譜ですね!佐藤秀司先生、前回丸山名人下したのに残念です」
「秀司の矢倉なら熱戦期待できたはず。谷川が受けなかった。谷川相手に角換りはせんだろうから、横歩取りも仕方ないんじゃろ。36飛型は妥当線」
「変化が少ない?」
「短時間勝負で一発狙いがしやすい。だから谷川は徹底して腰を落とした。次は森内と決戦か」
「中村先生が森内先生に負けたらですが」