将棋のルールは変わる アホトーシス
(2002年1月1日<火>04時21分)
「将棋は玉が詰まされると負けるゲーム。ところが玉が詰むというのは、自分で判断して相手に投了を告げなければならない。もし相手が投了しなかった場合、この勝負のルールは変わる」
「どういうことです?」
「玉をとることによって勝ちになるというルールになる」
「そんなことがあるんですか?」
「もし相手が目前にいれば詰みを伝えれば済むが、もしPC上で対戦していて、相手が投了しなかった時に、自分が時間切れで負ける可能性がでてくる。そこで相手の玉を取るしか唯一の手段がないということになってしまう」
「最初からそういうルールにすればよかったのに」
「相手の玉をつまんで駒台に置くこと自体が無意味な行為として忌み嫌われた。他の駒は取れば自分の持ち駒として味方になるが、相手の王様は取っても再利用できない」
「相手が降参すればそれでゲームセットですものね」
「ところが降参しない相手は手に負えない。なかには王様が行けない升目に飛び込んでくる自殺行為もある」
「アポトーシスをもじってアホトーシスと呼びますかね」
「採用。アホトーシスは将棋を指してはいけないんだが、たまにうっかりということもある。だがこのうっかりのために、本来のルールを変えることを潔しとしないんだな。将棋というゲームは」
「あくまで投了なんですね」
「投了しない場合には、玉を取る。だが、これはすでに将棋ではない。内側の世界としては勝ち点を確実にゲットするための行為。PC上ではそれが必須ルールとなる」
「将棋は勝ち点をあげるのが目的ではないんですか?」
「内側の世界では勝ち負けはあくまでも結果で、将棋の醍醐味とは無縁。勝負がつく理由は別にある」
「賭け将棋ですか?」
「いや、それも内側の世界。玉を取るという行為を、霊魂不死と自由意志という項目で検証してみる」