- 第1回 -浮力-
- 第2回 -水圧-1-
- 第3回 -水圧-2-
- 第4回 -水の抵抗-
- 第5回 -水温-
第1回 -浮力-
水には「浮力」というものがあります。
人間の体の比重はおおよそ、0.97から1.05くらいです。
(個人差がありますので、あくまでも平均値としてです)
ですから、水に入って体の力を抜くと、この浮力のために、
人の体は浮きます。なにもしない状態では浮かぶわけです。
水中で運動を行う場合はこの浮力をうまく利用することにより、
運動効果を高めることができます。
具体的には、膝に痛みがある方の場合、
水中では膝に体重という負担をかけずに、歩くことができるので、
水中運動を行うことにより、膝の筋力を強化できます。
第2回 -水圧-1-
水には「水圧」というものがあります。
一般的な体型の人が水中にいた場合、体に受ける水圧はおよそ1300キロ程度になるといわれています。
(個人差があります。)
水圧は水中にある各部位に影響をあたえます。
例えばお腹の場合は、腹部が水圧の影響をうけるので、自然と複式呼吸が行われます。
そのため、陸上と異なり、深い呼吸が繰り返されて、水中で呼吸するだけで、エクササイズ効果が生まれます。
具体的には、水中で呼吸をすることにより、呼吸筋が強化されます。
ただし、からだ全体すくなくとも胸まで水中に入っていることが必要です。
腿または、腰くらいの水位の場合はこの効果は期待できません。
第3回 -水圧-2-
前回は「水圧」についてお話しました。
今回も引き続き「水圧」についてお話したいと思います。
水圧は深くなるほど、圧力を増します。
水面に近い所よりもプールの底の方が圧力は高くなります。
プール内で立った時、一番強く水圧を受けるのが足です。
心臓から送り出された血液は、血管を通って体全体に行き渡ります。
体に行き渡った血液は、筋肉の収縮の助けをかりて心臓に戻ります。
このとき、水中で水圧の影響を受けた足は、外部から圧力を加えられる形となり、
心臓へ血液が戻りやすくなります。
具体的には、水の中で立っているだけでも、水圧の影響で心臓に血液が戻りやすくなります。
また外部から、圧力がかかるので、むくみが軽減されます。
第4回 -水の抵抗-
今回は「水の抵抗」についてお話します。
陸上出運動する場合と水中で運動する場合とでは、体に感じる抵抗感が違います。
陸上で腕を回した場合、自分の望む早さで腕を回すことができます。
しかし、水中では水の抵抗があり、思うほど早くは回すことはできません。
この水の抵抗が水中運動をする場合、程よい負荷になるわけです。
この負荷のよいところは個人個人が自分の体力に合わせて、無理なく運動負荷を調節できることです。
同じ運動を行う場合でも、早く行えば抵抗力が高まり、負荷は増大します。
ゆっくり行えば、抵抗力は低く抑えられ、負荷をかけずに運動を行えます。
その日、その日で自分の体調に合わせて、運動を加減できます。
具体的な運動の仕方としては、
・負荷を増大して運動効果を高めたいときは、今までよりも早く動いてください。
・また水に対して常に正対してください。
・逆に負荷を少なくしたい時は、ゆっくり動いてください。
・また水を流すように、体を斜めにしてください。
・そして、水は水面から遠ざかるほど、水圧がかかり抵抗が増します。
水深の浅いところ、または水面近くで運動を行ってください。
第5回 -水温-
今回は「水温」についてお話します。
水中では陸上に比べてかなりの早さで体温が奪われます。というのも水は空気に比べて20倍の早さで熱を伝える性質があるからです。
私たちの体は、水中に立っているだけで、体温を下げまいとして、体内のエネルギー生産を活発にするのです。つまり、水中にいるだけで、エネルギーの消費が行われるのです。
具体的には 体が重くて、思うように運動ができない方の場合、水中で行う運動は、少量の運動でもエネルギーの消費が効率よく行われる点で陸上の運動よりも効果的だといえます。