夏が来た

どこに来た?

あっ


「なぁ、あれがそうなのか?」
「そうよ」
「お姉ちゃん、あれが夏なの?」
「そうよ。あぁ、あんた初めてだったわね夏がやってくるのを見るのは」
「ふーんオレも初めてだよ。つーかこの地方の夏ってあんな形してるのか?」
「そうよ。あんたも物知らない奴だね」
「つーか普通知らねぇよ!・・でもまぁあれだな、わるいもんじゃないな」
「そうよ。この土地の人間でもめったに見られないんだからね、よく目に焼きつけときな」
「ん、長生きはしてみるもんだな」
「そうね。まだまだ見るべきものはたくさんあるわ、簡単にゃ死ねないよ」
「わたしもーわたしもーいっぱい見るの〜〜いっぱいーー!!」
「ん、そうね。いっぱい見なくっちゃね」
「しかしなんだなぁ、夏がこんなだとは知らない奴いっぱいいるだろうなぁ。。。」

そうして2人と一匹はしばらく夏を眺めたあと海に向かって歩き始めた。
太陽が燦々と照りつけ
青い空はどこまでも
どこかで蝉の声が聞こえる







わーむほーる