徘徊少女

夜にしか見えないもの

雑踏の音が少し小さくなる路地の奥まった場所であっても

そこにも確実に何かがいる

あなたは気が付かないかもしれない

それを感じるのは不安定な心を持つ少女の気のせいなのかもしれない

それでもそれを感じることによって

少女は天使にも悪魔にも成りうるのだ

町の強い強い光りが造り出す

暗い暗い、そして底の無い闇

そこにたしかに生きずくモノ

それは一体何なのか?

それを知る術は僕にはもうない

君はそれを見たのかい?

少女は一瞬僕を見たが

何も言わず

プイッと背を向けると

歩き出した

暗い暗い闇の向こうへと

わーむほーる