余計なモノがついた「世界名作劇場」


世界名作劇場1
世界名作劇場2
世界名作劇場3
世界名作劇場4
世界名作劇場5
世界名作劇場6


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■世界名作劇場1

「ロミオとジュリエットと三匹の子豚」

「あぁロミオ、あなたはどうしてロミオなの‥‥」
「おぉジュリエット、君はどうしてジュリエットなのか‥‥」
「ブーブー」
「ブーブー」
「ブーブブー」


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■世界名作劇場2

アリとキリギリスとオオアリクイ

「だから言ったでしょうキリギリスさん
 あなたは暖かい内にちぃっとも働かなかった
 だからそういう目にあうのですよ」

「すいませんすいませんアリさん、なんでもします、
 なので少しの食料を分けてはくれませんか?」

「ダメです。働かざるもの食うべからずです。
 ‥‥だけれどもそれではあんまりだ。
 いいでしょうキリギリスさん今回だけは‥‥はっ!!」

キャーーー!!
出たぞーー!!
オオアリクイが出たぞーー!!

「アリ、ウマソウ」

オオアリクイはアリを食べてしまいました。

キリギリスは思いました。
「ヤッタ!これでアリの蓄えた食料は全部が全部オレ様のモノ!」

「キリギリス、ウマソウ」

オオアリクイはキリギリスも食べてしまいました。

お腹がいっぱいになったオオアリクイは
とても満足しましたとさ。
めでたし、めでたし。


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■世界名作劇場3

「ヘンゼルとグレーテルと白雪姫」

ヘンゼルとグレーテルは帰り道を迷わぬよう
パンのかけらを少しずつ落として行きました。

白雪姫はそのパンを落としたところから一つずつ
残さず食べて行きました。

「なにやってんだこのバカ!」
「本当に信じられないアホだわ!」

ヘンゼルとグレーテルは執拗に白雪姫を罵倒しました。
白雪姫はおろおろしてしまい、この状況から逃れようと
フトコロに忍ばせていた毒のリンゴをひとかじり。

みごと仮死状態になり、この困難を乗り切りました。

しかし、ヘンゼルとグレーテルが愛想を尽かして去った後も
白馬に乗った王子様は現れなかったため
白雪姫は森の中、朽ち果ててしまいましたとさ、

めでたしめでたし。

■お妃様は魔法の鏡にたずねます。

「世界で一番美しいのはだあれ?」

鏡は答えます。

「今、一番美しいのはお妃様でございますよ」

めでたしめでたし。


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■世界名作劇場4

「○太郎と○○○姫」

むかしむかし
あるところに
おじいさんと
おばあさんと
スミスくんが
住んでいました。

スミスくんは言いました。
「なぁ、おじーちゃん。ボクのお父ちゃんってどんな人やったん?」

「あぁ、オマエのお父ちゃんはな、それはそれは破天荒なヤツでのう。
 あるとき鬼ケ島に鬼を退治に行ったかと思えば、
 またあるときには、魔王に捕われたお姫様を救い出しに行ったりと、
 それはもう大変なヤツじゃった」

「お姫様!?それ初耳!!」

「おお、そうじゃったかの。
 というかそのお姫様がオマエのお母ちゃんなんじゃよ」

「マジで!」

「マジで!‥‥そうあの時はマジでビックリしたわい。
 魔王を退治して来たと帰ってきたアイツが
 『俺の嫁だ!』とイキナリ
 金髪碧眼の美女を連れてきたのじゃから」

「えぇ!?ガイジンやったん?ボクのお母ちゃん!」

「そうじゃよ、だからオマエはスミスなんじゃよ」

「へー、と言うかお母ちゃんどこの国のお姫様やったん?」

「あーー、国の名は忘れたがそこは美味しい桃の産地でのう。
 オマエのお母ちゃんは”ピーチ姫”と呼ばれておったそうじゃ。。」

「へー、そうやったんかーー。知らんなんだなー」

「まぁ、今となっちゃどうでもいい話じゃわい。
 ほれスミス、キビダンゴ食うか?」

「うん、食う食う!」

めでたしめでたし。


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■世界名作劇場5

「フランダースの犬と猿とキジ」

猿とキジはもしやと思い、犬にたずねました。

「犬さん犬さん、あちらのお方は桃太郎さんですよね?」
「ですよね?」

犬さんは言います
「はっはっは、何を言うのですか?違いますよ。
 彼は桃太郎ではありません、ネロさんですよ」

「「‥‥マジで!?」」

一体いつの間に入れ変わっていたのか、
そういえば犬さんもいつの間にかデッカイ犬になってるし、
あぁ、桃太郎さん桃太郎さん、
あなたはどこにいったのか。
次元の狭間に迷い混んでしまったのか。


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■世界名作劇場6

「へー、これがルーベンスの絵かー。
 ほほぅ、やっぱ実物は凄いなぁ、はるばる見に来た甲斐が在るってもんだぜ。
 ‥‥ん?どうした犬?」

「あぁ、大変です大変です。猿とキジがはぐれてしまったみたいですワン」

「ありゃりゃ、時空の狭間ではぐれてしまったかな。」

「どうしましょう?どうしましょう?」

「いや、まぁ後でいいさ。とりあえず白雪姫を助けに行く事が先決だ。」

「は、はい。わかりましたワン」

「足り無い分はあれだな、そこの豚達でも連れて行こう」

「ブーブー」
「ブーブー」
「ブーブブー」

「豚、うまそうだワン!」

「おいおい、犬!こいつらは晩ゴハンじゃねぇ仲間だ」

「えぇー、でもーおいしそうじゃないですかー」

「ダメダメ。お!あそこにオオアリクイがいるぞ、あれ捕まえてこい、晩ゴハンにしよう」

「ワン!」

めでたしめでたし。

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「世界名作劇場」

余計な物が付いたお伽噺。



そうしてスミス君は童話作家になりましたとさ。

めでたしめでたし。

わーむほーる

あと、あれやこれやとありまして
桃太郎とジュリエットは
末永く幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし。

「ちょ、あんた何やってんですか!」
「うるせえぞ犬」
「キャン」


「‥‥ぁん♪」