マリオとの通信の後ジンノは、人鳴カグヤを呼び出していた。
「イヨー人鳴!ダメじゃん、自分の娘を殺しちゃあ。」
「ああ、もう全部おまえのせいだよ。こんなことして何になるってんだ?俺達の仕事はAIの研究と自然回復の援助、それだけだ。こんなよけいなことしなくていいんだよ。何を急ぐ?俺達には時間は無限にあるんだぜ。」
人鳴はせきたてて言った。ジンノは間をおいて静かに話しかける。
「そこがAIと人間の違うところなんだよ、人鳴。今、現在AIの頭脳の思考パターンはほぼ人間のそれといっしょだ。だが、知っての通り彼等は永遠に生き続ける、俺たちが記憶を操作してそうとは感じさせてないが。なんとなく分かっているんだよ。彼等には死の恐怖というのが人間にくらべて格段に薄いということに。この問題をクリアーしないことには俺の研究は完成しない。」
「ああ、そうかもしれんな。しかしだ、それは俺たちの研究ではなくてオマエ自身の研究なのだろう?・・・・あまり俺に迷惑かけないでくれよ、ジンノ。そうオマエは昔からよくわからないことをするやつだったがな・・。」
「ははっ、まあ心配するな。もうすぐ終わる。たいした被害はないと思うから。」
「つーかジンノもうかなりの損害だぜ。」
人鳴はやれやれとため息をつく。
「それじゃ人鳴またな。」
「ああ、いつか本当のことを話てくれよ。謎だらけよおまえの行動は。」
ジンノはそれには答えず。軽く笑って通信を終わらせた。
電脳の人間もいい感じになってきたな、とジンノは思う。