ディエロン

GAME

「おおーこいつはおもしろいなぁ。」
小早川伸哉はサキのの小屋の中で李白栄の書いた「魔法の書」を良みふけっていた。
ふんふんとうなずきながら伸哉はそこの魔法のシステムを理解していった。
そして実験に魔法をためしたりもしてみた。
「ふ〜ん、なかなかモノになってきたじゃない。んじゃそろそう実践に移りましょうか。」
そうサキが言った。
ふっと顔を上げるとなんだか窓から漏れてくる光が少し暗いような気がした。
光だけではなく、なんとなく黒い雰囲気が辺りに充満していた。
「おい!サキ、なんだ!なにが起こってる?」
伸哉が言うとサキは窓のほうを顔で示した。
なんだ?
そっと窓の方へ行ってみる。
「!!」

ははははははは、こりゃ笑いが止まらないな。
窓の外にはこの小屋を取り囲むように数十、いや3ケタはありそうな数のモンスターがたむろしていた。そいつらはどうも話し合いとが通用しそうないイヤ〜な面をしていたんだよ。
「どーすんだよ。サキ、アレ倒せるの?ねぇ?」

「・・・とうとう始まっちゃたか・・・。」
「ん?何。ヤバイよ。なぁオイ。」
「うっさいわねー男の子でしょう!びくびくしないの。私が援護するから。あなたは正面の扉から出て行ってアイツらを引き付けておいてちょうだい。」
「おう、僕が正面から・・・・・ってイキナリ実践ですかーサキちゃーん。」
「ほら、もう魔法は完璧なんでしょ。さっさといきなさい。」
「・・・・・・・・・。」
どうやら覚悟を決めていかなくっちゃぁならないようだ。とほほ。

ワン・トゥー・・・・GO!。
伸哉はドアを開け飛び出した。
「さあ、こい!・・・・・・あぁ、どうしよう・・・。」
モンスター達は突然飛び出してきた彼をジロリと見ると、ふっとため息のようなものをもらした。
チィ〜〜!!バカニサレテル。僕確実にバカにされてるよー。
もういいよ、わかってないよ君達!
と伸哉は呪文のプログラムを唱える。
実際は経験を積んでいかないと高等な呪文は使うことができないはずだが、魔法のシステムを体系的に学んだ彼にはそんなこと関係なかった。
「・・・・・・・・・。」
空が一瞬にして黒い雲に覆われる、パチンと彼が指を鳴らした。それを合図としてか轟音と共にイカズチがモンスター共の頭上に落ちる。

ゴオオオオオオッ、ドン!

一転して静寂。
空は青く輝きを取り戻す。伸哉の前には隕石でも落ちたような穴。灰と化した数十匹のモンスター。

虫の様なモノや爬虫類のようなモノそして恐竜のようなモンスターたちの目の色が変わった。
どうやら戦闘体制に入ったようだ。
「ヘーイ、カモ〜ン!かかってきなさ〜い。」

「・・・・調子のりすぎ。」
影に隠れていたサキはヤレヤレと頭をかいた。

go13