ディエロン

MEET

伸哉は魔女のサキの後をついて歩く
いったいここはどう言う世界なんだ?魔女がいるし風景のなんだかロールプレイングゲームみたいな感じだし、ひょっとしてあれか、モンスターでも出てくるんじゃないだろうな。・・ありうるな、なんたってココは妄想の世界ディエロンなんだから。
と、彼がそこまで考えたところで妙な音がした。

ガサッ、
ガササッ、

彼の背後の草むらから聞こえる。
伸哉はドキリとした。「モンスターが出てもおかしくない」ココはそういう世界。
冷たい汗がひたいから頬をつたっていく。
伸哉はそーっと振り返ろうと首を回そうとした。
「そのまま動かないで!」
後ろを向いたままでサキが言った。僕はその言葉どおり止まった。一粒の汗が地面に落ちた。
サキはその小さな体をくるりと回転させる。そして手のひらをこちらに向けると何かつぶやきのような声をかなりの早口でまくしたてた。

サキの手が発光する。そして轟音。

僕はその場にへたりこんだ。後ろを振り返る。トカゲの超ビックサイズみたいなそれでいてなんとなく人間に近い生物、いわゆるモンスターの死体がそこにあった。
「な・・・なんだよこれ?」
「ん?何。大丈夫?ケガは・・してないみたいね。じゃいくわよ。ここもそろそろヤバいみたいだしね。」
「ちょっと、ちょっとサキ!かなり聞きたいことが増えたんだけどいいか?」
「いいわよ。そそうするためにアナタを呼んだんだけら。まあ話は家に入ってからね。」
モンスター、そしてサキの使った閃光、魔法?まあそれはいい、何でもアリの世界だ。
しかし、さっきの衝撃で小石での飛んで来たのか僕の頬に小さなキズがついた。
傷口からは少しだが血がにじんできてるし。ちくりと痛みをも感じる。
これはヤバいことだ。この世界でもし僕が死んだらそれは本当の死であると、僕の直感が告げていた。
それはただの直感であり、ニセの感覚かもしれないが、とてもそうとは思えなかった。
早くこの世界から脱出しなければ
僕はようやくコトの重大さに気付きはじめていた。

GO9