僕らの町にもサーカスは来る。
それから僕は猛練習の末、今では玉のり一輪車などをこなすピエロになった。
いつの間にか僕は大人になっていた。
歌姫は歌う
砂の砂漠
笑顔のあなたも
一人きりになっても
だから
一人きりになっても
ずっと見てるよ
この歌声を聞いてサーカスの一日は終わるそしてまた違う町へ流れ流れて砂に帰るまで続けよう
初めて僕はサーカスを見た。
見るもの全てが驚きだった。
しかしもっと驚いたのは最後に出てきた歌姫だ。
なんて奇麗な声で歌うんだろう。
白い髪、青い瞳の少女はとつとつとそして朗々と歌う。
その夜、書き置きを残すと僕はとなり町に移動したサーカスを追った。
サーカスに入れてもらうために。
楽しくやってるよ。
今日も一人子供がサーカスに入りたいとやってきた。
もちろん拒みはしなかったさ。
まあだいたい理由は分かっている。
不思議なことだがサーカスの最後になるとどこからともなく白い髪の青い瞳の少女がやってきて美しい歌声を聞かすのだ。
団長に聞いても縁起もんだからな静かに聞いてろよ。
と言うだけで詳しくは話してはくれなかった。
たぶんサーカスてのはこういうもんだと今は思うことにしてる。
荒い海の波
とても強い風があなたを襲ったとしても
涙を流すあなたも
怒りの拳を振り上げる姿も
私は見てるよ
見ているよ
あなたが死んでこの大地の砂に帰るまで
ずっと見てるよ
心配しないで
あなたはここにいる
私が見ているよ
見てるよ
あなたが死んでこの大地の砂にかえるまで
ずっと見てるよ