生命の星(第7回)
〜開場〜

「今日のニュースです
みなさん、この映像がなんなのかおわかりでしょうか?東京上空からの映像です。道が黒いもので埋っています。なんだかそれはもぞもぞと動いていますネ。人の頭です。沢山の人がひしめきあっているのです、えっ?そんなのはいつものことだって?いや違いますヨ。カメラさんちょっと引いてみてください。はい!分かりますね。これでそこいらのバーゲンや大売り出しと違うことが分かったでしょ?この人の列は1H、いや2〜3Hをも続いています、まるでこの東京に黒い龍が集まってきてるかのようです何十匹もの龍がある一点を目指して集まって着ています。この龍たちはどこに向かって進んでいるのでしょう?はい!それは分かっています、東京ドームです。そこで何があるのかって?知らないの?ルーシー、「ルーシー・テラ・ナティー」ですよ。そう今や世界中で異様な人気ぶりをみせているあのルーシーです。その彼のコンサートが今始まろうとしているのです。
今回のコンサートはかなり普通のものとは違いまして。会場内ではもちろん普段どうりおこなわれるのですが会場外にも数台巨大スクリーンとスピーカーが設置されており、チケットをとれなかった人も会場外においてリアルタイムに彼の音とその歌を体験できるということなのです。
しかし最近、これまでのルーシーのライブではいろいろな噂が流れています。一部の人たちからは非難の声も聞こえます。だけどそんなことを吹き飛ばすほどにファンの声は強く大きかったのです。
そう、そしてさっきも言いましたが彼のファンは世界中にいます。これまでのルーシーのコンサートは日本の中だけのそれもわりと小規模なものばかりで海外のファンのストレスはかなりのものでした。そういうことを考えて今回は世界中の都市にここと同じ様な巨大スクリーンとスピーカー設置、そして株式会社キョウレの技術部の協力を得て世界初のホログラフィ、つまり立体映像を使用する世界同時ライブが行われることになったのです。
また、一般のテレビ放送にも同時中継が行われます。
まさに世界中の人が同時に同じ体験をすることになるのです。
もちろんこちらCBC放送でも中継いたします。
今夜7:00から!おみのがしなく!。」

ブンッ

テレビリモコンの電源ボタンを白い指が押す。
テレビの画面は少しの残光で部屋を照らす、部屋には少し暗めのブルーライトがつけられていて少し幻想的な空間を創りだしていた。
そこには人がいる、その人間はブルーの光の中で妖悦な笑みを浮かべていた。
「・・もりあがってきたな、これで感染の準備はできた。」
彼の長い髪をはらりとかきあげるとその瞳をソファーに横たわる高原千里に向けた。
彼の右目は緑の光を発していた。

第8回につづく

はいはい
だらだら書いて参りましたよ
深呼吸
すぅーはー