まだダメだ
その翼はしだいに大きくなり、飛ぶということについて、空気の流れ、風、それらのことを調べ考えた。
たのしかった。
そして、現在の飛行機の原形となるものがつくりだされたのだ。
人々は狂喜した。
技術は進化する。
今では世界中を飛び回ることができるまでになった。
しかし、それは夢の実現ではなかったのだ。
もっと自由に空を飛びたい、いや空に浮かんでいたいのだ、彼らのように。
「何言ってるんだい、それならば飛行船とか気球とかグライダーとか、いろいろあるじゃないか。」
「いや、そうじゃないんだ。そういう機器をいっさいつけないで、この身一つで飛びたいんだよ。」
「それは無理だね。」
そう、そんなことはわかっている。だから僕らは夢を見るんだ。
空飛ぶ夢を
鳥になるその日まで