ハンバーガーが103円のこの時代に

「ネエ、どこへ行こうか?」
ピッ
>そうだな海までドライブしようか
 公園にでも散歩しにいく?
 この間買いたかったコートがあるんだ町に行こう
ピッ
「そうだな海までドライブしようか」
「やった〜行こう行こう!」
「それじゃ車持ってくるね」
「うん 待ってるよ ねぇ竹本君・・・」
「えっ何?」
「あのね・・・好きだよ」

ブン

「アレ!!なんだ停電か?」
コントローラーを置いてカーテンを開け外を見るが他の家の明りはついている
「あ〜また母さんテレビつけたまま電子レンジつかったな。」
「ごめ〜ん総一郎ちょっとまってね今ブレーカ上げるから。」
一階の階段下からの母の声だ
「何回やんだよもう、言ってもまたやるんだからもう言わないけどさ。それよりせっかく最後の難関と言われるルミちゃんをゲットできるとこだったのに〜ちくしょーーーー!!・・ふうっ、このゲーム、リアルを追及するのはいいんだけどさ。セーブができないのがつらいよな。そのぶんオレのルミちゃんへの高ぶるこの気持ちが!ゲームを最初からやらなければいけないその時間のなかで!どんどんどんどん高まって高まってあぁぁぁ〜もぉ〜!!!!。」
っとふと我に返り顔を赤らめる総一郎であった
「あっそうだビデオ返しにいかなくっちゃ、やべぇやべぇ延滞料金はバカ高い〜♪。」
念のため言っておくが総一郎君が借りたのはHなビデオではありません。ふつ〜うの映画のビデオです。本当はそんなのも借りたいんだけどね。ビデオデッキがあるのが一階なのですよ。それでもってフスマの向こうは親の寝室ということでそんなところでそんなビデオをみるのはとてもデンジャラス!気の小さい総一郎君はそんなリスクを犯してやる度胸はとてもありません。
っっとか言ってる間にコートとビデオをもって玄関へ
「ちょっと出てくるから。」
「あらこんな時間に出てくの?ご飯もうできるから早く帰ってきなさいよ。」
「ビデオ返しにいくだけだからすぐ帰ってくるよ。」
「ああそういってらっしゃい。」
てくてく歩いてビデオ屋へ雲もない夜空に半月がキラリ
「あれこんなとこに道あったっけ?う〜んちょっと寄り道して行こっと。何か新鮮な景色が見れるかなっと。」
キィィッィ〜!
「えっ?。」
前から明りが二つ、あっという間に目の前が強い光で真っ白に
ドン
・・・・・
「あああああやっちゃったよ。どどどどどうしよう。・・こんなの見つかったら当然免停だろうし警察にもいかなきゃならないし。そしたらあのこともばれちゃうぞ・・・・逃げよう。そうだ逃げちゃえ!。」
ヘッドライトに赤い色をつけたままトラックは暗闇へ

寝転んだまま空を見上げる総一郎君しかしその目には月は映ってませんでした
「あれなんだおかしいぞオレ、ビデオ返しに歩いてたんだよな?なんで小学校の景色があれオマエ中学の時のとき同じクラスだった波多野?あっ小島さんだ。初恋だったんだよなぁ。てなんかおかしいって!なんで過去の記憶が走馬灯のように・・・ウソこんなのありふれた死の瞬間じゃん。ああっだんだん最近の記憶になってきた。眠い。そうだよルミちゃんはなかなか落とせなく・・て・。真っ暗だあれなんだか文字が浮かんできたなんだろぼやけてよく見えないや。まあいいかなんでもなんだかとても暖かくて眠い・・・。」

「あははははは死んじゃった。やっぱり寄り道したとこが失敗だったかな。しっかしこんなゲームよく考えたよな。あまりにも普通でそれでいて超リアル、マヂで総一郎君になっちゃったよ。ふふふふ走馬灯なエンディングもなんか別の人生感じられていいよな。また明日やろっと。」
モニターは黒く「ゲーム・オーバー」の文字だけが赤く浮かんでいた

ブン 

わーむほーる