レーザー脱毛 長野 美容整形

ツイストーリー■

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◆魔法

ツイストーリー81
手品のタネを売る店だと思ったら本当の魔法を売る店だった。
店主のそれは魔法にしか見えないのだ。
ふい、と彼は消える。
床に穴があるに違いないと覗くと、
はたしてそこに穴があり私は彼を追って穴に入る。
突然そこはもう町通り、
店主の姿は無く、
私のポケットからは鳩が飛び出した。



◆豊潤

ツイストーリー82
突然、悪魔が現れ
「オマエの望みをなんでも叶えてやろう」
と言う。
なんでもというそれはそれで困るのだが、
私はすぐさま
「金持ちになりたい!」
と願った。
無職だった私は職にありつくことが出来、
ついには金持ちになることが出来たのだった。
銀行の現金輸送の仕事だ。
給料は普通だ。



◆怪盗

ツイストーリー83
月が影に隠れてまた現れる、月食が起こった時にのみ盗みを働く、月食泥棒がこの私だ。
だから滅多に働かないし、月食のことを調べていたらとても興味が湧いて来て当日は月食の観察に余念がなかったので、月食泥棒は廃業した。
ならば君が月食泥棒になるだと?やめておけ月が綺麗だぞ。



◆起動

ツイストーリー84
音楽なぞ音の組み合わせに過ぎないのに何故人は感動を覚えるのか?
それは感情を呼び起こすスイッチだからだ。
恋の感情などは万人に共有するので恋の歌は幾万とある。
で、この曲だが、意味がわからない感動をしただろう?
生まれて来た時の感情を呼び起こす曲だ。
誰しもが幸福なのだ。



◆再起

ツイストーリー85
音楽なぞ音の組み合わせに過ぎないのに何故人は感動を覚えるのか?
それは感情を呼び起こすスイッチだからだ。
恋の感情などは万人に共有するので恋の歌は幾万とある。
で、この曲だが、恐怖とも知れぬ畏怖を感じたか?
死ぬ時の曲だ。
この感情を知っている者はこの世に居ないのだから。



◆前進

ツイストーリー86
「ついにタイムマシンが完成したぞい!」
「すごいです博士!」
「では、さっそくハーマイオニーがまだ可愛かったころにタイムスリップじゃ!」
「ズコー!違う!今もっと他にあるじゃないですか!」
「助手くん、失敗は無かったことにはできないのじゃよ、乗り越えるだけなのじゃよ!」



◆鬼面

ツイストーリー87
みんな怒り方が下手過ぎる。
親や学校の先生、または上司にやられた”一番嫌な怒り方”をきっちり真似してわめき散らしている。
そんなやり方だと相手はどう思うか、自分が一番知っているクセに。
鏡を見てごらん、
あのとき這いつくばる君を見下ろしていたアイツと、
同じ顏をしている。



◆コツ

■ツイストーリー88
自転車に乗るコツをうまく教えられる人は少ない。
そして人が生身で空を飛ぶ方法を教えられる人はほぼいない。
いや飛べないのが常識だ。
だがコツをつかめば何万人に一人くらいは飛べたのかもしれない。
しかしそうなると私の取り柄がなくなるので、
人は空を飛べない。
そう言っておく。



◆無料

■ツイストーリー89
著作権がどうとかとうるさいが、デジタルでコピー出来る物は全て無料なのだ。
海賊版のDVDを販売するにはリスクがあるが
デジタルでコピーするならそれはゼロになる。
私は昼飯にカレーを作った。
カレーのレシピは私に著作権はないので
それは皆に無料で振る舞われた。
お腹が空いた。



◆建国

■ツイストーリー90
完璧な法律を作った。
これで理想の世界が出来上がる。
もちろん法に背いた者は処分される。
いやいや、殺したりはしない。
我々とは隔離された世界に移ってもらうだけだ。
数年後、その理想国家は人口の流出を押さえる事ができず、
世界最小国となり、
消滅した。
私達は皆、前科者なのさ。



◆存続

■ツイストーリー91
いい加減な国がある。
電車が定刻通りに来ないのは勿論、役人から国民の全てがいい加減な国家だ。
観光地だが、サービスが悪いことに腹を立てた外国人とのいさかいは絶えない。
いい加減な警官は外国人を投獄。
しかし、保釈金を払えば直ぐに出してもらえる。
この国の主な収入源である。



◆忘却

■ツイストーリー92
洗濯をして干すのを忘れていた。
ご飯を炊いて食べるのを忘れていた。
大学に入学して卒業するのを忘れていた。
結婚をして離婚するのを忘れていた。
そして、生まれてきて死ぬを忘れたまま現在に至る。
「はい、もしもし。あー、今日が締め切りだったのか。人生の。」
忘れ物は拾わない。



◆煙草

ツイストーリー93
「お前タバコ吸わないよな、なんで?」
「カッコ悪いから」
「えー映画とかドラマとかでカッコいいじゃん」
「オマエ映画とかドラマに出た事あんの?」
「ない」
「だったらオマエは芸能人のマネをしてカッコつけているのにカッコ悪い、ただの不細工で口の臭いオッサンだな」
「ヒドい!」



◆二人

ツイストーリー94
人間は脳の機能を全て使っているわけではない、
脳の半分を失って生きていた例もあるくらいだ。
それでも意識は存在する。
例えば、私と君の右脳をすげ替えてみたならば、
どうなるのだろう?
私は君か、君が私か。
何、体が動かないだって?
実験は成功だ。
私は二人分動かせる。
君も私だ。



◆聖者

ツイストーリー95
正義というは気持ちの良いものだ。
悪人を見つけたならソイツが完全降伏するか死ぬまで、殴り続けてもかまわないからだ。
ストレス解消にはやはり暴力が良い。
だから本当の悪人になるのならば大きな組織を作るか傘下に入るかして正義から身を守らなければならない。
そう、私達の様に。



◆流転

ツイストーリー96
傘を盗む奴がいる。
傘を盗む奴の理屈はこうだ、
自分の傘が無くなったら他の人の傘を盗っていけばいいじゃん。
ならばどうだろう、
傘を盗まれて嫌な気持ちだがその犯人はもういない。
だから自分の傘が盗まれたわけじゃないが、
その代わりに今俺がお前を殴っても問題はないな、傘泥棒。



◆季節

ツイストーリー97
北風と太陽。
冬だと言うのに暖かい、
北風さんお願いします。
よしきた。北風がピューと冷たい風を吹くと、旅人は暖かいものでも食べようとラーメン屋さんに入っていった。
夏だ、しかし涼しい。
太陽さんお願いします。
太陽はサンサンと輝き、旅人は汗をかく。
冷やし中華はじめました。



◆正邪

ツイストーリー98
ある日、男が目覚めると何もない空間が広がっていた。
これが世界の滅亡か、
とも思ったが、自分が死んだだけなのかもしれない。
だとするとここは死後の世界だ。
真っ白な世界。
男の前にもう一人の男が現れた。
「これが世界の半分だ」
魔王はそう勇者に告げると、
真っ黒な世界に戻った。



◆唯一

ツイストーリー99
皆でおやつなどを食べているとき最後の一個が残ってしまうが、皆遠慮してしまいなかなかそれに手をつけられない。
その最後の一個のことを私の地方では「遠慮のカタマリ」と言う。
さて、今ここに残った「遠慮のカタマリ」
外側はみずみずしく中は熱くてうまいお菓子、
商品名は「地球」



◆大切

ツイストーリ100
「愛が全てさ。金よりなにより愛が一番大切だ」
「だけどお前と彼女との愛より、ジョンとヨーコの愛の方が強そうだけどね」
「愛は比べるものじゃないだ!」
「んじゃ愛は一番じゃなくてもいいね、お金が一番ってことで、金は貸さない!」
「えぇ〜彼女との愛の為に金が必要なんだよ〜」



◆河童

ツイストーリ101
昔は夏休みに川で溺れて死んじゃう子供とか当たり前の様にいた。
関係ないが、人を殺すと殺した相手の姿がずっとつきまとうって話もある。
いや俺は殺したわけじゃない、ただ助けられなかったんだ。
だからむしろ出てきてくれてありがたい。
赤と青、どちらのコードを切ればいいと思う?



◆才能

ツイストーリ102
「どんなに努力しても天才には勝てっこないじゃないか!」
なんだ?勝てるとでも思っていたのか?
彼らを押しのけて一番に成れるとでも?
そんな愚痴を言い、仕事をサボる、努力もしないし成長もやめる。
そして、その尻拭いをするのが天才さん達だ。
なんとも良いご身分じゃないか君は。



◆宇宙

ツイストーリ103
「宇宙に行きたい」
「宇宙?金がかかるぜ、そして宇宙には何も無い。別に山を登るのと変わらないと思うぜ」
「それでも宇宙に行きたい」
「ならば行けばいい。人は想い続けたことは実現してしまう生き物なのさ」
「そうか、ならば人間に成らねばならないにゃ」
化け猫宇宙時代の始まり。



◆遊泳

ツイストーリ104
「泳がないの?」
彼女は言うがうまく泳げる自信は無い。
僕の体は水に触れると溶けてしまうのだ。
お風呂は?顏を洗ったこともないのか?そう言うが奇跡的に生き延びた。
しかし、突然の豪雨。ならば飛び込んでみようではないか、と彼女の手を取り海の中へ。
人魚はとても泳ぎがうまい。



◆流転

ツイストーリ105
テンポ120で音楽を演奏する場合、
一小節2秒、四分音符で0.5秒、八分音符で0.25秒、十六分音符で0.125秒。
演奏する場合もそうだが、聴く側もこの秒数で音楽を体感している。
だから君の人生の時間などほぼ無限だ。
で、その無限の人生を数分で演奏し終えるのが音楽だ。



◆妖怪

ツイストーリ106
猫を喰う男。
笑顔のやわらかい着物の青年がそうだ。
街灯の少ない路地裏でうずくまる男に「大丈夫ですか」と声をかけると
無言でゆるりと振り向いた。
その口には猫の尾が四本、五本とはみ出ている。
ごくりと呑み込むと、彼は会釈し、歩き出す。
猫共は死期を悟ると彼の所に寄ってくる。



◆自然

ツイストーリ107
川に大量の死んだ魚が浮かぶ事がある。
昔の人は上流の村の者が毒を流したのだ、と争いになった。
事実は同じ場所に魚が集まり過ぎた為、水中の酸素が無くなる酸欠死だったのだが。
結果、争いにより人間の数は減り、魚の住みやすい清流が戻った。
なので私は人の住みやすい清流を求め。



◆供養

ツイストーリ108
火を焚き、先祖の霊を迎え、送る。
そんな祭事の中、美しい少女を見た。
白く果敢なげだったので俺は幽霊なのでは、と思った。
声をかけようとしたが、彼女が火を灯すと、俺の体はふわりと中に浮いた。
幽霊は俺の方だった。そして彼女は俺の子孫なのだ。
どうりでバアさんに似てやがる。



◆潜水

ツイストーリ109
コタツの中が月の裏の割れ目と繋がっていたっていうSF小説があってさ。
そう言って彼はスキューバーダイビングのフル装備で”自宅”の風呂場の浴槽に飛び込んだ。
おかしなことにいつまで経っても彼は上がってこない、というか姿が見えないのだ。
夏になり南の島から絵葉書が届いた。



◆聖者

ツイストーリ110
生きている時間を素晴らしく思うのに、死の恐怖からそれを心から楽しめない。
君はそう言いたいのだろうか?
しかし、はたして死の時間とは?
死ぬまでは生きている。
死んだらそこで終わりだ。
つまり死はゼロなのだ。
死の時間など無い。
君には生きている時間しかない。
よって死なない。



◆転換

ツイストーリ111
「事故で節電か、困ったな俺達”鉄道マニア”にとってはな」
「いや、俺は逆にチャンスだと思っているぜ」
「なにが?」
「蒸気機関車復活のさ!」
「D51!…って無理だよ環境的に良く無いし」
「はん!オマエの仕事は?」
「エコシステムの設計、あ!そしてオマエは!」
「JRの社長」



◆秘密

ツイストーリ112
彼氏の位置情報をケータイからキャッチできるアプリを発見!
これで私達に秘密はなくなったのだわ。
だけどおかしい国内どころか海外まで移動している。
もしかして彼はスパイ!?
ちょっとドキドキかも!
恋には刺激がとても良い。
世界中の女の子にドキドキを、結婚詐欺師は今日も行く。



◆赤神

ツイストーリ113
マンションの屋上に丁度人くらいの大きさの達磨が見えた。
彼は私に気がつくと「台風が来るぞー」と言った。
そうして達磨様は身を挺し台風から町を守ってくれる。
昔の男から聞いたのだが、
そんな馬鹿なとは思いつつ、彼の故郷の達磨神社を訪れた。
結論を言うと思った以上に赤かった。



◆富人

ツイストーリ114
「金持ちの条件とは何か?」
という質問にその男は
「窓を開けて夜空を見てごらん」
と言った。
私が窓を開け夜空を見上げたと同時に、大きな花火が打ち上がった。
「こういうことさ」
と言ったので
「シェルターなんかも持ってるんですか?」
と聞くと
「あぁ、月にあるよ」
答えたのだった。



◆同名

ツイストーリ115
アカウント名が芸能人と似ていたので、間違いメッセージがよく来る様になった。
間違えてますよと返事するのもおっくうだし、
なにより覗き見的な面白さがあってそのままにしておいた。
「あなたは私と一つになる運命なのよ」
芸能人に恋する女の子は彼で予行演習を始めた。
ベルが鳴る。



◆大作

ツイストーリ116
私は宇宙に名だたる大アーティストだ。
とても素敵な皆が息をのんで見つめしまう様な光輝く芸術作品を作り上げるのだ。
それは時に大胆で人々がそうと気付かずに心惹かれるモノであるべきだ。
あの星のとある国ではソレが一番綺麗に見える夜に皆で空を見る様になったと言う。
大成功だ!



◆世界

ツイストーリ117
自分で言うのもなんだが頭は良い方だと思う。
しかし何故だか私のまわりには天才が多く、私はいつも劣等感に苛まれていた。
ならば彼らから離れて普通の人の中に行けばいいではないか?
そう思うだろう?
違うのだ、
限界を突破すると世界の皮がするりとむけて。
一度味あうとやめられぬ。



◆風邪

ツイストーリ118
「うぅ、頭痛・ 咳・鼻水・鼻づまりの症状が…」
「それは風邪だ!」
「誰だオマエ!?」
「私は風邪の神様だ!」
「風神でなく!?」
「そう風邪を引いて弱ってる顏をみてニタニタする神様じゃ!」
「ひでぇ神だ」
「でも、もうその顏は見飽きたので暖かくして寝ろ!」
「優しいじゃん!」



◆馬鹿

ツイストーリ119
「やっぱり男なんてバカばっかり!」
「そうだよねー男はみんなバカ!しかし女はもっとバカだ!」
「なッ!…あんたはどっちの味方なのよ!?」
「バカめ。私はどちらの味方でもない、言うなれば人類の敵だ!」
「出たな魔王!」
「そうだ私が魔王だ。そして今、オマエは勇者となった!」



◆人格

ツイストーリ120
昔から人とは違う所で泣き、ずれた位置で笑っていたら、
感情が異常な人のレッテルを貼られた。
しかし、ヤンキーが雨の日に仔犬を助けると一気に好感度が逆転するあれだ。
父親が亡くなったのだが、そこで大泣きをしたのだ。
私の好感度はうなぎ上り。
練習した甲斐があるというものだ。



◆橋袂

ツイストーリ121
雨の中、傘を指して自転車を漕いでいると、蛾が一匹迷い込んで来た。
蛾は雨宿りをしながらの移動を始めた。
これは大冒険だ。
しかして木陰からもう一匹、
さらに一匹と傘の下の蛾は数を増やし、
遂には何百何千の蛾と共に私と自転車は空に舞い上がった。
そうして私の冒険は幕を開けた。



◆魂魂

ツイストーリ122
私は長男なのだが本当は次男なのだ。
あるとき母親に聞いたのだが私が生まれる前に一度、流産を経験したそうだ。
それを聞いて私は驚きよりも納得がいった。
昔から理解してもらえない感覚があったのはそのためだったのだ。
だからあなたも前に進みなさい。
次回は魂が2倍なのですから。



◆清浄

ツイストーリ123
部屋を片付けられない人をさとし、綺麗な部屋の住人にするのが私の仕事だ。
今の自分に大切な物だけのスッキリとした部屋は心の平穏をもたらす。
そうすることで人は必要な物だけしか買わなくなり、
消費は落ち景気は低迷。
失業者と自殺者が増えた。
必要なモノだけのキレイな世界に。



◆成長

ツイストーリ124
日本の幽霊に足が無いのは本当ですか?
そうだが根本が違う、アレは幽霊ではない。
オタマジャクシに足が生えてカエルになることと同義でアレは人間の前段階なのだ。
ならば人は死ぬとどうなるのですか?
おかしなことを聞くね。
カエルは死ぬと土に還る、
人も同じだ。
おや?君の後ろに。



◆進化

■ツイストーリ125
「キリンの首はなぜ長い?」
これはそもそも質問が間違っている。
答えは「他の部分が短くなった」なのだ。
キリンは今よりも全体的に長い生き物だった。
昔、月にまだ空気があった頃の生き物で、
それは地球に逃げ延びこの星の重力に適応した宇宙生物なのだ。
あぁ、ゾウは土星から来た。



◆構築

ツイストーリ126
正義のヒーローは知っている。
悪を倒しても平和な世界は訪れない事を。
平和な世界とはプラスの世界。
世にあだなすマイナスを消し去れど、
それはただ「ゼロ」なのだ。
プラスにするには更なる力が必要だ。
彼は持っていなかった。
隣人をパーティに誘う勇気がなかったのだ。
君はどうだ?



◆半分

ツイストーリ127
私は魔法使いだ。
何?仕事が終わらなくて困っている?
よしきた”仕事がちょうど半分だけ終わる魔法”をかけてやろう。
ただし”それが完了するまで24時間オマエは動く事ができない”のだが。
え?それじゃ意味がないだって?それじゃ、
魔法の効果を百万倍にする魔法を重ねてみよう。



◆技師

ツイストーリ128
ワシはロボットの医者じゃ。
人と違って良いのは壊れてしまった部位も交換すれば元通りということじゃな。
ただ、ほとんどを交換してしまうと、それはもう本人じゃない気がするが。
で、君はワシを殺しに来た暗殺者というわけか。
ここにワシのクローン体がある。
ワシは旅にでも出るさ。



◆紬糸

ツイストーリ129
雨の日、傘を差していると蜘蛛が糸を垂らしていた。
どうしたものか?
と思ったが振り落とすのもなんだし、そのままにして置いた。
その夜、夢にその蜘蛛が現れ言った
「お礼に糸をつむぎましょう」
翌朝、小指に透明な糸が巻いてあり、
それを辿って出合ったのがオマエのお母さんなんだ。



◆酔深

ツイストーリ130
酒に酔い、女に酔い、世間に酔い。
気がつくと私の財布も酔っぱらったのか、
フラフラとお金を落としてしまいやがる。
困ったものだと私は千鳥足で半紙に向かい、
書をえがく。
もちろん文字も酔っており、
あちらこちらと四散する。
時折、私の家の表札が変わっているのはそのせいなのだ。



◆前進

ツイストーリ131
反対運動にはどんな大義名分があれど、
その中に破壊衝動が含まれる。
許せない悪を破壊したいという心である。
しかも言葉のみで相手の心を粉砕出来るのだ。
私は元々の素質もあったのだが、
その技術を高め日々破壊活動を楽しんでいる。
許せない悪があれば私の法律事務所までご連絡を。



◆職業

ツイストーリ132
幼いころ寂しくて河原でしくしく泣いていると、
手品師が現れとても愉快な手品を披露してくれた。
私はキャッキャと大盛り上がり。
「泣き顔が、笑い顔になりましたね。では、ごきげんよう、さようなら」
私は大人になりあなたの笑顔を取り戻すため、
美容整形という仕事に就いたのです。



◆言葉

ツイストーリ133
酷く落ち込んでいたときに一通のメールに救われたことがある。
それは間違いメールだったのだが、
それがなんだかとても面白かったので僕自身のわざと間違いメールでその文章を送ってみたりした。
それは誰も口に出さないが、
ゆったりと回り忘れたころにまたやってくる。
「君が必要だ」



◆吃驚

ツイストーリ134
ゴミ袋の中にあり得ない物を入れてみようと思う。
死体?
それじゃありきたり過ぎる。
もっとビックリして幸せになるような物だ。
新鮮な死体?
いいか、死体は入れない。
じゃあ生きたまま入れるのか。
そうだオマエを詰め込んでみよう。
それはビックリするな。
そうして私は幸せになるよ。



◆お歌

ツイストーリ135
音と歌とをぐるっとまるめて想い出にして全力投球で川に放り投げたら、
向こう側の彼女に当たって彼女はスッコロんだ。
それを見てゲラゲラと笑っていると、
むくりと起き上がった彼女は音と歌とをぐるっとまるめて矢にして放った。
ものの見事に僕の心臓に突き刺さる。
ハッピーエンド。



◆熟成

ツイストーリ136
なに?夜よく眠れない?
良い方法がある。
だいたい睡眠のイメージがあやふやなのがいけない。
睡眠を食事としてイメージするのだ。
8時間をかけた食事だと考えれば、それだけで充足感を感じられるだろう。
関係の無い話だが鳥を絞める場合は寝ている時が良い肉になる。
では、良い夢を。



◆友人

ツイストーリ137
僕には友達が少ない。
しかしこれは僕の偏食に原因があるのかもしれない。
誰だって安全な食品を食べたいと思うだろう?
生産者の顏が見える食品が良い。
親兄弟、恋人などはもういない。
これからはちゃんと数を管理して、
在庫を切らさないよう食べるから。
僕と友達になってくれないか?



◆輸入

ツイストーリ138
私の会社は作業用機械のリースをしている。
今日も海外から返却品を清掃していたら、
機械の内部に珍しい蜘蛛がいた。
こいつは海を渡ってやってきた。
生きていたのだ。
面白いこともあるものだな。
数週間後、この国は謎のウイルスによって壊滅的な打撃を受けてしまうのだが、まさかね。



◆借入

ツイストーリ139
人はこの世に生まれるとき、その体を借りて来る。
最後は全て使用不能になるのだが、出来るだけ長く綺麗に使ってくれた方が生産者として嬉しいものだ。
この製品の機能は様々だが、それぞれに長所がある。
修理などは委託しているので歯がゆいばかりだが。
どうか長生きしてくださいね。



◆転居

ツイストーリ140
おめでとうございます。
あなたは人生が退屈で、くだらないこの世界など滅んでしまえと言ってましたが。
今、感じるこの快楽は凄まじく痺れる様な果実でございましょう?
3200グラム、健康なお子さんです。
あなたとあなたが一つに成って生まれ変わりました。
おめでとうございます。






140文字の物語。



わーむほーる