ツイストーリー■
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ツイストーリー01
一度しかない人生だ、何かになりたい、成し遂げたい。人に認められたい。
耳の聞こえない男は画家になった。
目の見えない女は歌手になった。
口のきけない男は小説家になった。
何かを得る為にはそれなりの代償が必要だ、そう思った健康で何の才能の無い男はビルの屋上から身を投げた。
ツイストーリー02
とてもほがらかな男が居た。
おかしいことがあると笑い、悲しいことがあっても泣きながら笑い、人の幸せを見つけては春の訪れの様に笑った。
彼の笑顔は全ての人の心をニコやかにさせてくれたもので、皆、彼のことが大好きだった。
そんな彼が君の耳元で囁く
「オマエのことは大嫌いだ」
ツイストーリー03
一人の犯罪者が顏を変えて欲しいと私の元を訪れた。
充分な金を貰ったので私は彼の顏を変えた。
だが残念なことに手術後彼は交通事故で亡くなった。
現場に来た警察官は彼の顏を一目見て逃亡犯が事故で死んだのだと断定した。
顏を変えたはずなのに何故か?
それは私の昔の顏だったのだ。
ツイストーリー04
宝くじが当たった!
下二桁の番号が当たって千円が当たった。
なんだたったの千円か?
いや、問題は私が下二桁の番号を当てたということだ。
下二桁の番号が当たる確率は10×10で1/100の確率だ。
だから私は99%不可能なことがあろうとも残り1%で成功を導ける人間に成った。
ツイストーリー05
目出し帽を被りショットガンを持った男が銀行の窓口に現れ言った。
千円札をお持ちの方はおられますか?
銀行員が千円を渡すと男はナンバーを控え、火を付け燃やした。
だがなんとリンゴの中から同じナンバーの千円が現れた。
みなの拍手の中男は去っていき。
金庫の中は空になっていた。
ツイストーリー06
未来人です。
この時代でもそうかと思うけどストリートヴューや監視カメラやアップロードされる写メールを追うことで
部屋に居ながらにして世界のどこへでも行くことができる未来。
そんな未来でブームなのは未だ撮影禁止の神社仏閣巡りなんだ。
写真には写らない美しさあるからってね♪
ツイストーリー07
過去人です。
おーここが未来か!
凄いな。
なんだあれ大きい!
うわ、これ凄い便利!
何?凄く小さいのにこんなこと出来るの!
未来凄いな!
素敵だな!
え?ちっとも凄く無い。
何も無かった昔の方が良いだって?
バカだなー、
そう昔は何も無かったさ、
夢も希望も自由さえもなかったんだぜ?
■ツイストーリー08
「無人島に一つだけ持って行くなら何を持っていく?」
「想い出のアルバム」
「へー、意外」
「んじゃ、そのアルバムを取ってくるのでちょっと待ってて」
そう言うとそいつは二度と帰ってこなかった。
無人島には私が連れていかれた。
もう数日が経ったが助けは来ない、
想い出は何も無い。
■ツイストーリー09
人間が入力しているわけでなく自動的に発言し、
決められた言葉に反応するようプログラムされたものを
botと言う。
まぁ、そんなことは君は言うまでもなく知っているだろうが。
それはもう、
かなり人間に近づいたのだ。
なぜなら君のフォローしているメンバーは
全員botなのだから。
ツイストーリー10
「だからなんでオマエはいつも裸足なんだよ?」
「それはね世界中で一番裸足で歩くと気持ちの良い場所を探しているからさ♪芝生の上、雪の上、砂漠の上」
といった具合の変な奴だったのだが、
数年後奴は海外のなんとか映画祭の赤じゅうたんの上を歩いていやがった。
もちろん裸足でね。
ツイストーリー11
さよならだね。
で君を主人公にした小説を書くつもりなんだが、
どういう風に書いて欲しい?
天使の様に?
悪魔の様に?
それとも‥。
彼はその答えを私に委ねたが答えは出せなかった。
だってそれはこれからの人生をどう生きていきたいかという私の望みが反映されるからだ。
あなたはどう?
ツイストーリー12
とても心清らかな王様がいた。
王様は花が咲くと笑い、
花が枯れ落ちると泣いた。
そんな王様を心底慕う仕えの者たちは王様を悲しませてはいけない、
と国中の花を引き抜いた。
一輪の花さえもなくなったとき、
王様の涙は止まった。
そうしてもう二度と笑わなくなった。
めでたしめでたし。
ツイストーリー13
辛い苦しいと嘆く男がいた。
嬉しい楽しいと唄う男がいた。
悲しみの男は笑う男に苛立ち刃を突き立てた。
嬉しいね、これでやっと解放される。
そう言って笑う男は安らかに息を引き取った。
死ぬ勇気も無い弱虫の悲しみの男はそれから何十年も辛く苦しい思いをし
幸せの王国を創り上げた。
ツイストーリー14
幸運が続くと不運なことがそれと同じに訪れる、
と思っている人がいるが、
それは間違いだ。
凄い金持ちとどうしようもない貧乏の人がいる説明がつかない。
貧乏神は不幸な人が好きだし、
神様は金持ちが好きだ。
だから君が信じる神様にお布施をするのは止めないが。
本当の神は私なのだ。
ツイストーリー15
君は常識のある人間だ。
常識と言うものが1mの円だとすると、
君の常識は1cmくらいの円だ。
だから君の常識はまったく間違ってはいない。
ただ、圧倒的に足りないだけだ。
そうして君は
1mの円の中にいて1cmの外のいる私を
狂人だと罵り石を投げ殺した。
いや、
君は常識人だよ。
ツイストーリー16
ガン細胞は悪ではない、死なない細胞なのだ。
だから他の細胞はその存在を異物として排除しようとする。
では体の全てをガン細胞とすればどうだろう?
成功した。
不老不死の体だ。
髪の毛も切らなければどこまでも伸びる。
私は入り口のない塔から髪をたらし好奇心にかられた人を喰らう。
ツイストーリー17
「ダメです、この国の人間は靴を履く習慣がありません。靴は売れません」
「違うよ、まだ誰も靴を履いてないのだから魅力的な市場だ」
「ダメです、この国の人間は人を信じる心を持っていません」
「ならば。売りに行かねばなるまい、信仰心という素晴らしい商品を。行くぞザビエル!」
ツイストーリー18
夜、雪が降るのを見上げてると空に吸い込まれて行きそうな気分になる。
消失点から現れ視界の外側に流れて行く雪が、まるで宇宙空間の星々の様だ。
目指す惑星に雪は降るのだろうか。
新たなる地を求め人類は旅立つ。
あぁ、星の流れがまるで雪のようだ。
私は数十年の冷凍睡眠に入った。
ツイストーリー19
赤ん坊は別に赤く無い。
君はまだ青二才だが青くはない。
黄色は臆病者の色だそうだ、君のことだな。
絵の具でこの三色を混ぜると黒になり、
光でこの三色を混ぜると白になる。
ただこの三色があれば全ての色が作れるのだ。
その昔赤ん坊だった青二才の臆病者は何色に成りどんな絵を描く?
ツイストーリー20
「やっちまえよ」
「やめなさい」
俺の中の天使と悪魔がせめぎあう。
「あなたの為にやるべきです」
「めんどくせえやめときな」
…うるさい。
俺は拳銃を取り出し天使と悪魔を撃ち殺した。
自分の道は自分で決める。
三人寄れば文殊の知恵、なんて嘘だよな。
と、俺の中の誰かがそう言った。
ツイストーリー21
私にとり憑いた悪魔が
「あの飛行機には乗るな」
と言う。
結果その飛行機は事故を起こし墜落した。
「どうしてお前は私の命を救ったのだ?」
「キサマはいつも疲れた辛い死にたい、って嘆いているじゃないか。そう簡単に楽にはさせないぜ。ってことさ」
そうして私はとても長生きをした。
ツイストーリー22
「最後に一つだけ言っておく、俺は君のことが大嫌いだ」
それが嘘しか言わない彼の最後の言葉だった。
だからもちろん、彼が世界を救ったなんてことは嘘だと、世界中の人が思った。
「それでは、また会おう!」
と言って彼は二度と帰って来なかったのだ。
自称、世界を破滅に導く男の話。
ツイストーリー23
この胸の想いを伝えたいのだけどうまく話せる自信はないし
ならば手紙でもと文才など更に無し。
どうしたらいいのですと小説家先生にお尋ねしたら。
こう言った。
文才で恋が掴めるのなら私はもう小説など書かんよ。
歌でも一つ歌うが良いさ。
私が歌うと先生は可愛い笑顔を見せてくれた。
ツイストーリー24
魔法とは奇跡に近いもの。
奇跡とは可能性の凄く低い事だ。
たとえば50%の可能性を2回連続して起こせばそれは25%の奇跡を起こしたことになる。
それを限りなく小さな可能性まで繰り返した物が魔法なのである。
だからレベルの低い魔法使いの呪文はとても長い。
私は短い
「忘れろ」
■ツイストーリー25
「皆が寝静まった夜中洗面台の鏡の前に立ち
顏の耳だけを注視していると
耳が異系の異物の様に思え、
耳を切り取ったゴッホの気持ちがわかるようになる」
そう言うと人事部長は俺の顏をじっと見つめて
「損な役回りだよこうして会社の異物を切り取るのさ」
と私にリストラの旨言い渡した。
ツイストーリー26
いいですか?
幽霊とは幻想です!
そして共有する夢なのです!
つまりディズニーランドのキャラクターを想像するといいでしょう。
人々の想い描く幽霊像を壊してはならない。
はい、そこのあなた!
幽霊になったら心霊写真にピースで映ってやるんだ、
ってダメ!
書類選考で落とされますよ!
ツイストーリー27
私は先祖代々続く特殊な職業に就いている。
数十年に一度の仕事なのだが、
膨大な報酬が与えられる。
それはお札の原盤作りである。
偽札作りの誘いが後を絶たないが、
完璧な偽札が出回ると貨幣価値は下がる。
だから相手の国の紙幣を作る事が勝利に繋がる。
私は本物しか作らないのだよ。
ツイストーリー28
友好的同盟を結んだ鳥型宇宙人は猿の赤子を好んで食べた。
それはどうにかやめてくれないか?
と言うと
彼らは
ならば君らもニワトリの卵を食べるのをやめてくれ、
と返して来た。
その問題に答えを返すまでに新たなる宇宙人と友好関係を結んだ、
牛の進化した宇宙人と、
植物が進化した…。
ツイストーリー29
あんなことはしない。
と言う事は言わずに、
これをやる。
の方を語らなければならない。
なぜなら
やったけどダメだった。
は成長するが、
やらなかったから失敗しなかった。
は何の成功も望めない。
そう言ってソイツは陸に上がった。
魚が地上で生きていけるはずがない!
誰もがそう思った。
ツイストーリー30
清潔感が大事だということで髭が禁止になった。
こういった時代に寄る所の多い感覚には辟易させられる。
長髪がダメだというのも意味が分からない。
少し前にはチョンマゲという長髪で頭頂部を剃るという珍妙な民族がだ。
だいたい髭がないと狭い所をくぐり抜けるとき不便じゃにゃいか。
ツイストーリー31
弟子入りした師匠は私に何も教えてはくれなかった。
生活の世話をするばかりで時間だけが過ぎて行く。
私はいったいこの人の何を魅力を感じたのだろう?
その瞬間に私は理解し、
師に話すと、免許皆伝を頂いた。
そうして私は一人の弟子を取った。
あぁ、これでその理由を考え続けられる。
ツイストーリー32
生まれや社会的環境に左右されない、平等な世界を作りたい。
その方法についてつきつめていくと、
全ての人間が同じに、
黒人も白人もない、
むしろ男も女もない、
完全に同じ形になればいい。
いや、もちろん嘘だ。
私の思想に反対する者を全て抹殺すればいいだけだ。
平等な世界のために!
ツイストーリー33
彼の部屋はガラクタで足の踏み場も無いほどに散らかっている。
片付けるように言っているんだけどね。
聞けばここは他人のトランクルームであり、
そこに住まわせてもらっているのだという。
帰ろうとするとドアが消えていた。
どこにでも行けるドアだからね。秘密道具さ、と彼は言った。
ツイストーリー34
物語という物は作者が創ったものではないかのようなリアリティがなくてはならない。
作り物なのに本当にあった出来事を書いたかのようにだ。
ミステリー作家の先生はそう言った。
しかし、そうは言っても登場人物は作者に似ているものだ。
先生はまるで物語に出て来る殺人鬼の様に私を。
ツイストーリー35
今月は余裕があるなぁ、
と思っていたら
家賃を払ってなかったので、慌てて振り込んだ。
同世代に比べてなんか余裕あるなぁ、
と思っていたら
結婚してなかったので、慌てて結婚した。
人生はまぁ余裕だなぁ、と思っていたら
幼い頃の夢を思い出したので、お宝を求め七つの海に漕ぎ出した。
■ツイストーリー36
シャンプーとリンスは分けて売った方がいい。
なぜなら片方が切れてしまったとき、また同じ製品を買うだろう?
だから君も悲しいのに笑うなんてやめてくれ。
悲しければ泣けばいい。
悲しみが切れるまで泣くがいいさ、
笑いの詰まったボトルは僕が用意しておくからさ。
ふふ、変な顏だな。
■ツイストーリー37
風邪を引いた。
一人暮らしをしてから初の結構なヤツだ。
こういうときに微妙な距離のあの子に看病してもらえたらいいな。
と意を決し電話してみた。
「ごめ〜ん、今から借りてきた超感動する映画見るから無理〜」
とのことだった。
僕はおかゆを作って温かくして、寝た。
いろいろ治った。
ツイストーリー38
他人の敷いたレールをの上を行くのは嫌だ。
俺は自分の道を歩く!
というのなら、
まずそのレールがどのようにして作られたのか、
定刻通りに駅に着くシステム、
その運転手の挙動、
全てを完全に理解してからにするといい。
お気楽な客が砂漠を全裸で歩くというのだ。
学ぶことは山とある。
ツイストーリー39
山中キャンプの夜、テントに幽霊が訪ねて来た。
彼は無言で指差し私を導いた。
不思議と恐怖は無かった。
その場所に行って見ると既に息絶えた遭難者がいた。
私は急いで山を降り救助隊を呼んだ。
その場所に案内し、あちらです、と指差した。
そうしてようやく私の遺体は回収されたのだ。
ツイストーリー40
神様がいないことは皆知ってる。
だけどそれを大声で言うのは無粋なことだ。
神が何をするのかというと、人を救うことだ。
これなら私も神になれる。
誰かを助けてあげればいい。
だが、神を名乗ると怒られる。
しかし私は動じないこれは神が与えた試練なのだ。
ゆえに神は怒ったあなただ。
ツイストーリー41
ネットはなんでも教えてくれる。
もはやテレビもいらない。
地球の裏側のニュースも一瞬で僕の部屋までやってくる。
面白い動画も沢山あり飽きることは無い。
今まさに火事で燃えている映像が届いた。
僕のマンションだ。
ドアノブはもう触れぬほど熱い。
ここは13階。
では実況を始める。
ツイストーリー42
暑いなーやっぱ温暖化の影響かなー、
とか言っていたら蛙が足下で
「そんなに暑いなら水の中で暮らしゃあいいのに、まったく馬鹿者だね」
と言ったのでつまんで食べた。
空は結構涼しいのさと鷺はふわりと舞う。
それを見ていたモグラは潜る。
土の中も涼しいぜ。
人間ばかりが汗をかく。
ツイストーリー43
人生とはままならぬものだ。
私はあなた達に比べて非常に静寂な能力しかない。
だが、今素晴らしい環境におかれ、雑事に囚われること無く、
自分を高めることだけに集中できている。
ありがたいことだ。
今はまだ歩くことすらままならぬ赤ん坊だが、
いつかこの足で立ち上がって見せよう。
ツイストーリー44
音楽は心をなごませる。
それは膨大な情報を内包した存在だ。
たった数秒に人を感動させる何かがある。
だからあなたが私に伝えてくれたたった数文字の言葉も遥かな情動を持ってして私に伝わった。
しかし、答えはごめんなさいだ。
私つき合ってる人がいるの。
その時の気持ちを歌にした。
ツイストーリー45
私は芸術家を目指したが、認められなかった。
しかし政治の才能は多分にあり、私は一国の独裁者になる。
だがそれは破綻し。
私は銃口をこめかみに当てる。
しかし若い部下が私を止めてくれた。
「あなたの血で芸術を汚さないでください」
私の背後には画家に描かせた私の肖像画があった。
ツイストーリー46
勝った方が正義である。
ということを聞くがその通りで。
正義と正義が戦うのだ。
勝った方も負けた方も正義である。
ならば悪はどこにいるのか?
それはもちろん存在するが、
悪の証明は戦争をしないこと。
本当の悪は争いなどしない平和な人たちなのだ。
正義の為の戦争を眺めて笑うだけ。
ツイストーリー47
テレビで宇宙人がいるとかいないとか、
酷いのになるとUFOを信じるか信じないとかを半ば本気で語っている。
バカじゃなかろうか。
もし宇宙人がいたとしてもボンクラな地球人に見つけることなどできはしない、
こんなに近くにいる我々地底人をいまだ見つけることができないのだから。
ツイストーリー48
ホテルには13号室がなかったりする、
このビルには13階が無かった。
だがエレベーターには13階のボタンがあり。
私は好奇心からそのボタンを押す。
そうして彼は消えた。
しかし数年後彼はひょっこりとエレベーターに乗り込んできた。
建て増しされたそのビルは13階になっていた。
ツイストーリー49
モテたいだって?それは無理だろう。
君は無口だ。
なぜ死体が気持ち悪いかわかるかい?
しゃべらないからさ。
僕は死体じゃない、死体は動かない、僕は動く。
はは、それはもっと怖いじゃないか、
死体が何も言わずに動いている、
まるでゾンビじゃないか?
え?何?
脳みそ食わせろだって?
ツイストーリー50
自然を守る仕事がしたい?
いいことだ。
だがそれには決意が必要だ。
野生の動物にとって自然とは本能のままに暮らすことだ。
そこに理性はない。
だが我々人間が本能のままに生きるとどうだ?
…この通りの有り様だ。
君が自然を守りたいというのなら、
出来うる限り不自然に生きることだ!
ツイストーリー51
悩んでいるのなら良い方法を教えてやろう
「人生はゲームだ」と思えばいい。
ゲームの中で世界を救った経験はあるだろう?
現実はそこまでがんばらなくてもいいんだ、
そこそこの幸せを掴めばクリアだ。
リセットができない?
そんなことはないよ、そう言って大統領は核のボタンを押した。
ツイストーリー52
我が国は44年ぶり2度目のワールドカップ優勝の偉業を成し遂げた!
努力、才能、環境、様々な積み重ねの結果だ。
だがしかし、ここで気を緩めてはいけない。
地球チームは未だ宇宙大会の予選すら突破出来ていないのだ。
だが我々は知っている不可能などない。
本当の戦いはこれからだ!
ツイストーリー53
死んだらどうなるのかって?
簡単な話だ。
死ぬと時が止まる。
死んだ人がどこか遠くに行ってしまうように感じることもあるだろうが、
それは逆だ。
生きている君たちが死者を置き去りにしてどんどん時を進んでいくのだ。
だから君、ここのネジを回してくれないか?
私はゼンマイ式なんだ。
ツイストーリー54
私はこのひねくれた性格のおかげで友と呼べる者は一人もいない。
だが私を日々厄介事に巻き込む腐れ縁の腐れ切った奴が一人。
奴は言う。
おや、何を言ってますか、あなたが退屈しないように楽しいイベントを興行しているのですよ。
まったく、オマエは悪魔か何かか?
いえ、親友ですよ。
ツイストーリー55
不細工な人が整形、肉体改造するための費用を国が全て負担するという法が成立。
健全な精神は健全な肉体に宿るという理念に基づいたものだ。
当然、審査があり100人の審査員の70人に「あなたは不細工だ」と言われなければならない。
結果、人を見た目で判断しない世の中になった。
ツイストーリー56
夜、人通りの少ない道を歩いていると何か出そうで怖い。
それが幽霊なのか何かわからないが、
解らない存在と言うのが人に恐怖を与えるのだと思う。
だから私はそれを仮に中野さんと呼ぶことにした。
あぁ、それが最近オマエの話によく出て来る人なのか。
つーかよく会ってるの中野さん?
ツイストーリー57
よぼよぼの爺さんが現れて、はじめまして久しぶり!
と言った。
仕事が忙しかったがどうにも馬が合って夜通し飲み明かした。
数日後、
爺さんは死んだが、
俺はタイムマシンを完成させた。
過去に行きとある人物と会う、
そうしてはじめまして久しぶり!と言うのだ。
きっと話は弾むだろう。
ツイストーリー58
暑くて溶けそうだ。
暑くて溶けた人間はいないよ。
バカだな、実際に溶けてしまったら、それはもう人だと確認できない。
だから人知れず溶けた人間もいるかもしれない。
君はいったい誰と話しているのだい?
俺は目の前の水たまりに向かって話していた。
やがて水たまりは蒸発して消えた。
ツイストーリー59
「まだ夕方なん?まだ夕方なん?」
「夜だよ」
「なんで?まだ明るいやん!」
「夏だからな」
「なんで夏やったら明るいん?なんで?」
「夏休みだからな、夜も夏休みなんだよ」
「んじゃ昼は?」
「昼休みだよ」
「そっかー」
「そうだよ」
「そうだってお母さん!」
「馬鹿も休み休みイエー」
ツイストーリー60
魔法使いは普通の人間に比べてとても長生きだ。
基本的に一人で暮らして行くものだが、うっかり家庭を持ってしまった魔法使いもいる。
だがやはり百歳をも越えても元気だと不審がられるもの。
だからひっそりと人前から姿を消していくのだ。
なのでそんなに探し回らないでいただきたい。
ツイストーリー61
あるところに三つ子の姉妹がいた。
彼女達は三つ子の兄弟と出会い結婚し、それぞれに三つ子を生んだ。
彼女ら9人の子供は5人が女の子で4人が男の子だった。
バランスが悪いわね、と
一人の男の子が養子に迎えられた。
それが僕なんだ。
だから心配いらないよ元気な三つ子を生んでくれ。
ツイストーリー62
道路にチョークで落書きをしている女の子がいた。
ただ彼女は破線を延々と引いていたので
「それはなんなのだい?」
と尋ねると
「切り取り線だよ」
と答えた。
地球は丸いって聞いたけど、平らじゃない?
だからここで切り取って張り合わせて丸くするのよ。
そう言ってハサミを取り出した。
ツイストーリー63
ロダンの考える人は体を丸め眉間に皺を寄せるが、
本当に問題の解決を望むのなら、それは逆だ。
体を大きく広げ穏やかな表情を作り筋肉を弛緩させ思考する。
内へ閉じるのではない、心を外に解放する。
それが最良の答えを生む。
で、どんな問題が?
何、私の盆栽を?
歯を食いしばれ若造。
ツイストーリー64
「完璧な未来と完璧な嘘、どちらを選ぶ?」
「そりゃ完璧な未来だろう」
「しかし完璧な嘘をつけば完璧な未来も創造することができる」
「結局、嘘なんだから現実じゃないでしょ?」
「でも完璧な嘘なら現実をねじ曲げることさえ可能さ」
「嘘で創った未来なんて‥」
「バレなきゃ本当さ」
ツイストーリー65
流れ星がキラリと光る。
夜空には沢山星があるけれど全部流れてしまったら真っ暗になってしまうよね?
そうだ星が流れるのだから月も流れ星になる、すごく綺麗な気がする。
そして太陽も流れ星になるよ、すごい迫力!
そうして地球もいつか流れ星になるのだわ。
どこに流れてゆくのかな?
ツイストーリー66
私普通の人だから面白いことも、気の利いたことも言えないし、
バカだからしょうがないよねー。
無理無理、私になんて何にもできないよー。
と言うあなた!
そんなことはない「人の心を傷つける」ことに関して君は抜群の才能を持っていらっしゃる。
その証拠に私はもう死にそうな気分だ。
ツイストーリー67
コンビニの前にある「ビン・カン」のゴミ箱は中で繋がっていて意味がないと言う人がいるが、
これは死後の世界と同じで、
死ぬと「地獄の門」と「天国扉」があなたの前に現れ、
生前の罪や善行により行く道を決定されるのだが。
中は繋がっていて。
そこには何もないし
意味もないのだ。
ツイストーリー68
人生はクソゲーだ。と言う場合、
君はシュミレーションゲームやアドベンチャーもしくはRPGで想像しているのだろうが。
それは平和な国の話。
我が国ではシューティングゲームとして人生が成り立っている、
気を抜けば直ぐ死ぬし、
残機は1機のみ。
コンティニュー?
笑わせるな。
進め。
ツイストーリー69
画家になりたい?
やめておけ。君には無理だ。
私は絵を売る。
絵を買った者は部屋に飾り幾度となく眺めるだろう。
そう何度も私の絵を見る。
そうしてその時間を失うのだ。
その時間は膨大になり、つまるところ絵は見る者の命を奪うのだ。
どうだ、良い絵だろう?
命を捧げても良いほどに。
ツイストーリー70
痒い、蚊に刺された。
どうして蚊は痒くなる成分を入れてしまうのだろう?
それがなければ多少の血くらいかまわないのだが。
しかしかゆみがなければ、それはどんなに吸われようがいつまでたっても気付かないということだ。
昨今、原因不明の貧血での死亡が急増している。
意識が薄れる。
ツイストーリー71
たとえ話だが。
モナリザはその存在のため数百人の命を奪った。
この絵が存在しなければその命は救われる。
君は時間移動の能力がある。
過去に行き絵を描かせなければ良い。
どうする?
何に価値を置くのか。
そうして揺るぎない決断。
しかし絵が消えれば彼らは出会わず、君は生まれない。
ツイストーリー72
この掃除ロボットな自分で充電するんだ。
だから綺麗なんだ。
この部屋の主はもう帰ってこないっていうのにな、けなげだね。
電気代は自動振り込みだから冷房だって付けっぱなしだった。
だからこの被害者も腐らずにすんだ。
奴の懲役は長くなる。
そう言って刑事は彼女の電源を落とした。
ツイストーリー73
近頃、人が熊に襲われる事件が相次いでいる。
気を付けてはいたが、どうしても夜にこの道を通らなければならず。
出会ってしまった。
しかしそいつは熊ではなく虎だったのだ。
何故こんな所に虎が?私がそう口に出すと。
虎は言った。
うるさい人間だね。空をごらんよ。
今宵は満月だった。
ツイストーリー74
そうです。
このように私はわかった様なフリをして、それらしいことをもっともらしく語るのが好きな男なのです。
じゃあもしかしてアレも嘘だったのね。
もちろんそうです。
世の中に本当のことなどこれっぽっちもありはしない。
あるとすればそれは私が君を大好きだということくらいだ。
ツイストーリー75
人の一生などただの物語、
一冊の本にしてしまえる。
つまり人を構成するものは紙とインク、
それだけだ。
更に言うと口伝にすれば、
それは言葉だ。
人とは言葉。
そしてそれは声、音、空気の振動。
言ってしまえば君は空気の様なものなのだよ。
そうだろう?
空気が悩むなど馬鹿らしい話さ。
ツイストーリー76
「この不良め!」
「不良というのは不良品のことなのか?だったら君は良品か」
「そうだ!」
「良品は誰かに買われその見知らぬ誰かの為に一生働き続けるのだな、可哀想に。その点不良品は安心だな。自由だ」
「何を言う、不良品は捨てられるのだ!」
「良品は壊れるまで働かされるぜ?」
ツイストーリー77
「何の為に生きているかわからない」てな人が多いが、
それは今が不幸だから思っているだけで、
幸せになったら、いともさっぱりそんな事は言わなくなる。
つまり「幸せになること」が君の生きる意味なんじゃないのかね?
え?もっと大きな生きる意味が欲しいだと?
幸福を持て出直しな。
ツイストーリー78
私は整体師。
マッサージとはただ体を通常の状態に戻すこと。
すっきりした!と人は言うが普通に戻っただけのことだ。
この人もこれからゆっくりと自分で自分の体を異常な方向に持っていく。
そうしてまたやって来る。
それにより私は対価をいただく。
普通にするだけで稼げる良い仕事だ。
79ツイストーリー
30歳になった。
あぁ、どうしてこんなことになってしまったのだろう。
いや、わかっている何もしなかったからだ。
もしタイムマシンが在れば過去の自分に説教してやるのに!
突然、ドアを叩く音がして出ると見知らぬ爺さんが現れ言った。
「今からでも遅くは無いとっとと始めろ馬鹿!」
■ツイストーリー80
「凶器はこの凍らせたマグロ、そして動機はあなたの冷たい心!
私の心は凍てつく永久凍土の様に冷えきってしまっているというのに、
あなたはそんなにも暖かい血を流す!」
「おい、起きろ」
「はっ!…あれ?生きてる?」
「生きてるよ。ほら、よだれ垂れてんぞ」
「よだれが、暖かい!」
☆
140文字の物語。
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わーむほーる