「トラブルシューター シェリフスターズ」の既刊情報&感想
著者 神坂一 レーベル 角川スニーカー文庫

表紙画像のリンク先はbk1です。

シェリフスターズMS トラブルシューター Mission01 タイトル トラブルシューター シェリフスターズMS mission01
初版 2000/1/1
ISBN 4-04-414609-8
感想 本当に作者が書きたいもの書いたという感じの、アクション重視のハードでコミカルなSFですね。 ロス・ユニのよりシリアス版とでも言いましょうか。かなりグロいです。
うん、神坂一という作家、実はグロいのです。スレイヤーズも日帰りもロス・ユニも闇さだも。 ただ、コミックやアニメではそういう描写が削られてソフトな面ばかりが知られているだけなのです。
この作品は神坂一の新境地ではないですし、代表作にもならないでしょう。 でも面白い、典型的な神坂作品であることは確かです。正統派のエンタメ作を楽しみましょう。(1999/12/30)
シェリフスターズSS トラブルシューター Mission01 タイトル トラブルシューター シェリフスターズSS mission01
初版 2000/8/1
ISBN 4-04-414610-1
感想 ようやく単行本になったSS、まぁ面白いんですけどねぇ。(苦笑)
ハイ・ファンタジーではあれだけ破壊的なパワーを誇る神坂一が、 SFになると心なしか色褪せて見えてしまうのは何故なのでしょう。 この作者はストーリーよりも設定とキャラが売りだと言われますが、 SF設定がイマイチ平凡なのと、 人対人の切迫したアクションが無いとキャラの魅力が落ちてしまうのとで、 弾けた面白さが出せないのでしょうか。 作者がSF好きであるだけに、 もっともっと「SFでこんなことができるのか」と驚かせるような仕掛けを見せて欲しいところです。 「ロス・ユニ」はSFとは名ばかりのファンタジーでしたからね。(^^;
それはともかく、神坂一はこのシェリフスターズMS、SSを年1冊ずつ、 それにスレSPを年2冊ずつの年間計4冊のペースでしばらく行くのでしょうか? 角川と富士見がそれを許すとは思えないんですが。 密かにファンタジア文庫から新シリーズの計画があるような気がします。(2000/8/6)
シェリフスターズMS トラブルシューター Mission02 タイトル トラブルシューター シェリフスターズMS mission02
初版 2001/2/1
ISBN 4-04-414611-X
感想 イラストに騙されてはいけません。ガンガンにハードです。 今の神坂一には迷いがないというか「これが私のスタイルだ!」という自信がありますね。 斬新さはないし、それにも増してスニーカー文庫ですから売れないでしょうけれど、 オーソドックスなアクションSFとしては十分楽しめます。
でも、できればこの人にはSFよりもファンタジーを書いて欲しいですね。 神坂一の設定はもともとSFに影響されたものだとしても、 やはりファンタジーの中での方が光るものがあります。 オルドリン、フォンブラウンといったキャラのネーミングにはバリバリのSF路線がうかがえますが、 どうかな〜って思いますよ。今の若い人には分からないだろうし。(笑)
とはいえ、作者の力量は大したものだと思います。 この人にはこうやって書きたい作品を積み重ねていってもらえれば、それで良いのかも知れません。 少なくともスレイヤーズの本編第2部やロス・ユニの様に苦しんで書いていた時よりかは楽しく読めますよ。(2001/2/2)
シェリフスターズSS トラブルシューター Mission02 タイトル トラブルシューター シェリフスターズSS mission02
初版 2001/7/1
ISBN 4-04-414612-8
感想 「ラグナロク」と比べると分かると思うのですが、 この「シェリフスターズ」のコミカル&シリアスはファンタジア文庫から持ち込まれたものです。 スレイヤーズの作者ですから当然と言えば当然ですが。
それにしてもハード。イラストが軽いだけになおさら内容とのギャップが利いています。 これで強いメッセージ性があったらなぁ・・・と思うのですが、 そこは流行を鵜呑みにせずに、自分の好きな方向へ料理してしまう (それでも作家として食っていける)神坂一の余裕なのでしょうか。 とりあえずMS02と、このSS02はオーソドックスなライトSFとして読むだけでも、 十分にメリハリがあって面白いです。
メディアミックスに関してはお手並み拝見というところでしょう。 少なくとも斬新な設定や強烈なメッセージ性がない分、 「フルメタ」や「ラグナロク」よりはメディアミックスしやすい作品ですし、 失敗しても失うものがありませんから、気楽に見守りましょう。(笑)(2001/7/7)
シェリフスターズMS トラブルシューター Mission03 タイトル トラブルシューター シェリフスターズMS mission03
初版 2002/1/1
ISBN 4-04-414613-6
感想 いつからスニーカー文庫はこんなにハードになったんでしょうと思うくらい、ガンガンにハード。 イラストはともかく、内容はライトSFと呼ぶのがはばかられます。 SFという形を借りた「自分とは何なのか?」という強烈な問いかけ、これぞSFです。 やったぜ神坂一!やればできるじゃないですか。(笑)
メッセージ性とアクションは問題なし。 これでもう少しシリアスとギャグのバランスが取れて、強烈なキャラクターがいて、 角川が本気で宣伝をすれば、ヒットさせることは充分可能です。 一番の課題はキャラの押しの弱さでしょうか。宣伝の方は最近いろいろ動いている様ですから。 でも「SOMMY」を「SAMMY」としてしまうからなぁ・・・ 「ORPHAN」も「ORPHEN」にしてしまうし、ちゃんと作品の内容を理解して売って欲しいです、角川。
まぁ、売れるかどうかは置いておきまして、今後の展開がとても楽しみになってきました。 完結のさせ方が下手な神坂一ですが、はたしてうまくまとめられるでしょうか?(笑)(2002/1/20)
シェリフスターズSS トラブルシューター Mission03 タイトル トラブルシューター シェリフスターズSS mission03
初版 2002/7/1
ISBN 4-04-414614-4
感想 収録2編のうち、「シャドウ・オン・ザ・プラネット」は、 神坂一なら必ずやるであろうと予測できたハードでダークなSFです。 この作者、スレイヤーズでも散々グロいことやってますけど、こういうバイオハザードなネタが好きですねぇ。 ラストの締めがちょっと甘いかと思いますが、 コラードが遺伝子のバックアップを取っているので、まだ続きがあるのでしょう。 きっとまた同じネタが出てきますね。
「ロスト・ユニバース」はスペース・ファンタジーでした。 しかしこの「シェリフスターズ」はれっきとしたサイエンス・フィクションです。 そしてSFである意味、SFを書く目的がちゃんとあります。 特に目新しいネタではないかも知れませんが、オーソドックスでもこういう筋が通った作品は好きです。
売れ線からはどんどん離れていってしまっている感がありますが、 SFを目指した時点でそれは覚悟しておかないといけませんね。 この作者の場合もうこれ以上儲ける必要もないんだから、とことん書きたいことを書いちゃってください。 私は最後まで付き合います。(笑)(2002/7/7)
シェリフスターズMS トラブルシューター Mission04 タイトル トラブルシューター シェリフスターズMS mission04
初版 2003/1/1
ISBN 4-04-414615-2
感想 今まで通りのハードSF路線に加え、今回は影の主役ブーゲンビルが良い緊迫感を出していて、 シリアスものとしてきっちりとまとまっています。 キャラにスター性は無いかも知れません。売れ筋からは外れているかも知れません。 でも神坂一の確かな実力を示す1冊です。 騒がれていた時よりも今の幾分地味な作品の方が、 この作者の必然的に設定を組み立てていく上手さがよく見えるのではないかと思います。
にしてもブーゲンビル、好きだな〜、こういうしたたかなキャラ。 超人的な能力なんか全くないのに口八丁手八丁で生き残っていくところなんか、 「日帰りクエスト」のエリを彷彿とさせます。 彼には是非一般人代表としてシェリフスターの面々と渡り合って欲しいです。(笑)
あとサミーは3巻では「SAMMY」と表記されていましたが、嬉しいことに「SOMMY」に直りましたね。 やっぱり「誰か」なんだから「SOMMY」じゃなくちゃね。(笑)(2003/1/22)
シェリフスターズSS トラブルシューター Mission04 タイトル トラブルシューター シェリフスターズSS mission04
初版 2003/9/1
ISBN 4-04-414616-0
感想 MS04と全く同じ話をレティシアの視点からみたものです。 「神坂一版エンジェル・ハウリング」と言って良いでしょう。 まぁ、この手のザッピングを少年向けライトファンタジーで初めて明確にやったのは 「ブギーポップ」なんでしょうけども、今ではすっかりお馴染みの手法になりました。
そして内容も、今流行りの心理描写重視です。 流行の追従ですし、感動するほどのものではありませんが、 迫力のあるアクションシーンと合わせて読めば、なかなか良いレベルに達しているのではないかと思います。
神坂一は本当に器用な作家ですよね。 ファンタジーもSFもシリアスもギャグもしっかり書けるようになりました。 軽い軽いと言われますが、基本がちゃんとできていて、研究にも熱心な人だと思います。 15年間も人気作家でいられるのは、まぐれや偶然ではないですよ。(2003/10/20)
シェリフスターズMS トラブルシューター Mission05 タイトル トラブルシューター シェリフスターズMS mission05
初版 2004/2/1
ISBN 4-04-414617-9
感想 5年間続いたシェリフスターズもこの9冊目で完結。 神坂一って、日常のドタバタやクライマックスへの盛り上がりを描くのは抜群に上手いんですけど、 ラストの締めが「は、はぁ・・・そうなの?」というのが多いですね。 「スレイヤーズ」も「ロス・ユニ」も「日帰りクエスト」も「闇さだ」も面白かったです。 でもそのラストシーンは何を伝えたいのか良くわかりません。 「シェリフスターズ」も結局そうなってしまいました。 キャラと設定と個々のエピソードは得意だけど、全体のシリーズ構成が苦手ということでしょうか。 あるいはラストでは明確な解答ではなく読者への問い掛けをしたいのかも知れませんが、 それならそう持って行かないと。
折角ライトでハードなSFになってるのになぁ。 笑えて、そして考えさせてくれる作品なのですが、 ラストまで読んでしまうと傑作だとは言えなくなってしまいました。 したたかで器用な神坂一でも、全てを上手くまとめるのは容易なことではないようです。
もうスニーカー文庫で次回作の噂が出てきていますが、次はどんな路線でいくのでしょう。(2004/3/21)

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