ある一族の野望
〜「桐原家の人々」の既刊情報&感想〜

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著者 茅田砂胡 レーベル 中央公論新社 C★NOVELSファンタジア(再版)
桐原家の人々 1 恋愛遺伝学講座 タイトル 桐原家の人々1 恋愛遺伝学講座
初版 1999/9/25(再版)
ISBN 4-12-500613-X
感想 最初こそ、うわぁ、男が読む話じゃあないなと思っていたのですが... 中盤から爆笑!なんだなんだなんだなんだなんなんですかこれは!! こんな変な話、見た事も聞いた事もありません。 このシリーズはギャグだとあらかじめ知ってはいたのですが、 見事にやられてしまいました。話を作るのが上手い、さすがです。
この人の作品の素晴らしい所は、ハートフルでありながら設定もきちんとしている事です。 あまり商業的には売れなかったでしょうが、実力の片鱗は見せてくれています。 馬鹿馬鹿しいというか、こんなのある訳ねーじゃん!と思える内容にも関わらず、 あからさまな矛盾はないし、筋も通っている。 ティーンズ向けでここまで理屈を入れている作品は珍しいでしょう。 というか、よくも血液型も三兄弟の出生の秘密も考え付いた物です。 こんな変な家族の話を書くために。(笑)(2000/10/4)
桐原家の人々 2 恋愛心理学入門 タイトル 桐原家の人々2 恋愛心理学入門
初版 2000/1/25(再版)
ISBN 4-12-500634-2
感想 一体全体、この作者は普通の人を書けないのでしょうか?(笑)
何百冊か本を読んで、並大抵の事には驚かなくなりましたが、 デルフィニア戦記といい、この桐原家といい、唖然とさせられてばかりです。 世の中広いと言いますか、まだまだ人類の発想(妄想かも)が枯渇する心配はなさそうです。 だって、こんな変な話を考え付く人がいるんですから。(笑)
とにかく本作で、茅田砂胡という作家は今後も人気作を出し続け行けるという確信を持てるようになりました。 したたかです。とてつもなくしたたかで、質が安定していて、文章が綺麗です。 若木未生の様な魂の青二才も好きですし、上遠野浩平の青春路線もあれはあれでありだとは思いますが、 それらと茅田砂胡作品はスタート地点からして違うし、懐の深さも違うのです。 どちらが良いとか、正しいとかそういう問題ではなくてね。
いやはや、この作家に出遭ったのは今年最大の収穫かも知れません。。(2000/10/6)
桐原家の人々 3 恋愛統計総論 タイトル 桐原家の人々3 恋愛統計総論
初版 2000/9/25(再版)
ISBN 4-12-500675-X
感想 「レディ・ガンナー」からちょうど半年で、絶版を除いたこの作者の全ての本を読み終えました。 執筆ペースこそやや遅いですが、この人は秋田禎信、神坂一に匹敵する、 ストーリーも設定もアクションもギャグもできる作家です。 伝えたい事を持っていますし、なにより文体が上手いです。
キャラクターで押しまくる「スカーレット・ウィザード」を除けば、 「レディ・ガンナー」も「デル戦」もこの「桐原家」も、 女流作家としては珍しいほど非常に設定を重視した作品です。 こうした作品では逆立ちしてもタイトル通りのロマンスにはならないと、私は経験的に知っています。 そういう意味では、茅田砂胡はオーソドックスな、典型的な作家でしょう。 (ここで間違ってはいけないのは、あくまで典型的であって、常識的ではない事です。)
別の言い方をすれば、基本と理論の使い方を知っている人の様です。 人の行動と倫理観の距離を測って、意図的に常識を覆すことのできる人の様なのです。 何が当たり前で、何が人間として大切なのか? しっかり笑わせながら、上手いこと考えさせてくれるものです。(2000/10/17)
桐原家の人々 4 特殊恋愛理論 タイトル 桐原家の人々4 特殊恋愛理論
初版 2001/7/31
ISBN 4-12-500718-7
感想 キツいテーマを持ってきました。 毎回、決して読者を飽きさせない衝撃的な内容を用意してくる茅田砂胡ですが、 まさかグロいトラウマで攻めてくるとは思いませんでした。
元々ルビー文庫で出すつもりだった様ですが、ええ、言いきりましょう、
こんな内容、当時のルビー文庫では出せません。
(いや、ルビー文庫をまともに読んでいる訳ではありませんが。汗)
でも作者からのメッセージ性で言えば、なかなか良いところを突いているのではないでしょうか。 恐らくこの作品中で語られるようなトラウマは誰でも何らかの形で持っているでしょうし、 それは恥ずかしいことでも、克服できないことでもないと言ってくれているだけで、読んで良かったと思います。
ロマンスについては・・・もはや他作品 (敢えて具体名は言わないけれど、デルフィニア戦記とスカーレット・ウィザードとレディ・ガンナー) で実証され尽くしているので、些細なことは言うまい。 開き直ったタイトルが物語っている様に、 普通の人々を描けないこの作者に普通のロマンスを求めるのがそもそも間違いなのです。(をぃ)
お決まりの女装ネタも2回も出てくるし、妄想もきちんと入っていて、 良くも悪くもこの作者でなければできない仕上がりになっていると思います。でしょ?(笑)(2001/8/14)

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