| 感想 |
なにかと評判が高いので、読み始めてみましたら、凄い!
なかなか、ここまで追いつめられた心理を描く事はできないでしょう。
私は既に前田珠子や若木未生を結構読んでいるので、ある程度慣れがありますが、
初めて少女ファンタジーを読んだのがこれ、という人には、かなりショッキングな内容ではないでしょうか。
「日帰りクエスト」のエリは不条理な運命を笑い飛ばしましたが、
「十二国記」の陽子の場合は、自分の実力で真っ向から道を切り拓いて行こうとします。
その過程のなんと痛々しくて切ない事!
この痛々しさは前田珠子の「隻腕の神の島」や「破妖の剣」に通じるものがあります。
特にどうしようもなくなって民家に盗みに入る場面は、
女子高生の主人公にそこまでやらせるかというくらい怖いですね。
もしかしたら、この本をもっと沢山の人が読んだら、世の中は少しはましになるのではないか?
それくらい思わせる、人間の倫理観と心の根源に訴えてくる作品です。
素晴らしい。ファンタジーはこうでなくちゃ。(2000/5/6)
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