「ドラグネット・ミラージュ」の既刊情報&感想
著者 賀東招二
(きぬたさとし)
レーベル 竹書房Z文庫

表紙画像のリンク先はbk1です。

ドラグネット・ミラージュ タイトル ドラグネット・ミラージュ
初版 2006/1/27
ISBN 4-8124-2505-0
感想 「きぬたさとし」というのは架空の人物で、実際は賀東招二さんが書いているそうです。 そして賀東招二さんが書いたものがつまらない訳がありません。 ああ、どうしてこんな面白いものを今まで読んでなかったんだろう。 これ、ゼータ文庫というマイナーレーベルだからそれほど話題にならないだけで、 ファンタジア文庫から出てたらヒット作になっていたんじゃないかなぁ。
ライトノベルではあまり多くないアメリカ刑事ドラマもので、 ファンタジーフィクションなんだけれども、現実社会の問題を婉曲に描いているところは 「エイリアン・ネイション」あたりにヒントを得ているのではないでしょうか。 主人公たち刑事の任務は、あとがきにも書いてありますが、まんま「マイアミ・バイス」ですね。ケイ・マトバが帰還兵なところとかも。 あと南の島で雑多な文化が入り乱れているところなどは賀東さんが参加していた「蓬莱学園」の影響もありそうです。 おなじみのインチキ坊主、ビズ・オニールもでてくるし。
オリジナリティは多分ほとんどないと思うのですが、完成度は高いです。 賀東さんはベタなネタを消化し、練り込んで自分のものにしてしまうタイプの作家さんなんでしょうね。 アメリカ刑事ドラマが好きな方にはお薦め。 ハードボイルドとはちょっと違うかも知れませんが、骨太で不器用な男のダンディズムが炸裂してます。(2007/6/30)
ドラグネット・ミラージュ2 10万ドルの恋人 タイトル ドラグネット・ミラージュ2 10万ドルの恋人
初版 2007/3/8
ISBN 978-4-8124-3011-8
感想 きぬたさとしさんがどこかに行ってしまった第2巻。
良い!良い!凄く良い!ドン・ジョンソンみたいなハンサムじゃないけど私はケイ・マトバが大好きだ!
悪役や脇役も良いです。 どうやらシリーズを通しての悪役になりそうなゼラーダは一筋縄では行きそうにないですし、 吸血鬼も悪役なりにいろいろと考えさせてくれるキャラでした。 ジマー警部は渋いし、そして何と言ってもゴドノフ刑事です。 ゴドノフ。ハリウッドのアクション映画好きならこの名前でピンと来るはず。 そう、「ダイ・ハード」で悪役を演じた故アレクサンドル・ゴドノフですよ。 樋口明雄さんの「ヴァンパイア特捜隊」や、確か高瀬美恵さんの「リスメイヤ」でも、同人物をモデルにしたゴドノフというキャラクターが登場します。 愛されてるなぁ、ゴドノフ。
このシリーズを読んで思ったのですが、賀東招二さんはライトノベル作家としては実写映画・実写ドラマからの影響が強いようですね。 「フルメタ」にしても、ロボットアニメや小林源文さんのミリタリーコミックの影響は絶対にあるにしても、 同時に実写アクション作品からの影響も濃いと思います。 ティラナのヒロイン像も(篠房六郎さんのイラストのイメージによるところが強いですが)、 アニメ・コミックというより海外の実写フィクションに近いものでしょう。 外観と戦闘能力にギャップがあるいわゆる戦闘美少女じゃなくて、肉感的なアマゾネス系のキャラクターですよね。 いや、かなめやテッサは戦闘美少女系ですけど。(2007/6/30)

竜人館に戻る。
このページに関するご意見、ご感想は、 ぎをらむ、こと嬉野通弥(ureshino@i.bekkoame.ne.jp)まで。