| 感想 |
「きぬたさとし」というのは架空の人物で、実際は賀東招二さんが書いているそうです。
そして賀東招二さんが書いたものがつまらない訳がありません。
ああ、どうしてこんな面白いものを今まで読んでなかったんだろう。
これ、ゼータ文庫というマイナーレーベルだからそれほど話題にならないだけで、
ファンタジア文庫から出てたらヒット作になっていたんじゃないかなぁ。
ライトノベルではあまり多くないアメリカ刑事ドラマもので、
ファンタジーフィクションなんだけれども、現実社会の問題を婉曲に描いているところは
「エイリアン・ネイション」あたりにヒントを得ているのではないでしょうか。
主人公たち刑事の任務は、あとがきにも書いてありますが、まんま「マイアミ・バイス」ですね。ケイ・マトバが帰還兵なところとかも。
あと南の島で雑多な文化が入り乱れているところなどは賀東さんが参加していた「蓬莱学園」の影響もありそうです。
おなじみのインチキ坊主、ビズ・オニールもでてくるし。
オリジナリティは多分ほとんどないと思うのですが、完成度は高いです。
賀東さんはベタなネタを消化し、練り込んで自分のものにしてしまうタイプの作家さんなんでしょうね。
アメリカ刑事ドラマが好きな方にはお薦め。
ハードボイルドとはちょっと違うかも知れませんが、骨太で不器用な男のダンディズムが炸裂してます。(2007/6/30)
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