| 感想 |
鬼気迫る心理描写です。
リアリティの面では「十二国記」に、電波の面では「グラスハート」に匹敵すると思います。
智美と優子、主役2人の未完成な人格の描写については文句の付けようがありません。
青春小説として、今まで読んだ中で最高のレベルです。
自分の弱い心を見透かされているようで凄い怖いですね。
ほとんど泣きそうになりながら読みました。
ただ、現実面でのハードさが際立っているだけに、ファンタジーとしての物足りなさを感じてしまいます。
この作者はファンタジーを現実の一側面を映す鏡として使うことには成功しています。
しかしそのファンタジーは現実の延長であり、現実に従属するものとしてしか扱われていません。
いや、確かに実際の世界はそうだと思います。それは正しいでしょう。
でもそれでは「ファンタジー」とは呼べないんじゃない?(笑)
「フルメタル・パニック!」とか「すてプリ」とか、「十二国記」もですけれども、それらは「ファンタジー」です。
ファンタジーと作者のメッセージがセットで伝わってきて、それを分けるのは読者の仕事です。
けれども「カラミティナイト」は違いますよね。
作者のメッセージは強烈ですけれども、
それは現実を描くことで伝わってくるのであって、ファンタジーを通してはいません。
まぁそのストレートなところが、この作品の良さでもあるんですけれど、
もうちょっと読者の想像力が入りこめる余地を用意しておいてくれたら、と思います。
そうすれば、多分最後で泣けました。贅沢かな。(笑)(2002/10/3)
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