「ブギーポップ」の既刊情報&感想
著者 上遠野浩平 レーベル 電撃文庫

表紙画像のリンク先はbk1です。

ブギーポップは笑わない タイトル ブギーポップは笑わない
初版 1998/ 2/25
ISBN 4-07-308040-7
感想 しつこくなくていいよ。(^^)
本当は人間ってこうであっちゃいけないのかも知れないけれど。 でも、それをさらりと書いてくれて、嬉しいです。 甘えとも言えなくはないんだけどね。
病んでるよ。でも病んでるんだということを言えるようになった、 分かってくれる人がようやく増えてきたから、 こういう本が売れるようになったんだろうね。
そして、そんなこんなを「まあいいじゃん」で突き放せるところがまた凄いんだ。(1998/4/25)
タイトル ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーターPart1
初版 1998/ 8/25
ISBN 4-07-309430-0
感想 これはファンタジーというよりサイコスリラーなんですけど、 ひどくイレギュラーな、簡単に人目について、だけどとても説明のムズカシイ作品です。
こういうのが売れるという事は、すなわち今の世の中が病んでいるんですよね。
ファンタジーというのはフィクションとはいえ、元々現実を婉曲に揶揄する部分があるわけですが、 この作品はそこを曖昧にするのでなく、心理学的な手法を使ってストレートに、 ある意味非常にわかりやすく突いています。 10年前なら、こんな手法「よく分からない」とそっぽを向かれていたのでしょうが、 エヴァが流行り、ヒーリングが通用した世紀末には、これが最もお似合いなのでしょう。
これはライトファンタジーの行き詰まりなのでしょうか? それとも、新たな境地への入り口なのでしょうか?
どちらにしても要注意です。(1998/11/22)
ブギーポップ・イン・ザ・ミラー 「パンドラ」 タイトル ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーターPart2
初版 1998/ 8/25
ISBN 4-07-309447-5
感想 恐いです。得体の知れない怖さです。
伏線の張り方も見事ですけど、心理描写、と言うかもう心理戦と言ったほうがいいですね、 その心理戦に圧倒されます。 条理と不条理、秩序と混沌、生と死の使い分けがとても上手くて、 いや、それは単純に2極に分けられるものではないのですが、 その2つのスイッチが実にスムーズなのです。 ホントに読んだ後に、あれ?一体何処で何時の間にこうなったんだっけ? と狐につままれたようになるくらい、展開が流れていきます。
そして「結末−そこにはおそらく何も待ってはいない」。
なぜならブギーポップは何も与えてくれないから。 スプーキーEは消え、イマジネーターは敗北しても、 ブギーポップはただ消えて行くだけなのだから。また自動的に浮かんで来るまで。(1998/11/23)
タイトル ブギーポップ・イン・ザ・ミラー 「パンドラ」
初版 1998/12/25
ISBN 4-07-310350-4
感想 この4冊目で確信しました。このシリーズは必ずやブレイクします。問題作です。
これを読んでいて思い出したのがCLAMPの「東京BABYLON」と藤原京の「邪眼」です。 両作ともマイナーですが、ブギーポップは「東BABY」の危うさと「邪眼」の怖さという、 両者のいいとこどりをしたような作品に仕上がっています。
更に、若木未生作品に見られるような「言葉を越えて伝わるもの」がある様に感じます。 これはとても説明しにくいのですが、 人間の深層心理にはどうしても言葉で説明できない領域があって、 その領域に踏み込むためには、とにかく言葉で説明できる領域を全て書き尽くすことしかない、 書き尽くしてやろう!と言う様なものです。 思い付く精一杯の言葉で説明してみても、どうしても説明できないもの。 それこそが人間の本質なのではないか? それこそがパンドラの箱に残された最後の一片なのではないか?な〜んてね。(^^;
ま、少年向けのファンタジーでも遅れ馳せながら、 ようやく心の負の部分をまっすぐ見つめる作品が出てきた事は、称賛すべきでしょう。 健全に生きている人には、理解不能の世界でしょうけど。(をひ)
思春期の揺れる心の影を鋭くえぐったブギーポップ、最高にヤバイです。(1998/12/23)
ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王 タイトル ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王
初版 1999/ 2/25
ISBN 4-07-310887-5
感想 書きたいことは山ほどあります。
個人的な評価はイマイチかな?...と思いつつも、やはり私は作者の罠にはまってしまったようです。
さてこのシリーズ、ストーリーのキーマンをブギーポップという主体のない (と本人は言っているが、嘘かも知れない)キャラにした点で非常に成功している、 というか救われているのではないでしょうか?
というのも、ブギーポップは結局、破局に対する安全装置でしかあり得ない自発性のないキャラであり、 よって問題の解は、常に他のキャラあるいは読者に委ねられるわけです。
それは、メインストーリーにはいつまで経っても明確な普遍的な解は出てこないのに、 他のキャラはそれぞれの確固たる解を出してくるという、 とても巧妙なシステムを作り出しています。
さながら、枝葉を茂らせつつも、新芽は更に上へと伸び続ける樹のように。
心を扱った作品でありながらここには、ありがちな循環思考はありません。 常に新しい視点が用意されています。矛盾はきっと見つかるでしょう。 でもこの作者は、その矛盾にも真っ直ぐに向かい合う勇気 (それが偽善であるかどうかはこの際、問題ではない)があるような、そんな気がするのです。(1999/2/11)
夜明けのブギーポップ タイトル 夜明けのブギーポップ
初版 1999/ 5/25
ISBN 4-8402-1197-3
感想 残念なことに「強さ」がテーマの1つでありながら、あまり強さが感じられないですね。 破妖とグラスハートを読んだ直後なので、なおさらにそれを感じてしまいます。 「歪曲王」でもそうなのですが、全体の雰囲気が強さよりも優しさにあるんですよね。 それはそれで良い。謎解きも設定の補完も面白い。 でもね、それは既に他の人がやってるでしょ?それは破壊して欲しいんです、私は。
これは「進化」していない。これは「突破」していない。
そんなこんなを考えていると、やはりブギーってハードロック、 とりわけプログレとパンクの影響が大きいのかな? 既成のものを壊していたはずなのに、いつのまにか自分の悩みの中で安らぎを求めているような、 そんな煮詰まった世界で苦しんで...。 それでも救われているのは、全てが相対化されていることでしょうか。 1巻を通した主役が凪でありながら、「スタイル」が一番浮いてる話だったり、 統和機構の重要度が低いことが分かってきたり...、 まだまだ、なかなかねー。(^^;(1999/5/9)
ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師 タイトル ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師
初版 1999/ 8/25
ISBN 4-8402-1250-3
感想 やってくれたなぁと思います。 私の中では、少年ファンタジーはようやくこの本によって、少女ファンタジーに追いつけました。 それは創造する者と消費する者との間のスタンスであり、また栄光と没落でもあるわけですが、 とにかく、芸術って何なの?という痛烈な疑問と問いかけをしてくれた様で嬉しくて仕方ないです。 恐らく、私が一方的に思い込んでいるだけなんでしょうが。(^^;
正直言って、この話は一般受けしないでしょう。シリーズ1作目がこれだったら、まず売れません。 でも売れてるシリーズなら、これも許されるし、 売れてるからこそ思い切ってこんな話ができたんでしょう。 没落、失敗、挫折と言ったものを美談にしなかったのもナイスです。
沢山の人に読んで欲しいけれども、どう見てもマニア向けですね、これは。さぁ売れるか?(^^;(1999/8/8)
ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ浸蝕 タイトル ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ浸蝕
初版 1999/12/25
ISBN 4-8402-1358-5
感想 えぇと、ですねぇ、まずこの本は電撃文庫の読者には売れないでしょう。(笑)
面白いです。着眼点も良い。 「ペパーミントの魔術師」以降のディープさは健在で、 特に前半は、過去のトラウマや劣等感を完全に克服できてない人(オマエだよオマエ>自分) にとっては、かなり冷や汗ものです。
ただねぇ、「歪曲王」「夜明けの...」で一度読者に媚びてしまった後では、 このハイエンドなポップさは健全な多数派の皆さんからの支持を得られないと思う。 つまり「うわ、こいつぁヤバイぜ」というのはあっても、「売れる!これはヒットだ!」とは思えないんです。
それが悪いとは言いません。というか「ペパーミントの魔術師」でそこらへんのところは既に語り尽くされてますよね。 だからもう、このシリーズは作者の好きなディープでマニアックでハードロックな道を行くのでしょう。 それで良いんじゃない?あまり悩むなよ?(苦笑)(1999/12/11)
ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生 タイトル ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生
初版 2000/ 2/25
ISBN 4-8402-1414-X
感想 なんだかなぁ。良く分かんないや、これ。
一応、一気に最後まで読めたので、読みにくいと言う事はないのですが、 クライマックスがどこにあったのか...。ストーリーも完結してるようなしてないような。
作者の言いたい事は分かるんですよ。でもそれが真っ直ぐに伝わってこない。 プロの作家なら、頭でっかちの理屈より、ストーリーの中で問答無用に感動させなきゃ駄目ですよ。 「VSイマジネーター」や「パンドラ」で見せたあのポップはどこに行ってしまったのでしょう? ディープである事は確かだけれど、伏線がありすぎて、しかも未消化のものが多くて、 1つのエピソードにまとまってないような気がするんですが。(汗)
シリーズとして煮詰まってきてしまっているのでなければ良いのですけれど。 なんか凄い悪い予感がします。(2000/2/9)
タイトル ブギートーク・ポップライフ
初版 2000/ 2/25(CD「ニュルンベルクのマイスタージンガー」付録)
ISBN なし
感想 良いなあ。「エンブリオ」みたいに答まで書いてしまうより、 こういう問いかけの方が私は好きです。 作者の主張もファンサービスもしっかり入ってるし、 タイトルがとてもピッタリしています。
「”存在を消費して、無いものに変えてしまうことを当然とする”という姿勢」 をしている人が最近沢山いますねぇ。 シリーズとしてのブギーポップが「崖っぷちに、常に立たされている」ことを 作者が一番強く感じているのでしょうか。 「エンブリオ」の様な悪意がない代わりに、 この短編にはもっと痛烈な皮肉が込められているような気がします。(気のせいか?)
ただ話すだけでは駄目なのです。そこからどういう生きるか、 そこまで行かなければ「彼」の言葉は虚しく消えてゆくだけでしょう。(2000/2/26)
ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド タイトル ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド
初版 2001/ 2/25
ISBN 4-8402-1736-X
感想 今さらですけれど、 このシリーズの面白さは設定や構成がどうのよりも、 個人個人の関係、この巻で言うなら朱巳とミセス・ロビンソンの 本物なのか偽者なのか本人達にも分からなくなっている親子関係なんじゃないかと思ったりして。 そりゃ、「巫女」穂波顕子が出てきた時はほほぅ!と思いましたよ。 ブギーポップと顕子は直接会っていないですから、 「VSイマジネーター」までにはもう一つエピソードがはさまるんだな、とか推測したりもしました。 そういう楽しさも確かにあります。 お馴染みのキャラ、いっぱい出てくるしね。朱巳の物語として捉えるのもそこそこ面白いでしょう。
でも、一番はっとさせられたのは、雑誌に先行掲載されたミセス・ロビンソンの部分でした。 他の部分は「歪曲王」や「夜明けの・・・」くらいの面白さですが、 ミセス・ロビンソンのところだけは「笑わない」や「パンドラ」で見せた、 あの懐かしい快感を思い出させてくれました。(2001/2/11)
ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト タイトル ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト
初版 2001/ 9/25
ISBN 4-8402-1896-X
感想 てっきり「VSイマジネーター〜エンブリオ〜ビートのディシプリン」の流れかと思っていましたが、 「パンドラ」「ペパーミント」と似た独立性の高いエピソードです。 けれども「パンドラ」と比較すると格段に印象が薄いですね。 アンバランスと言っておきながら、ホーリィもゴーストも葛藤を器用に処理して生き延びてしまうし、 肩透かしを食ったような感じです。 面白いことは認めましょう。 でもこの程度のリアリティと不安と興奮ならば別にこのシリーズでなくても体験できるものなのです。 やはり「突破」してくれなければね。(謎)
それに犯罪って、世間からは忘れられても、当事者たちにとっては深刻な影を残すものではないでしょうか。 これでは結果的に犯罪を軽視していると言われかねないのでは。(汗)
シリーズ構成では、いつも通りいろいろと仕掛けてきました。 こういう時、凪や寺月のように謎の多いキャラは便利です。 でも黒帽子の彼は今回、凪様と親交を深めるつもりはなかったらしい。(笑)
そしてピート・ビートはレイン、パールに加えてリセットにまで狙われる羽目になるのか? 悲惨な奴だ・・・。(謎)(2001/9/9)
ビートのディシプリン Side1 Exile タイトル ビートのディシプリン SIDE1[Exile]
初版 2002/ 3/25
ISBN 4-8402-2056-5
感想 連載中は良く分からなかったのですが、なるほど、 これは「世界の敵」にも「世界の敵の敵」にもなれない少年の話ですね。 もともと「ブギーポップ」というシリーズは、ブギーポップが関わってくる事件を通して 作者のメッセージを表現するものであった訳ですが、 どうも短編「ロンドン・コーリング」あたりから、 ブギーポップが出てこなくても同じ主張ができるのではないか?と作者が考え始めたような気がします。
「ブギーポップ」というシリーズを書くならば、ブギーポップが出てくる必然性を作らなければならない。 しかし必然性がなければ無理に出さない方が良いし、 あるいはわざと必然性のない話を書いてブギーポップの存在意義を問うて見るのも良いかもしれない、 そう考えたのではないでしょうか。 ひとつはっきりしているのは、作者にとってブギーポップというキャラクターは、 メッセージを伝える手段ではあっても、目的ではないということです。
え?感想になってない?ん〜、20年前の学園SFラブコメを彷彿とさせるものがあって懐かしかったです。 「ねらわれた学園」とか知らない?知らないか。じゃあいいや。(笑)(2002/3/22)
ブギーポップ・スタッカート ジンクス・ショップへようこそ タイトル ブギーポップ・スタッカート ジンクス・ショップへようこそ
初版 2003/ 3/25
ISBN 4-8402-2293-2
感想 今回は「ブギーポップ」と「ビートのディシプリン」をつなぐエピソードです。 しかしその・・・「今回」というのをどこからどこまでを含めると考えるべきかあいまいになってしまいます。 単行本だけでは今回のエピソードがどれくらい凝った構成になっているのか分かりません。 電撃hp21号の「ミスター・ジンクスは遊ばない」、同22号の「死神と断片」、 そして「ジンクス・ショップへようこそ」の順で読んでいただけると楽しめると思います。 問題は作者の意図通りに読む人がどれくらいいるかですけど。(爆)
内容については、う〜む、MPLSの大安売りはどうかと思います。 しかもみんな自業自得の自滅パターンなので、表層をなめているだけのような気がしてなりません。 一方で末真博士と藤花は随分と優遇されています。 MPLSや統和機構からモテモテだったり、 変身して駆けずり回らされた挙句浪人するのが優遇と呼べればの話ですが ・・・まぁ、多分この作者の作品ではそれが優遇なんですよ。 だって凪様なんか真っ先にこういう話に首突っ込んで来そうなのに出てこないし。(笑)(2003/3/9)
ビートのディシプリン Side2 Fracture タイトル ビートのディシプリン SIDE2[Fracture]
初版 2003/ 8/25
ISBN 4-8402-2430-7
感想 帯のコピーは「崩壊のビートが黒帽子の死神を呼ぶ」となっていますが、全然違います。 ビートは世界の敵になれないんですから、黒帽子は呼べません。呼んだのはザ・ミンサーです(笑)。 これは世界の敵になれない少年ビートと、 世界の敵になってしまう合成人間たちの生き様とを対比した物語です。 で、そうなると世界の敵を倒すために黒帽子が出てくるしかないんですよね。 まぁ、人気取りじゃなくて、必然的な登場なので良しとしましょう。(笑)
しかし緒方剛志さんはもうちょっとキャラを描き分けてくれないものでしょうか。 これまで登場したキャラがバシバシ出てきますが、 単行本だけ読んでいる人のほとんどはイラストの見分けがつかないでしょう。 私は電撃hp24まで読み進めて初めて、 口絵第1ページに描かれているのがレイン・オン・フライディこと九連内朱巳であることに気付きました。(汗)(2003/9/19)
ビートのディシプリン Side3 Providence タイトル ビートのディシプリン SIDE3[Providence]
初版 2004/ 9/25
ISBN 4-8402-2778-0
感想 「ビートのディシプリン」が始まった時は、ビート1人が主人公の話だったように思うのですが、 いつのまにかビートを中心とした関連キャラ全体の群像劇になってきました。 まぁ、元々視点を頻繁に切り替えて複数の主人公を描くのを流行らせたのはこの人ですから、 原点回帰というところでしょう。この方が面白いですし。
合成人間やMPLSの超能力バトルにはちょっと退屈してしまいます。 その中で真人間の九連内朱巳がそれなりに存在感を示しているのが良いですね。 やはり上遠野浩平はアクション向きではありません。心理戦向きです。 しかし統和機構の中枢候補って、末真博士にしろ九連内朱巳にしろ、 合成人間でもMPLSでもなくても構わないんでしょうか(そもそもMPLSの定義があいまいだけど)。 中枢の代替わりというのがどういうことなのか、超能力バトルなんかより、 そっちの方に興味がありますね。(2004/9/20)
ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス タイトル ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス
初版 2005/ 4/25
ISBN 4-8402-3018-8
感想 「ジンクス・ショップ」や「ビートのディシプリン」が統和機構の後継者という切り口から シリーズ全体に関わってくるのに対し、この話はエコーズの仲間や「ストレインジ」という切り口です。 最終的にはどちらも同じところに行きつくんでしょうけどね。 そしてやっぱりイマジネーターや黒帽子はユング心理学における 普遍的無意識をヒントにしているんだなぁと思いました。
あと飛鳥井仁とスプーキー・Eって今考えると人間の精神を 魂と脳の面からアプローチしていく対照的なキャラだったように思ったりもしました。 ちょうど「とある魔術の禁書目録」の「教会」と「虚数学区」が、 魔術を心理的な面と物理的な面から説明しようとしているようにね。 こういう心理と物理の相対するスタンスが、「ブギーポップ」のもたらした新しさの1つだったのではないかな、 と最近思い始めています。 少なくとも「スレイヤーズ」や「オーフェン」にはこういうものはなかったでしょう。
それから「コールド・メディシン」こと蒼衣秋良は、雑誌掲載時は嫌な悪役だな〜と思っていましたが、 この単行本ではずいぶん良い奴になっちゃいましたね。というか主役の1人だったのか(汗)。 「しずるさんとよーちゃん」シリーズに出てくる「雨宮」は「リミット」だと断定していたのですが、 リミットかリセットか分からなくなっちゃうし、こういうところ、上遠野さん作品は先が読めません。(2005/7/24)
ビートのディシプリン Side4 Indiscipline タイトル ビートのディシプリン SIDE4[Indiscipline]
初版 2005/ 8/25
ISBN 4-8402-3120-6
感想 統和機構の中枢候補が合成人間やMPLSでなくても構わないのか疑問だったのですが、 合成人間って普通の人間からもなれるんですね。 というわけで末真博士の合成人間化計画GO♪(違うだろ)
まぁ上手くまとまっているのではないでしょうか。 ブギーポップを読み始めた頃の「すげぇ!こんな小説は読んだことがないぜ!」という熱狂はもうないのですが、 一娯楽作品としてはしっかり楽しめました。 番外編のような感じだったのに、途中からブギーポップ本編にもろに絡んできましたね。 (ブギーポップに本編などないのかも知れませんが。笑)
次回作への引きも上手いです。ヴァルプルギスって・・・魔女ネタですよね。 しかも上遠野浩平さんは以前に「電撃徒然草」で 「魔女というニックネームの人物は一人しかいない」と書かれているので これはどう考えても「ヴァルプルギス=魔女=凪」でしょう。 ということは「ヴァルプルギスの後悔」って、いわゆる「魔女の時節」である可能性大。 うん、先はまだまだ長くなりそうですね。どういう展開になるのか、気長に待ちましょう。(笑)(2005/8/21)
ブギーポップ・イントレランス オルフェの方舟 タイトル ブギーポップ・イントレランス オルフェの方舟
初版 2006/ 4/25
ISBN 4-8402-3384-5
感想 「ブギーポップは笑わない」の時ほどのインパクトはないですが、ヤバイ作品です。 上遠野浩平さんはやはり上遠野浩平さんでした。 上遠野さんは「正義」とか「青春」とか「成長」とかいうものに対して照れがあって、 そういうものを100%肯定して書くことがほとんどありません。 でもきっと嫌いではないでしょう。でなければこんな話は書きません。
「オルフェの方舟」の主要登場人物の大半は、世界から受け入れられず、 もがきながら結局は物語世界から退場していきます。 破滅型のストーリーと言って良いでしょう。 でもそれはただの破滅賛美には終わりません。 なんというのかなぁ、ストーリーはだいぶ違いますが 若木未生さんの「ハイスクール・オーラバスター」でしばしばみられるようなスタンスです。 世界に受け入れられないことに理解は示してくれて、それが一種のロマンである事も確かだろうけど、 でも……マジでは言えないけれども、社会的にはそれはダメなんだよ君、という感じ。 字面だけを追っていくと極めて非道徳的でしかないのですが、 上遠野さんの伝えたいことはきっとその裏にあるのです。 それは上遠野さんにとっては、裏に隠さなければ伝えられないことなのでしょう。(2006/4/29)
ブギーポップ・クエスチョン 沈黙ピラミッド タイトル ブギーポップ・クエスチョン 沈黙ピラミッド
初版 2008/ 1/25
ISBN 978-4-8402-4141-0
感想 (未読)

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