僕の中のピーターパン

著者:夢幻★infinity


ある日、僕は考えていた。
僕はこれからどう成長していくのだろうと・・・・・

たくさんの経験を積み、年相応に生きていく
そして、逆境にも負けない心を持つ人間になる・・・・
そんな風に生きて行けたらいいな・・・・・

その時、アイツが目覚めた。

「ホントにそう思う?
 朽ちゆく肉体、汚れる精神、苦境に堪え忍ぶだけの世界!!
 そんなのつまらないに決まっているじゃないか!!」

誰???
キミは誰なんだい???

「そんなのはどうでも良いじゃないか!!
 そんなことより、キミはホントにそれで良いのかい???
 僕が良いところに連れてってあげるよ!!」

連れて行かれたのは、夜の高層ビルの屋上。
ビル風が強く、風が冷たい。

「綺麗だろ?
 まるで僕たちのためのイルミネーションみたいじゃないか!!
 腐った世の中、喧噪とした世界・・・・・
 それらを全て忘れさせてくれる場所だとは思わないかい???
 まるでここだけ時が止まっているようじゃないか!!」

僕は次第に彼に惹かれていく。

「だけど、ここから一歩離れれば、
 また、つまらない世の中に早戻りさ!!
 そして、精神は汚れ、肉体も朽ちていく・・・・・
 キミはホントにそれで良いのかい???」

頭の中に彼の声が響きわたる。

「さぁ、僕と一緒に行こうよ!!
 あの景色の向こう側へ!!
 永遠の時の待つ夢の世界へ!!
 一緒にネバーランドへ行こう!!」

僕は彼に手を引かれて、
ネバーランドへ旅立った。

 

− 了 −

 

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