−−−第六章−−−
「お、鬼退治ー!!」
桃太郎こと一矢は突然の事に驚いています。
「そうじゃ、桃太郎!!
鬼退治じゃ!!
嬉しいだろ?」
おじいさんが嬉しそうな表情でそう言いました。
桃太郎は硬直してしまったよです。
(とうとう一矢の名が消え、桃太郎になってしまった。)
それをおじいさんは鬼退治のために戦略を練っているのだと勘違いし、
「そうか、もう決心してくれたか!!
良かった、良かった!!」
と本気で喜んでいます。
もう、こうなったら断ることはできません。
もし、断ったら殺されてしまうかも知れませんから・・・・・。
そこで桃太郎は考えました。
『鬼退治に行くと言っておいて一ヶ月か二ヶ月ブラブラして、
「鬼退治してきました。」と誤魔化せばいいか。』
しかし、その考えはすぐに否定されました。
「鬼退治の証拠としてお宝を持ってくるんじゃぞ!!
頼んだぞ、桃太郎よ!!」
この言葉を聞いて、
『おいおい、ちょっと冗談だろ?
そんな事できるわけないじゃねぇか!!』
と思いましたが、それを口にだすことはできません。
桃太郎は困りました。
しかし、
『鬼なんて、所詮は空想上のものだろ?
だったら、なにかうまい方法があるかもしれないな。
それに、そっちの方がこの筋肉馬鹿達を相手にするより楽かも知れないなぁ。』
と考え鬼退治に行くことを決心しました。