−−−第十五章−−−

 

桃太郎が鬼ヶ島に上陸して一年が経ちました。
犬・猿・雉にさせる芸を日毎に変化させていたのが良かったのか、
日が経つにつれ見物客は減るどころか増えていきました。
それに伴ってお金はバンバン貯まっていき、
既に、桃太郎はこの島でも1,2位を争うほどのお金持ちになっていました。

『これだけの財産があればあのジジババコンビも文句を言うまい。』

桃太郎はここの暮らしがとても気に入っていて離れたくなかったのですが、
これ以上滞在するとあの恐怖のジジババコンビが、
この島に乗り込んでくるかも知れないと思ったので帰ることを決意しました。
もし、あのジジババコンビが乗り込んで来て暴れでもしたら、
誰も止めることが出来ず、この島の人々に迷惑をかけることは明白だからです。
桃太郎は、既に買っておいた豪華客船に今までの財産を詰め込み、
この島の住人達と別れの言葉を交わして出航しました。

「はぁー・・・・・
 とうとうこの島ともお別れなのか・・・・・
 やっぱり鬼というのはただの噂だったなぁ。
 それにやたらと尾ヒレがついて妖術だの何だのと・・・・・
 この島の人達も可哀相に・・・・・
 いい所だった・・・・・
 また、機会があれば寄りたいなぁ・・・・・」

こうして桃太郎達一行は桃太郎の安否を気遣っている!?
おじいさんとおばあさんの元へと帰って行きました。

 

前ページ   次ページ