−−−第一章−−−
ここはある山奥の中。
ここにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
「じぃさまや、あたしゃ洗濯に行ってくるけぇ、
その間に猪でも捕まえておいてくれな。」
「ばぁさまや、わしゃ芝刈りに行くけぇ、
猪捕まえるのはちょっと遅くなるっちゃ。」
こうして、おじいさんとおばあさんは定番通り、
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが洗濯をしていると、川の上流から
どんぶらこ、どんぶらこ
と大きな物体が流れてきます。
おばあさんは老眼だったのでそれが大きな桃に見えました。
『あや、こりゃまたなんちゅう大きな桃だべぇなぁ!!
これを持って帰ればじぃさまは喜ぶだろうなぁ!!』
おばあさんがそんな事を考えているうちに、
その大きな桃!?はすぐそばまで流れてきています。
「うし、持って帰るべ!!」
そう言うが早いかその大きな桃!?をおばあさんはヒョイと持ち上げました。
普通のおばあさんが持って帰れるような代物じゃありません。
だが、このおばあさんは普通じゃありませんでした。
おばあさんの体は筋肉ムキムキのマッチョマンのように、
全身が鍛え上げられていました。
『さて、早く洗濯をすませてじぃさまと一緒にこの桃を喰うべかな。』
そんな事を考えながら、おばあさんは洗濯物の残りをさっさと片づけてしまいました。