著者:夢幻★infinity


いつからだろう・・・・・
心が漆黒の闇に覆われたのは・・・・・

いつからだろう・・・・・・
感情が無くなったのは・・・・・

気付いたときには自分の心の中は闇だった。
昔から、心の底から笑ったり、喜んだり、楽しんだりしたことがない。

だけど・・・・・
昔は、心の底から悲しんだり、泣いたり、悔しんだりしたことはあった。

しかし、今は・・・・・
喜怒哀楽全てが失われてしまった。
全てうわべだけのモノになってしまった。
場の雰囲気に合わせる擬似的な感情。
今の自分にはそれしかない。

何故こんな事に・・・・・
悲しんだり、泣いたり、悔しんだりする事に疲れたからだろうか?

希望ってなんだ?
絶望ってなんだ?

これらは何か対象となるモノがあって初めて出てくるモノだろう?
そんなモノは元からない。

愛ってなんだ?
憎しみってなんだ?

擬似的感情しか持たなくなった自分には分からなくなってしまった。

幸せってなんだ?
不幸ってなんだ?

人間の皮を被ったロボットの自分には答えを見つけられない。

心に何もない漆黒の闇を持っているのは自分だけではないと思ってた。
他人もきっとそうだと思ってた。
ずっと、ずっと、思ってた。

でも・・・・・
違うみたいだ・・・・・

うわべだけでなく、本当に笑ったり、喜んだり、悲しんだり・・・・・
心の底から感情を表しているようだ。

自分は生まれてくるべき世界を間違えたのだろうか?
自分はここに存在してはいけなかったのだろうか?
この世界にとどまるべきではないのだろうか?
別の世界に旅立った方がいいのだろうか?

もしかして、これが不安という感情なのか?
最期に感情を一つ取り戻したのか?
皮肉なモノだ・・・・・

新しい世界は自分に合うかな?
自分の居場所を求めて、
今旅立つ・・・・・

− 了 −


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