さがしもの

著者:夢幻★infinity


朝、起きるとボクは何かを失っていた。
失ったモノが何か分からないまま、
失ったモノをさがしにいく。


テクテク歩いていくとクマさんに会った。

「ねぇねぇ、クマさん。
 ボクのなくしたものをしらないかい???」

クマさんは二つのピースをボクにみせた。

「ボクが持っているのはこれだけだよ。」

そこには「優しさ」と「憎しみ」のピースがあった。
ボクの欠けた部分にピースにはめてみる。

ガチャガチャ
ガチャガチャ

うーん、うまくはまらない。

「どちらもボクのじゃないみたいだ。
 クマさんありがとう。」

少し歩くと今度はウサギさんに会った。

「ねぇねぇ、ウサギさん。
 ボクのなくしたものを知らないかい???」

ウサギさんは二つのピースをボクにみせた。

「アタシが持っているのはこれだけよ。」

そこには「孤独」と「仲間」のピースがあった。
ボクの欠けた部分にピースにはめてみる。

カチャカチャ
カチャカチャ

やっぱり、うまくはまらない。

「どちらもボクのじゃないみたいだ。
 ウサギさんありがとう。」

歩き疲れたので休んでいると今度はおじいさんに会った。

「ねぇねぇ、おじいさん。
 ボクのなくしたものを知らないかい???」

おじいさんは二つのピースをボクに見せた。

「ワシの持っているのはこれだけだよ。」

そこには「希望」と「絶望」のピースがあった。
ボクの欠けた部分にピースにはめてみる。

カチャリ

あ、ピッタリはまった。

「ボクのさがしていたのはコレだよ!!
 おじいさんありがとう。」

・・・・・さがしものは見つかった。

− 了 −


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