−−−第三章−−−

 

耳の良くなる薬を売ってから数日後の事である。

「そろそろ気が狂う人物も出てくる頃だろう!!
 そうは思わんかね?
 蔵本君!!(^_^)」

「ええ、僕もそう思っていたところなんです!!
 偉大なる刃博士ぇー!!
 そろそろ街の反応を見てみましょうよー!!(^_^)」

「うむ!!
 そうだな!!
 では反応を見るとするか!!
 行くぞ、蔵本君!!」

「はい!!」

というわけで高山と蔵本の両コンビは街の人々の反応を見に行くのでした。

街の人に色々と薬の評判を聞いてみると、
みんながみんな口を揃えて、

「とても良い薬を有り難う!!」

とか、

「これでおじいちゃんの耳が良くなりました!!
 どうも有り難うございました!!」

とかの絶賛する声しか聞こえてこない。
高山達はこの予想外の反応に怪訝しながらも、

『もしかしたらこの町には愚民がいなかったのか?』

と考えて納得しようとしていた。
しかし、そんな馬鹿な事はないだろうと思い、
思い切って近くにいた男ににさりげなく鼓膜が破れたりしなかったか聞いてみると、
返ってきた答は、

「ああ!!
 確かに馬鹿みたいな実験をして、
 鼓膜が破れた人はいたが、
 そこはそれ、あの薬のおかげでさぁー!!(^_^)
 あの薬を飲んだら、
 ほれ!!
 ご覧の通り完全に治ってしまったのさ!!
 あっ!!
 ちなみに私も鼓膜が破れた人の一人だったりするだがね!!
 はっはっはぁー!!(^_^)」

 

ドスンッ!!

 

この答を聞いた瞬間、高山は力が抜けたらしくその場で卒倒した!!
それを見て、蔵本は

「は、博士ぇー!!(/_;)
 しっかりして下さい!!
 博士ぇー!!(T_T)」

と高山の気を取り戻そうと必死のようだ。
その光景を見てその男は、

「どうしたんだい?
 夏バテかね?
 いかんなぁー!!(^_^)
 発明に力をいれるのはいいがスタミナもつけないといかんよ!!
 ハッハッハァー!!(^_^)
 では、これで失礼!!」

と言いながら去って行った。

そしてそのすぐ後に高山は気が付いて、

「畜生!!失敗に終わったか!!
 今度こそ成功させるぞ、蔵本君!!」

と、まだまだ野望に満ちた声で言った。
そして、それを聞いて、

「はい!!頑張りましょう!!」

と蔵本が答えた。

最後に高山がポツリと一言、

「・・・・・畜生!!」

と涙で目を湿らせながら言った。

季節は夏、まだまだ暑い日が続くようだ。
しかし、高山の野望の火はその暑さを吹き飛ばすぐらい、
熱く、激しく燃え盛っていた。


−−−完!?−−−

 

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