回転寿司天下太平

1996年8月作品

by Kenzi Mazima




天下寿司は都心を中心に展開する回転寿司チェーン店のようだ。

私と天下寿司との出合いは4年くらい前の渋谷である。
渋谷は若者の街のようであるが、本来の姿は、廉価な回転寿司を提供するチェーン店がひしめく、巨大スポットなのである。
私はその渋谷で、びっくり寿司・築地本店・元禄寿司と、たくさんのチェーン店を天秤にかけたが、悪くはない味と安く食べられることに釣られて、この天下寿司との長いつきあいを始めてしまっていたのだ。
その天下寿司の一番の特徴は、どの皿を食べても同一の値段だということである。従って、ネタによってはレベルの低いウニなどの皿も存在するが、なにより我々のような資本の無い人間には、とても重宝される存在になっている。

現在私はすでに天下寿司だけで3カ店回ることができたが、やはりチェーン店なので、どの店に入ってみても景色に大差なく、いろいろと錯覚を起こしてしまう。
例えば、ある店ではボタンエビのひとりで食べる数量が限定されていたり、サーモンの上に乗せられているものはレモンかソースと店によって変わったり、極めつけは皿1枚の値段が10円違ったりと、地域によってかなりまちまちである。

Sushi image1 しかし、天下寿司ならではのサーヴィスも受けられる。まずひとつめは、社長室行きのアンケートハガキが店内に数多く設置されており、店員の不手際を名指しで社長に指摘できることだ。さすがに私の逆燐に触れる店員には、いまだに出会ったことは無いが、回転寿司気分が大きく害された場合は、早急にアンケートハガキを投函してみようと思っている。
しっかりと名指しで指摘するようにと、社長自らのお言葉が載った張り紙がドドーンと張り出してあるので、みなさまもドシドシ投函にトライするべきだ。

ふたつめのは、レジ前に料金早見表が掲載されており、食べた皿の枚数で素早く料金が把握できることである。
このことが効力を発揮するのは、特に某カ店に行く場合である。ここへ行く場合は、違法な路上駐車を必要とする場合があり、少しの時間の遅れでも反則金振込などの大損害につながる恐れがあるため、なるべくならお金の支払いに時間をかけたくないのだ。
実はこの場所で、一度ミニパトにチョークを引かれ、危機一髪のタイミングでレッカー移動車の餌食から逃れた恐怖の経験がある。しかし最近、夜間以外は東急の駐車場に勝手に止めて、天下寿司で優雅に舌づつみを打つ場合が多いので大丈夫だ。

みっつめのサーヴィスは、なんといっても平日の大トロサービスタイムである。回転寿司屋の大トロなので大したモノでは無いのであるが、回転寿司界における安価な大トロ放出サーヴィスは、資本のない我々のような貧民に、とても受けているのではないであろうか。実際にサービスタイムに来店すれば、大トロは超人気商品だということが、即座に理解できることであろう。

以上が大きな3つの特徴であるが、なんといっても安さは一番の味方である。どんなネタに手を伸ばしても同じ値段であるから、回転寿司経験が3年未満の浅い方にはお薦めである。

天下寿司でのお薦めネタは、サーモン・イカ・赤貝である。逆にあまりお薦めできないネタは、ボタンエビ・ウニである。これらは他の店で食べたほうが幸せだと思う。

天下寿司についてアレコレ言ったが、渋谷に出かけたら寅ちゃんに行きましょう。



(終わり)


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