回転寿司話

1997年1月作品

by Kenzi Mazima




回転寿司屋"話"とは、とある私鉄の線路に面したお寿司屋さんだ。

この店は、私鉄の拡張工事のため、あと数ヶ月でやむなく店をたたむことになるようだ。
この事は昨年まで店先のドア付近に掲示されていた。

回転寿司評論家の私には、この店が無くなってしまう前に一度入店しておかなくてはならない義務があるので、早速、弟子と採点しに出かけた。

今回の採点は休日の昼下がりに行なった。普通の人々は昼食を食べ、しばらく経過したあとの回転寿司を一番楽しめる時間帯だ。

一番楽しめる時間だという理由はこうだ。
昼時のにぎわいを見せた後はフタ付き皿がかなり出回る。
その後しばらくすると、経験の浅い他の者がフタ付き皿を少しづつ処理していくようになり、その後は少量のフタ付き皿だけが回るようになる。
そして、客が少ないため、握り職人はフリーな時間となるのだ。
そのためこの時間帯は、回転寿司屋の決まり文句「まわっていないものは注文してくださいね〜」を存分に利用できる時間なのだ。

Sushi image1 この店も例外では無かった。が、少しさびれたお店なのだろうか、外から見ると客が皆無だ。

私と弟子は覚悟を決めて突入した。

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変わったネタはナス。ほかのネタは中の中といったところであろうか。店の総合評価は中の下で40点としておく。
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残念ながら、ごく普通の回転寿司屋さんであった。この店の売りは「数ヶ月後に店をたたむ」ということであろう。
最近、私の胃袋はとてつもなく小さくなったようで、20皿を軽くたいらげていた頃が、まるでうそのようだ。

10皿も食べるとお腹がいっぱいになり、この店に最後の別れを告げた。



(終わり)


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