
最近気に入った純田圃競技機を所有していないので久々に自作しました。コンセプトは前縁材省略+スパーレス構造の軽量グライダーで、平面形および上半角度等は1998年サンライズ・サンセットでSimpropチームが優勝したエクセルコンペ改のモドキです。パワープラントはストラトス、パストラル・スピードで実験したECOパワーの6セル23Tストックモーターのダイレクトドライブで全備重量1kg以下の機体を急上昇させ、打倒ハイライト無制限軍団を果たそうという企てです。翼幅1.85m。
V尾翼:
否定派の私ですが、一度は使ってみたい物でした。実機では1960年代に一時期現れて消えた尾翼システムなのでカッコウはともかく実用性は無かったのでしょう。消えた理由は、思ったほど軽くならない、ラダーとしての効きが悪い等。しかしRCグライダーでは意外と流行っており、F3Bでは殆どこれになっているのも訳が有る筈。何でしょうね? あれは、単純にエレベーターの機能のみだから良いのかな。私は得にHLGのサイズではエルロンもV尾翼も不利と思っています。だってラダーの動きに起因するバンクとは反対に尾翼を捻じるのですヨ!....カッコウ良さは抜群ですが。実際に400クラスV尾翼機を飛ばさせてもらっても、どうもしっくり来なかったのです。しかし試しにエリプス似のPLG機を作って飛ばしてみたら、旋回に入ってからの挙動が良好で、旋回中は合理的な尾翼かも知れないと思ったのでした。このPLGは大変良く飛びました。
マイクロエリプス-V

Bieneで気に入った翼型です。不思議なくらい良く浮く予定....^^。但し今回はハーフプランク翼なので、キーン&ゴーの層流翼とは成り得ないでしょう。最初は随分薄翼だなぁと思ったのですが今日全然薄くはないのですね(9%)。ハイキャンバーで下面にも2mm位のキャンバーがついてるのが特徴で、これを再現するにはフラットボトムより相当の手間がかかります。これを上手く形成すれば、あのBieneのようにターゲットロックオン! .....捻じりモーメントも相当強いですが.....。リブの型板は翼端翼根共400モグラと同じサイズなのでそのまま流用。主翼の平面形は中央部は400モグラと同じで、翼端をそれぞれ延長した物。さらに型板は中央リブに無駄無く組込みます!! 主翼取付け角は0度としますが、この手のハイキャンバー翼はポーラーカーブを見ても主翼翼弦線に対してプラス2、3度のゼロ揚力角があるので、これでCL/CDの最適化を計ります。

例によって下面プランク基本工法で組み立て:
主翼の構造は400モグラで試した通りの1.5mm(1.6mm)ミディアムハードバルサ。胴体も同じバルサ。つまりこの機はメイン胴枠とモーターマウント以外、殆どTower Hobbiesからの1.5mmバルサストックで作りました。一枚17-24gのミディアムハードで決して良質軽量ではありませんが、その分強度は有りそうです。胴体は縦積みバッテリーギリギリの幅に絞込み、縦に寸方を稼ぐ事により主翼下部の側面積を大きく取り、少な目の上半角の上半角効果を補います。さらにメイン胴枠は45度斜めに取り付け、その後ろのバッテリーを万が一の場合は下部に飛び出させるバッテリーシューターとし、衝突エネルギーの分散を図ります(energy release)。
主翼の材料は、上下前縁プランク材と後縁材を丁度一枚幅から無駄無く切り出し、下部前縁とスパー位置にカーボンロービングを一筋エポキシにて貼り付けます。二分割なので翼根のスパー位置は二本貼り付けます。そして下面リブキャップと後縁材と張合わせたら、下面キャンバーがフラットにならない様、3mm厚棒をかませて組み立てます。リブには前後縁材やスパーの切欠き等は有りません。

主翼D-tubeを作る:
中央接合部のWebのみ1.6mmベニヤ、その両横が3mmハードバルサのWeb、その他は1.5mmハードバルサを直角を出しながらリブと共に瞬間接着剤で次々に貼り付けて行きます。Websと各接着面は特に気を遣って隙間無く取り付けます。下面を貼り終えた状態で翼を捻じってみてもまだフニャフニャ。下面前縁プランク部をリブ上面のカーブに合わせて整形し、Websのはみ出しをリブ上面と面一に削る。上面プランクは例によってRC技術4冊を重しとしてズラシながら乗せ、まずリブ面のみ速乾木工用ボンドで接着。この段階で翼を捻じってみるとかなりしっかりしていますが、まだ捩じれます。そして最後にスパー部分と前縁部の突合わせを瞬間接着剤で閉じてるD-tubeの完成です。この状態で翼を捻じってみるとガッチリ、もう捩じれません!!
上部後縁材は最後端に補強の細切マイクログラスを挟んで張合わせます。そして後縁の厚みが無くなるまで楔型に整形します。このように瞬間接着剤多用で組立てて行くと最近では仮止めの待ち針や虫ピンの類は全く使用しなくなりました.....ノズルが詰まった時は使います....^^;

手持ちの主翼重量の比較:
上からエクセルモドキ180g、スキマー255g、サギッタ350g

Go-no-Go 評価表
全備重量(g)
原動機(g)
主翼面積(dm2)
翼面荷重(g/dm2)
失速速度(km/h)
3*失速速度(km/h)
必要入力(W)
原動機重量比
適性ペラ径(")
最小ペラ径(")
Kitty2001
960
550
32
30.0
18.6
55.8
105.7
57.3%
7.3
6.6
エクセルモドキは「3*失速速度」ルールにおいてはプロペラ後流速度が55.8km以上必要となります。これは8*4K折ペラにて11500rpmが得られたので70.1km/hとクリア。次に「入力50W/lb」ルールにおいては入力が105.7W以上必要ですが、これは実際199.5Wと余裕です。「原動機重量比50%以上」ルールにおいては 57.3%とクリア。「適性ペラ径」ルールにおいて 8"使用でも 7"使用でもOKです。この結果全ての初飛行成功条件をクリアしており、モーターグライダーとしては全く問題無し。
初飛行:
またまた突貫工事でなんとか田圃競技日に間に合わせましたが、40男にはだんだん疲労がたまって来ています。徹夜を繰り返すのは身体に悪い! さて競技前に初飛行をさせて頂くと、重心位置は何だかスッキリしないし、上半角不足か旋回には入り難いものの、旋回に入れば挙動はばっちり決まり、クルクル回ります。上昇力は23Tストックモーターで良好です。競技の方は殆どぶっつけ本番の1ラウンド目で、相当良いタイムを出したので、コリャイケルと思った2ラウンド目、虫の騒ぎで発進前の動作テストを今一度やると、どうも動翼の動きが渋いなと思ったら、なんとホーンが折れていた! 1ラウンドの着陸でヨレた際、カッコウ良く尖らせた釣竿の尾部が田圃に突き刺さり、ホーンを折ってしまったのでした。無念のリタイヤ...。でもこの機体は煮詰めて行けば相当のポテンシャルを発揮する筈。
パワープラントの考察:
23Tストックモーター/6セルと8*4折ペラのギリギリセッティングは満足な上昇力を発揮しますが、V-テールミキサーの2サーボ同時運転では、使えるバッテリーも元気な物に限られます。2個のサーボを同時操作となると、その消費電流で負荷電圧が一時的に下がり、オートカット電圧に早く達してしまう事が有ります。さらに騒音の大きさは、相当なエネルギーロスを表わしており、算定エネルギー変換効率値も59%と、初期の目的を達成した後ではその効率の悪さはどうした物かと思っていました。負荷/無負荷回転数=60%以上の目安ルールも下回っています(50%以下!!)。でもモ−ターは高負荷でなんとか持ち応えています。そこで思ったのが、短時間運転であれば負荷/無負荷回転数=60%より大きい負荷をかけても大丈夫かも...。そこで7030手巻きモーターで9インチを回せるかテストしてみると、6セルで9*5G折ペラで8900/18900rpmの高負荷(47%)ながら負荷電流22Aで、算定エネルギー変換効率値83%(ホンマかいな)の値が出ました! これで飛ばしてみると、23Tストックのジャジャ馬ぶりと比べてなんと静かでスムーズな上昇なのでしょう。時間当たりの到達高度も殆ど同じで、何度も上昇が可能でした。算定エネルギー変換効率値83%も少し本当の様です。3極モーターは30Tを越えると途端に効率が良くなる?
| Type | JL23 | 7030 | 7030 | AP29L6527 |
| Cells | 6RC1700 | 6RC1700 | 6RC1700 | 6scrc1700 |
| rpm@NL | 25100 | 18900 | 18900 | NA |
| Prop | 8*4K | 8*4.5G | 9*5G | 8*4E |
| rpm | 11500 | 10100 | 8900 | マキマキ中 |
| Prop(km) | 70.1 | 69.3 | 67.8 | NA |
| rpm/NLrpm(%) | 46% | 53% | 47% | % |
| 入力(V) | 5.7 | 6.3 | 6 | V |
| 負荷(A) | 35 | 19 | 22 | A |
| 入力(W) | 199.5 | 119.7 | 132.0 | W |
| 算定軸出力(W) | 118 | 90 | 110 | W |
| 効率(%) | 59% | 75% | 83% | % |
| 熱損失(W) | 81.5 | 29.7 | 22 | W |
| スポーツ機重量(g) | 1180 | 900 | 1100 | g |
| 高翼練習機(g) | 1770 | 1350 | 1650 | g |

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