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オーロラを楽しく安全に見るためのガイドブック
by 日蝕貧乏知恵者猫
揃えると便利な防寒具とグッズ
 私は1990年に天文雑誌主催のツアーに参加してオーロラにとりつかれてしまい、その後オリジナル・オーロラ・ツアーを企画しています。ある年には総勢33名のツアーになりましたが、その時にの参加者の半数が40歳台後半〜70歳台で(残りは30歳台マニアック組)、その方々の装備は「日本のスキー場」程度に毛の生えたような物と言っても差し支えなく、厚手のセーターやオーバー、足りなければ使い捨てカイロを使うというスタイル。当時はまだアラスカでもレンタル防寒具のサービスはなく、ほとんどが普段着ている防寒具で、新たに揃えた物はほとんどないという方ばかりでした。
 実際のところ、夜、外へ出たらよほどのことがない限り部屋には戻らないというタイプの人は少なく、オーロラ・ツアーに参加される方々の多くは、オーロラが出たら外へ出て(見張りを順番にするとか、要領のいい人は外が騒がしくなったら出るとか)、寒くなったら部屋へ戻るという方が多いのかも知れません。
 ましてや太陽が昇るまで起きている人はほとんど居ないようで、普通は昼間のアクティヴィティを楽しむために、体力温存でセーブすると思います。

 オーロラは、一晩中ずっと出ていることはそんなにありません。
 何度も部屋へ引っ込むと、突然ブレイクアップ(激しく動く時のことを言います)したオーロラを見逃すこともあるかも知れませんが、やはり体力と装備に応じて見ることが肝心だと思います。

 最近は現地で防寒具レンタルを受けられる所も多くなってきました。
 防寒スーツ上下(もしくはつなぎ)、手袋、帽子、防寒ブーツがセットになっていることが多いので、それ以外で、経験上、出来たらこれだけは揃えて行ったほうが良いと思われる物をリストアップしてみます。

防寒用下着
 私は最初に行った年から登山用下着を使っていたのですが、ある日、夕食が済むと既にオーロラの舞いが始まっていて、昼間着ていたTシャツの上に、慌てて防寒具を着て飛び出したことがありました。
 室温は20℃以上で支度をするだけで一汗かきます。
 外は−30℃で、オーロラに見とれていた内は気にもしなかったのですが、気付くとどうも背中が妙に冷たくて寒いのです。どうにも心地が悪くて部屋へ戻ってみると、木綿のTシャツが汗を吸ったまでは良かったのですが、蒸発しなかったので凍り付いたように冷たく感じたのでした。多分、体温も奪われてしまったのでしょうね。
 ということで、オーロラ・ウォッチングの時には
木綿のTシャツはお勧めしません

 そんなことを防ぐためには、ポリエステルとかポリプロピレンの新素材で出来た防寒用下着がとても良くて、洗濯してもすぐ乾くし、軽くて暖かいです。(ウールや絹も良いですが、洗濯のし易さは化繊の方ではないでしょうか)
 登山屋・釣具屋、デパートのスポーツ用品売り場などで売られていて、上下で5,000円程度〜です。
 また、海外のアウトドア用品の通販(詳しくは後述しますが、インターネットでも入手可能。REIやL.L.Beanなどがあります)でも通年購入可能です。
 生地の厚さや種類は色々ありますので、店員さんに相談してみて下さい。

ウールか新素材の厚手のソックス
 木綿のソックスは含気性も少ないし、汗をかいたら後で寒い思いをしますから、それ以外の繊維の靴下が良いと思います。また、寒さは足元から来ますから、2枚重ね履きなどで対応して下さい。
 登山用のソックスには、ニッカボッカ用の長いニーソックスや、厚手のウールソックスなどバリエーションが豊富なので、組み合わせて履いてもいいと思います。
 1足1,000円位〜。

 ただ・・・個人的には、私はかさね履きが苦手なのです。
 私は履いても2枚が限度。それ以上履くと、お互いのゴムの部分で血行がメチャクチャ悪くなって、何段階かのチアノーゼ・グラデーションが出来てしまうのです。(;_;)
 オーバー・サイズの靴下とか、色々試してみたのですが、結果は×。
 防寒対策云々よりも、体質改善しないとダメかも知れません。
 未だに完全足元防寒が出来ないので、困っています。

フリースのネックアップやマフラー
 最近はスーパーマーケットでもフリース製のトレーナーなどが出回っていますが、暖かいし軽いし、ウールみたいにチクチクしないので、首まわりや顔に直接触れても心地良いですね。(^_^)
 ネックアップというのは商品名(商標)かも知れませんが、幅20cm位で周囲50cm程度のフリース製の筒状の物です。(^_^;)
 暖かい空気は上へ昇って行きますから、体の熱は首まわりと頭から逃げて行きます。
 普段しているマフラーでも充分ではありますが、動いた時にもピッチリとして、また頬や鼻までしっかり覆えるので、スキーの時にも重宝します。
 ディスカウント・ショップや釣具屋さんでも見かけます。1,000円程度からあるようです。

滑りにくい靴
 オーロラを見る時にはレンタルの防寒ブーツを履かれると思いますし、敷地内を歩く時にも粉雪の積もった道を歩くので、滑るような場所はレストランの入り口など、限られた場所だけでしょう。
 ぜひ滑りにくい靴が欲しいのは、フリータイムです。
 道路や歩道は雪かきされているのですが、所どころにかき残しがあって、それがアイスバーンになっていたり(歩道と車道の間のスロープなどに多いので、横断歩道を渡る時には注意して下さい)、建物の屋根からの雫やバスのステップの雪が凍り付いていて、思わぬ所で滑ることがあります。
 テニス・シューズや普通のフラット底のスニーカーなどではなく、出来ればアウトドア・シューズや軽登山靴のように、底に突起があるような靴がいいと思います。

 なお、買い物をする時などには、風さえなければ重装備はしなくても大丈夫だとは思いますが、手袋とイヤーマフ(耳当て)か帽子は持って出た方がいいです。
 どうしても寒ければ、ダウンタウンだったらお土産物屋さんを1軒づつはしごしながら暖を取って・・・でしのげると思います。(^^;;)


使い捨てカイロ
アラスカ・フェアバンクスのアウトドアショップで見かけた使い捨てカイロ 最近は現地でも入手可能ですが高価なので、日本から各種持って行かれる方が良いです。
(右の画像:フェアバンクスのアウトドアショップでは、「ハンドウォーマー」としてミニタイプの物が2個セットで$1.95−もしていました!)

 私の場合は、貼れるタイプの物を腰に1つ付け、ミニタイプは左右のポケットに1つづつ忍ばせておき、オーロラが出るのを待っている間に手を温めたりしています。
 靴の所でも触れましたが、靴用のカイロはピッタリサイズの靴で使用した場合には、空気の循環がなくなるために途中で冷たくなってしまうことが多いです。

 多めに持って行って使わなかったカイロを日本まで持って帰るのが面倒ということで、現地に捨ててくる人が多いようですが、ゴミ処理問題になっているという話を聞いたことがあります。
 海外では使い捨てカイロが主流ではないので、単に部屋に残されただけだと(日本語表記ということもあって)何なのか分からないので、結局ゴミになってしまうでしょう。

シュラフマット(断熱シート)
 雪の上に座ったり、寝ながらオーロラを楽しむためには、マットがあると便利です。
 普通のピクニック用などのビニール・シートはかさばらなくてよいのですが、寒さも伝わるので、出来れば裏にウレタンやアルミを貼った断熱シート(シュラフ下敷き)が良いでしょう。
 厚みは様々な物がありますが、余り薄いと断熱効果が薄れますし、厚いと持っていくのに難儀します。
 アウトドア用品や釣具屋で1,000円程度〜です。

懐中電灯
 詳しくは次ページをご参照下さい。

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