Home/index

オーロラに会いに行こう!
いつ、どこへ行けば会えるの?
by 日蝕貧乏知恵者猫
太陽活動とオーロラ出現率
 太陽活動とオーロラの活動の関連性については諸説言われていて、明確な結論が出ていない現在、科学者でもない私が断言することは避けるべきではないかと思います。
 また、オーロラ発生の科学的メカニズムに関しては、専門家にお任せしたいと思います。

 太陽黒点活動とオーロラ出現率は関係があると言われています。
 しかし、11年周期の太陽黒点のピークとオーロラ出現率のピークが合致するという訳ではなく
オーロラの出現率は、太陽黒点活動ピーク時よりも数年後の方が確率が高いとされています。
 太陽黒点活動が活発な時期にはオーロラの出現率は安定せず、平穏期には太陽表面のコロナ(ル)ホールの影響により、オーロラは周期的に安定して発生するというのです。

緑白色の静かなオーロラ 1995年2月にフェアバンクスで撮影 けれども、いずれの時期にも全くオーロラが見られないということではありません。
 オーロラ・シーズン中(夜のある時期=アラスカ・フェアバンクスあたりでは、8月中旬くらい〜4月上旬くらいまで)のたかだか1〜2週間程度しかオーロラと対峙できない私ですが(シーズン中ずっと滞在できたらなぁ・・・というのは、全てのオーロラ・フリークの夢?)、1990年からこれまで毎年オーロラに会いに出かけて(2003年現在14年目になりました。)、毎回ちゃんとオーロラを見ることができています。
 これは滞在中毎日見られたという意味ではなく、全く見られずに帰国することはなかったということです。多くの場合、お天気が悪くて無理な場合を除き、ほとんどの夜にオーロラを見ることができています。
 本当はこれも非常に微妙な言い方で、初めてオーロラをご覧になった方だと「えっ?あれってオーロラなの?雲じゃないの?」とオーロラが出ていることに気づかないようなものや、眼が肥えた方からは「あれはオーロラのカス!」(;_;)なんていうお言葉が出るようなオーロラもカウントされていますし、ごくごくたまには快晴にも関わらず、オーロラのカケラすら現れない夜もあることをコソッと付け加えておきます。(^^;;)
(画像:緑白色の静かなオーロラ。1995年2月にフェアバンクスで撮影)

 頭の中にオーロラのイメージ(例えば、「七色に輝いて翻るカーテン」など)が大きく作り上げられていると、実際に遭遇したオーロラは色はほとんど判らなかったり、予想以上に暗かったり、動きもゆっくり・・・なんていうことも多くて拍子抜けしちゃうこともあるかも知れません。
 写真に撮ると随分カラフルに写っていたりするのですが、肉眼というのは暗い場所では色を余り感じなくなってしまうことと、暗闇の中で色を感じる性能というのは非常に個人差があるので、実際のオーロラは写真に比べると色味に乏しいと思って差し支えないと思います。
 その逆で、オーロラは想像以上、予想を裏切る素晴らしい姿を見せてくれることも多いし、全天至るところオーロラだらけ!なんていう時には、肉眼以上のものはなくて、写真もビデオも手が出せないのですが・・・。
 絶対『Liveが一番!』です。

カラフルで力強い頭上から降ってくるコロナ状オーロラ 2001年3月フェアバンクスで撮影 (毎年1〜2週間の経験だけから断言してしまうのは危険ですが)太陽活動が活発でなかった頃は、カラフルで明るいものや、夜空一面が真っ赤に染まるようなものや(前アラスカ州立大オーロラ研究所所長の赤祖父教授が『皇帝級オーロラ』と命名)、動きの早いオーロラの出現率は低かったです。
 オーロラ出現率はさておき、やはりパワフル&カラフルなオーロラが見られる確率は、太陽活動活発期の方が高いように思うのです。
(画像:カラフルで力強く、頭上から降るコロナ状オーロラ。2001年3月フェアバンクスで撮影)

 赤祖父先生のお言葉に個人的解釈を付け加えると、

◆太陽黒点活動ピーク時には、オーロラの発生率は気まぐれ。
 (実際、快晴なのにオーロラのかけらさえ現れないという夜もありました。)
 
しかし、カラフルでパワフルなオーロラが見られるチャンスがある。
◆太陽黒点活動の平穏期には、現れるオーロラは緑白色が多いが、オーロラ出現率が安定する。


 
オーロラとの遭遇率から言えば、オーロラ出現率のアップする太陽活動平穏期
(コロナホールの影響を受ける)を狙ったほうが良いでしょうし、カラフルでパワフルなオーロラを望むならば、オーロラ出現率は低くなるとしても、太陽活動ピーク時に滞在日数を長く・・・ということなのかも知れません。

 太陽活動平穏期でも、太陽表面でフレアと呼ばれる爆発が起こったり(太陽から太陽風が地球が届くまでには、爆発から2〜3日かかる)、コロナホールが地球に向いている時期には、雪原が明るく照らされたり隣の人の顔が見えるような、まぶしいばかりに輝くオーロラや、激しいブレイクアップが見られることがありました。
 太陽は約27日間の周期で自転しているので、前回活発なオーロラが見られて、その後太陽が1回転した時=約27日後に、再び活発なオーロラが見られるチャンスが高いとされています。(27日回帰性
 これについては、通信総合研究所の太陽地球環境情報で情報を得て、ある程度の予想を立てることができるのではないでしょうか。(太陽活動活発期は総合的予想が難しいとしても、静穏期のコロナホールの回帰は予想はかなりの確率で可能な筈。しかし、それも数ヶ月先というのは困難・・・というのが現状と思われます。)
 アラスカ州立大学のサイトでは毎年8月中旬〜翌4月一杯くらいまでオーロラ予報(Aurora Forecast)が出され、その夜、どこでオーロラが出ているのかリアルタイムの情報も得ることができます。
 また、当サイトの『オーロラ情報局』の「太陽地球環境予報」や「オーロラ活動度予報」でも取り上げています。
(申し訳ありませんが、サイト容量の問題もあり、予報関連は現在休載中です。m(__)m)

オーロラ帯と気候
 北半球に限って言えば、オーロラが見られるのは地磁気の北極を中心にして、北極地帯を鉢巻き状に取り巻いた地域です。
 正確に言えば、昼側にあたる部分はオーロラ・オーバルが細くなるので夜側に偏った楕円状になります。
 そして、地磁気の北極(=磁北)がカナダのグリーンランド寄りにあり、アラスカやカナダのほうが極磁北に近いので、北欧よりも南の地域でもオーロラが見える確率が高くなります。

 しかし、北極に近くなれば確率が高くなるという訳ではありません。
 アラスカやカナダでは北緯65度付近(フェアバンクスやイエローナイフ)でオーロラの見られる確率が高く、頭上からオーロラが降り注いでくるような、いわゆるコロナ状と呼ばれるオーロラが見られる確率も高いようです。
 それに比べ、数値的には北欧では北緯75度付近(北極圏内)まで行かなければ、頭上から降るオーロラを体験するのは難しくなります。けれども、北欧でもコロナ状オーロラは見られます。(その時のオーロラ帯のエネルギー量やオーロラ・オーバルの位置などが関係。また各々の場所の地磁気の傾斜角度によって、現れるオーロラの立ち上がり具合が変わってくることは考えられます。)

 ここで考えなければならないのが気候です。
 アラスカやカナダの内陸部の厳寒期(12〜2月位)は摂氏−40〜50度以下にもなるのに比べ、北欧の海岸沿いやアイスランドは海流の関係もあり、北極圏でも北米ほどは寒くなりません。(98〜99年冬には、スウェーデンやフィンランド内陸部でも−50度になりましたが・・・。)

 それから、言うまでもなくオーロラは雲の上で起こっている現象なので、気候の他に天候の傾向(晴天率)も加味しなければなりません。
 しかし、オーロラ出現率も晴天率も統計的問題なので、結局は運任せかも・・・。
 ちなみに、
秋口の天候は北米も北欧も余り良くないようで、晴天率は2月〜4月上旬が良いようです。

 アラスカやカナダでは『1年のうち240日以上はオーロラが見える』と銘打っていて、それはすなわち『オーロラ・シーズン中は晴れていれば毎晩見える』というふれこみのようにも感じられます。
 けれどもこの数字は、確かにオーロラは出ていても淡かったり暗かったり、雲のように動かないオーロラも含まれているかも知れませんし、肉眼でのデータなのかアラスカ州立大などのレーダー観測で得られたデータを元にしているのかも分かりません。
 北欧では、トロムソやキルナの観測所のデータでは『オーロラが見られるのは3日に1.66日の可能性』と言っていますから、数字だけを比べると北米側に軍配が挙がります。
 けれども、比べるにしても、お互いのデータの元になっている観測方法が分からないので、判断しかねるというところだと思います。

▲Page Top/Home/index

Produced by Madoka Fukushima
Copyright (C)MADOKA FUKUSHIMA 1999-2003
All Rights Reserved.
内容を大幅に見直し、加筆(Jul.,1,2003)