『空のkiroku』HomeIndex/太田泰宏さんのオーロラ報告

◆ 太田泰宏さんのオーロラ報告 ◆
2000年10月23日〜28日

ALASKA
フェアバンクス近郊
23日  A Taste of Alaska に着いて一夜が明けました。やっとのことでインターネットに接続できました。
 AOLに加入しましたが、アラスカのアクセスポイントはアンカレジとジュノーしかないようです。
 フェアバンクスからだと長距離になるので、DebbieさんのIDでいけない接続をしています。
 関西空港からも接続しようとして失敗しました。なれないことは、だめですね!

 機内からのオーロラは、ほとんど見えませんでした。地平線付近は、ぼんやりと明るくなっていましたが、オーロラらしい構造や光の柱は、見えませんでした。しばしば雲の中に入ったりしたので、星さえ見えなくなりました。3月のシアトル行きの機内からは、すばらしいものが見えましたから、ちょっと残念です。
 あの時はたぶんさゆりさんが、地上で見ていたのでしょうが、機内からも一晩中見えていましたし、特に地平線から立ちのぼるパッチ状のオーロラは圧巻でした。パッチ状のオーロラのあのタイミングで、光の柱がいくつもボアーン、ボアーンと下から上へと炎のように昇っていきました。パッチ状のオーロラは横から見るとこうなっているのかと、初めて知りました。それから東の空が明るくなっても、まだ暗いところではパッチ状のオーロラが見えていました。書いているだけで、あの感動がよみがえってきます。
 話がそれてしまいましたが、今回飛行機の飛行したコースもかなり南を飛んだようで、オーロラも南に来ないと見えそうになかったです。

 昨日アンカレジ空港では、かなり晴れていたので期待しましたが、フェアバンクスは雲が多く雲と雲の間から少しオーロラが見えただけでした。迎えに来たDebbieさんに、私が雪を連れてきたといきなり言われてしまいました。こちらの積雪は5cm位で、二度目の積雪だそうです。これが根雪になるのでしょうか?

 今朝は快晴でしたが、今はどんよりと曇っています。今夜もだめかもしれません。
 昼間は眠っていて何もできないのがいいのでしょうが、残念ながら暇だけはできそうです。
23日〜
27日
 23,24,25,26日と天候に恵まれず、空のkirokuからリンクしているweather.comやalaska.netの衛星画像や天気予報図を見ては、やきもきしていました。
27日〜
28日
 27日の昼頃からほとんど快晴になり、夜を迎えました。
 9時30分ごろ、北の低空が少し明るくなり、いよいよかと急いでシャワーを浴びて、また外に出てみるとすでに天頂にオーロラが出ています。しかし、空を横切る明るいものではなく、一仕事終えたような淡いオーロラです。不安になりつつも三脚を斜面の雪原に設置しましたが、その時には天頂のオーロラは、全く見えなくなりました。

 北の方向のオーロラは森の木の高さくらいで、たまに存在がわかる程度に明るくなります。
 明るくなるたびに、今晩が最後だというログキャビンのアメリカ人家族を呼びにいくのですが、着替えて出てくる頃には、決まってオーロラは暗くなっていました。こちらもなんだか狼と少年の嘘つき少年になった気がしてきましたが、明るくなってからだと私の方が、それどころではなくなるので、仕方ありません。

 1時30分頃でしょうか、それまで北に張り付いていたオーロラが、メインロッジの上のあたりで小さいながらカーテン状になって明るく紫色も見えましたが、北の方に半円を描いて消えていきました。
少しは動きが出てきたのかなと思っていると、カーテン状のオーロラが出たところに、光の柱が何本も現れて、南に寄ってきました。あまり明るくはありませんでしたが、この光の柱のダンスには、アメリカ人家族も間に合いました。

 3時頃には、北の森の上にアーチ状に東西にオーロラの橋が架かりました。あきらめて就寝していたアメリカ人家族を、起こすこともないかと思っていたら、いよいよ明るくなって、いつ動き出してもおかしくなくなったので、あわててお起こしに行きました。

 ところが、そのアーチ状のオーロラは、明るくなってもそのままです。そうしている内にふと気が付くと東の方から星が見えなくなっています。曇ってきたのかとあきらめきれない気持ちでいると、まわりの景色まで、白く霞んできました。霧に包まれてもオーロラはアーチ状に見えていました。だんだんと霧も濃くなり、あきらめかけていると、急に晴れてきてオーロラと星が復活してきました。
 ただオーロラはアーチのままです。やっと、やっとの事でオーロラがねじれてきました。ところが、ねじれて曲がりながら、暗くなっていくのです。ああっ、何とも言えない脱力感!それとともにまたも霧に包まれてしまいました。

 ふと気が付くと、カメラ、三脚、その他が霜と言うか霧氷と言うのか、真っ白です。それであきらめて、撤収しました。

 何度も起こしてしまったアメリカ人家族、これで寝られるねと思っていると、なんとチェックアウトしているではないか、私がほとんど一睡もさせなかったのね。ゴメン!

 あまり実りの無かったように見える一夜でしたが、初めて撮るデジカメのオーロラ、けっこういいんです。一番不安だったCCDのバックグラウンドノイズ、−10゜C位でも冷えてくるとほとんどわかりません。部屋から出てすぐはだめですが、カメラがちゃんと冷えてくると、うそのようにノイズが無くなります。赤い色も映りますし、すぐに結果が分かるのもいいです。
 カメラはニコンのCoolpix 990です。60秒までのバルブがあって、フィッシュアイコンバーターや24mm相当のワイドコンバーターがあります。これらを付けると、レンズが邪魔して光学ファインダーが、使えませんが広角にできるのは、オーロラ向きかと思います。
Copyright (C)太田泰宏さん

▲Top

Index

Home

Produced by Madoka Fukushima
Copyright (C)MADOKA FUKUSHIMA 2001
All Rights Reserved.