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皆既帯が通った主な場所の当日の天気のタイトル画像
by 日蝕貧乏知恵者猫/福島 円


 BSやCSなどでは、海外のニュース番組やお天気専門チャンネルなどがあって、日蝕当日の生中継もかなりの度合いで楽しめたと思うのですが、うちにはまだ衛星放送を見る環境がありません。
 そこで両親に頼んで録画してもらったのですが、まだテープが手元に戻ってきていません。
 より詳しい状況報告はテープを見てから・・・では遅いと思うので、新聞・TV・インターネット上で得たり、遠征帰国者から聞いた話などをまとめてみました。

 9月5日。『月間天文』『天文ガイド』『スカイウオッチャー』が出揃い、当日の情報が出てきましたので、更新していきます。
英国
●コーンウォール地方
 第2接触までの間に雨が降ったり、【皆既中も厚い雲があり日蝕は見られなかった】(朝日新聞)という報道がありますが、BBCニュースでは「こんなに素晴らしい物を見たのは初めて」「とても綺麗だった」というようなインタビューもあり、「??」なのです。
 雲の切れ間から見えたのかしらん?

ネットサーフィンしていたら、「イギリス国内ではお天気は悪くて無理と言われていたのに、ドーバーあたりでは晴れて見えた」という発言を見つけました。

フランス
●ノルマンディー
 英仏海峡を渡ると、ほぼ快晴。美しいコロナが見られたようです。
 ↓
謹んで訂正致します。
 これもインターネット上から「ノルマンディーにいらした方」からの情報で、快晴ではなく、雲の切れ間からコロナが見られたそうです。

●パリ
 パリでは皆既食にはなりませんでしたが、それでも99%以上欠けました。
 日蝕が始まる前には全天が雲に覆われていましたが、徐々に晴れ間が見え始めたようです。
 最大食の頃のシャンゼリゼ通りでは、日蝕グラスを片手にかなりの人が見物していた映像がTVで流れました。

●パリ郊外
 第2接触前までコロナは絶望視されていたようですが、晴れ間から美しいダイヤモンドリングとコロナが見られたようです。現地TVで生中継していたアナウンサーのヴォルテージはかなり上がっていて「これこそ神の奇跡だ!」とか「本当にこれこそが本物の首飾りのダイヤモンドだ」とか、なかなかに叙情的かつエキサイティングに報道していました。

●コンピエーニュ
 情報未入手。

●ランス
 厚い雲に阻まれ、皆既日蝕は見られませんでした。
 アストロアーツのサイトを見ると、ランスから40km程のペルテスではコロナを確認したという情報があります。

ドイツ
●ミュンヘン
 NHKのニュースの中で「たった5kmの差で雨に降られたところと、コロナを見られた所に分かれた」というコメントがありました。コロナを見られたほうは、第2接触直前に晴れたようです。

インターネット上で見つけた、ミュンヘン南部にお住まいの日本人の方の書き込み。
 朝から厚い雲があったけれども、第1接触後に晴れ始め、その後薄曇り。第4接触直前に厚い雲と時折の雨に見舞われたそうですが、皆既食中だけ見事に晴れて、プロミネンスも確認出来たそうです。添付されていた写真は、薄雲越しでコロナがにじんでいました。
 現地TVでは生中継があったそうで、その報道によると上記NHK報道と同じく、ミュンヘン市内でも場所によって見えた所と見えなかった所があったとのこと。

●シュトゥットガルト
 雨。(;_;)

●バーデンバーデン
●ウルム
 情報未入手。

オーストリア
●ザルツブルク
 最初雲が多かったようですが、皆既中は快晴だったようです。

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ザルツブルクの広場で日蝕をご覧になったという「せんさん」から、当サイトをご覧になったということで、情報をお寄せいただきました。貴重な情報をどうもありがとうございましたっ!感謝・感激っ!m(..)m
 詳細は是非せんさんのHPをご覧下さい!

 当日朝はインスブルックにいらしたそうで、衛星写真を見てザルツブルクへ移動。正午頃到着した時には雲が多く、太陽が雲に隠されると欠けているのが分かるという状況だったそうです。
 12:40頃、第2接触。雲の切れ間なのか雲が薄くなったのかは分かりませんが(皆既中の風景写真を見ると、結構モクモクとした雲が写っているように見えます)、めでたく内部コロナや美しいダイヤモンドリングの写真を撮られました。手持ちで撮影したとは思えません。
 かの小沢征爾氏も、このザルツブルクで皆既日蝕見物を楽しまれたとか。
 せんさんの文章の中で少し気になったのは「輪郭を残して一瞬何も見えなくなったが、やがてコロナの白い光が輝き出す」という一文です。
 もしかして、皆既中もサングラスをかけていらしたのでしょうか?
 「チラチラして見えた」という言葉もあって、ベイリービーズのことを指しているのかも知れませんし、もしかすると雲が流れるなどで減光されたのかも知れませんネ。
 ちなみにサングラスやフィルターなどですが、皆既中だけは肉眼で見ても大丈夫(双眼鏡などもフィルターを外して構いません)で、そうしないとコロナの淡いベールの広がりはよく見えないのです。
 でも、フィルターもサングラスも、外すタイミングというのが難しいのです。
 安全を期すならば第2接触数十秒前に外すという位になるのかも知れませんが・・・。
 どなたか良いアドヴァイスをお待ちしております。


●グムンデン
後日、せんさんが現地で入手した雑誌にグムンデンの天気が載っていたそうです。
 午前中は土砂降り。12:42 分厚い雲が空を覆う。 
 ・・・ということは、見られなかったのですね。(;_;)

●グラーツ
 雲があったかどうか定かではありませんが、インターネット生中継では綺麗な真ん丸コロナが見られました。

●バート・タッツマンズドルフ
 雲多し。内部コロナとプロミネンスは確認とのこと。

ハンガリー
●バラトンフュレド
 多くの新聞がここ発のダイヤモンドリングの写真(共同通信社)を掲載していました。

●バラトン湖&セーケシフェゲールフェール
 朝日新聞のコラムによると、当日は雷雨で目が覚めたそうですが、朝になって雨が上がり、雲も消えたと書いてあります。
 当日ここで観測した人の話によると、コロナは見えたけれど、薄雲があって内部コロナしか見えなかったようだった、とのことでした。

 バラトン湖は東西80km余りの細長い湖で、今回スッポリ皆既帯に入っていましたから、同じ「バラトン湖」と言っても、そのどこで観測していたかで微妙に天候は違っていた可能性があります。

●ケストハイ
 情報未入手。

ルーマニア
●ブカレスト
 おそらく見られたのだと思うのですが、それよりも昔からの習わしとして、わらや木などで作った大きな人形を広場で燃やし、太陽の復活を願うという映像の方が目立っていました。

●ゴボラ
 ほぼ快晴。シャドーバンドも確認できたとか。
 インターネットの生中継「LIVE!ECLIPSE99」の画像でも、(残念ながらピンボケっぽかったけれど)まん丸の内部コロナといくつものルビー色のプロミネンスが確認できました。
ブルガリア
●ドブリッチ
 快晴っ!全く雲一つなかったそうです。
 本影錐はかなりの人が確認。
 第2接触時のシャドーバンドは非常に薄く短い時間のみで、多くの人は確認できなかったそうです。
 多くの人が『最高の』『完璧な』と賛美する綺麗な日蝕だったそうです。
 (情報ありがとう!>ま*ちさん)

トルコ
●カスタモヌ
 こちらも4kmほどの差が明暗を分けた模様です。
 あるツアーでは、空港とサッカー場とに分かれての観測になったそうですが、空港組は薄雲の中コロナが観測でき、サッカー場組は雲に隠されたそうです。
 同じカスタモヌで観測していた別グループの人は、上記の空港組と同様の条件だったそうです。
 (こちらも貴重な情報ありがとう!>ま*ちさん)

●メリゾフォン
 黒海沿岸から丘陵地帯へと登っていくあたりに位置するメリゾフォンは、上へ登れば晴れていると予想されていたようで、前日は快晴だったそうですが、当日は丘陵に登ってもみごとな曇天。急遽、晴天を探して移動したそうです。

●ツゥルハル
 メリゾフォンで観測するツアーが移動した先が、偶然にも皆既帯直下のトゥルハル。
 ほぼ快晴で、時たま小さな雲が通るような状況だったそうですが、第2接触前から「日蝕雲」が沸いて、写真でも外部コロナの流線などが鮮明ではないとのこと。
 この日蝕雲の影響は、見ている方の中では評価が分かれるところで、「見えた」とするか「引き分け」とするか・・・だそうです。
 う〜ん、私はモンゴル・ダルハン工科大学寮横の雪原で見た日蝕を「引き分け」(雲がかなりあったけれど、内部コロナは見えたし双眼鏡ではプロミネンスを確認した人もいたし、ダイヤモンドリングも見たし・・・)としてしまうので、上記のような状態であれば「見えた」としてしまいそう。「引き分け」の方の評価はかなり厳しく感じました。
 まぁ、ダルハンの場合は丘の上に登った方や場所によっては全く見られなかったそうなので、それらを考え合わせた上で「コロナが見えたのだから引き分けでもいいかぁ」という感じではありますが。

●トカット
 情報未入手。

●シヴァス
 雲一つない快晴。サンサンと降り注ぐ太陽は、光線はきつくても標高が1300mと高いので、日陰に入れば全く問題なかったそうです。(私が行く筈だったツアーでは「陽射しがかなりきつい軽井沢だと思って下さい」、と事前に説明があったのですが、そういう感じだったかな?夜は結構冷え込んだ模様。)
 本影錐やシャドーバンドもはっきり見えたそうです。

●エラズー
 『LIVE!ECLIPSE』の中継はここからだったのでしょうか?
 ボーッとしていたのか、トルコからの映像がどこからだったのか記憶が薄いのですが、よぉ〜く考えたらエラズーだったような気がします。
 そうだとしたら、コロナもプロミネンスもバッチリで、第3接触時には彩層も見えたような気がします。

●バットマン
 情報未入手。

●ディヤルバクル
●バーデレ
 ほぼ快晴で、本影錐やシャドーバンドがくっきり観測できたそうです。

イラク
 TV画面を見ると荒涼としたベージュの砂漠のようで、快晴でした。

イラン
●イスファハン
 TV画面を見たところ、ポコポコと羊雲が浮かんでいましたが(日蝕雲だったのかも)、インターネットではプロミネンスまで分かったので、日蝕には支障はなかった模様。
 TV映像で、モスクの丸くて青いドームに、欠けていく太陽の最後の閃光が写っていて、とても印象的でした。

パキスタン
 コロナの映像が出ていたのですが、どこの映像か分かりませんでした。モンスーンの影響はなかったようですね。

インド
 日蝕そのものよりも、「日蝕が不浄なものとされているので、みんな沐浴して身を清めている」という映像ばかりでありました。

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