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Title.04
阿弥陀三題
 

 『アミダ三題』   
  仏はさまざまにいませども実は一仏なりとかや薬師も弥陀も釈迦弥勒もさながら大日とこそ聞け
                                                       (梁塵秘抄 仏歌25)
 今から900年ぐらい前庶民から貴族に至るまで、広い階層に歌われた流行歌が今様です。後白河法皇編纂の「梁塵秘抄」に収められています。  
  冒頭の歌は、仏はいろいろな形でおいでになるけれども真実は一仏であるということだ。薬師如来も阿弥陀如来も、釈迦如来も、弥勒菩薩も、みなそのまま大日如来であると聞いている、という意味です。  
  ところで阿弥陀如来も庶民に親しまれた仏さまです。
  阿弥陀仏の誓願ぞ かへすがへすも頼もしき一度御名を称ふれば仏に成るとぞ説いたまふ  
                                                       (梁塵秘抄 巻第二 29)
  弥陀の誓ひぞ頼もしき 十悪五逆の人なれど一度御名を称ふれば来迎引接 疑はず
                                                       (梁塵秘抄 巻第二 30)
阿弥陀さんの衆生を救ふことのありがたいことを歌っています。笑い話です。
  お寺で集まりがありました。おみやげの順番を決めるのにビンゴゲームをやりました。そしたらそこにいたお参りの人がつぶやいています。
  「お寺でやるクジは、アミダじゃないの」  
  和尚さんがトイレに行きます。あら大変紙がありません。外のお弟子さんに大きい声で言います。「カミがないぞ−」そしたらお弟子さん「ナンマイダー」お弟子さんは知らない振りしてホットケー。和尚さん「トホホ‥‥カミもホットケもないものよ」
 今は昔のこと藤六という歌詠みがいた。他人の家に、誰もいないのを見計らって入って行った。鍋で煮ていたものをすくって食べていた時、丁度この家のお上さんが水を汲んで大通りの方から帰って来た。見るとせっかくの煮物をすくって食べている。
  「なんじゃ、こんな誰もいない所に入り込んで、せっかくの煮物をむしゃむしゃやってござるぞ。ほんにひどいこっちゃ、やや、あんたは藤六だんなでござらっしゃるか。それなら歌をお詠みなされ」
  昔より阿弥陀ほとけのちかひにて煮ゆるものをばすくふとぞ知る
   昔から阿弥陀仏は誓いの通り、地獄の釜で煮られる衆生を救い取るという、だから、私も釜の煮物をかいですくいとるつもりだ。こんな歌を詠ってただ食いをごまかしたという話です。 
                                                      (「宇治拾遺物語」巻三十一)
  梁塵秘抄、仏歌の最後にはこうあります。   
  「真言教のめでたさは蓬窓宮殿隔てなし君をも民をもおしなべて大日如来と説いたまふ」
  うれしいことに、あなたも私も実は、誰もが大日如来、仏さまだと詠まれています。 どうぞ皆様お静かにお過し下さい。

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